インプラント書籍執筆の院長が丁寧にご相談にのります

院長 高田 徹

お電話でお問合わせ

03-3393-4182

インプラント1本60万円は高い?費用に差が出る理由や適正か見極める方法

インプラントは自費診療のため、一般的に費用が高額になるのがデメリットの一つとして挙げられます。また、歯科医院によっても費用は異なるため、事前に費用相場を知り、納得したうえで治療に臨むことが大切です。

今回の記事では、「インプラント1本あたり60万円は高いのか?」その疑問について触れながら、費用に差が出る理由や適切か見極める方法について詳しく解説!ぜひ参考にしてください。

この記事で分かること
  • インプラント1本あたりの費用相場は、30万~50万円程度
  • インプラント治療の費用に差が出る理由は、インプラントのメーカーや素材、治療の難易度、追加でかかる費用などが考えられる
  • インプラント治療が高額になる理由は、保険が適用されない、治療期間が長い、設備や衛生環境が必要などが挙げられる
  • インプラント治療が適正な費用かどうかを見極める方法は、見積書をもらう、セカンドオピニオンを受ける、他の歯科医院の相場を情報収集する、費用の安さだけで決めない

60万円は高い?インプラント1本あたりの費用相場

インプラントの一般的な費用相場は、1本あたり約30万~50万円といわれています。この金額には、インプラント本体(歯根部分)、アバットメント(土台部分)、そして人工歯(上部構造)が含まれ、さらに手術費用も加算されます。

費用が60万円に及ぶ場合は、術前のCT撮影や顎の骨を増やす追加治療、使用する素材のグレードによって上昇することが多いでしょう。また、保険が適用されない自由診療であるため、医院ごとに価格設定が異なり、さらに個人の口腔状態や治療計画の内容によって最終的な総額が大きく変動します。

そのため、費用が60万円する場合も珍しくないですが、費用の内訳や内容について、必ず治療前に十分な説明を受けるよう心掛けましょう。

インプラント治療の費用に差が出る理由

インプラント治療の費用は、歯科医院によって大きく異なることがあり、その理由は一つだけではなく、様々な要素が重なって費用に影響を与えています。

ここでは、インプラント治療の費用に差が出る理由について詳しく解説します。

インプラントのメーカーの違い

インプラント治療に使用される人工歯根には、多くのメーカーが存在します。世界的に信頼の高いメーカーとしては、ストローマン社やノーベル社などが有名で、これらは長年の研究実績に裏付けられた高い品質と安全性、耐久性を誇ります。

一方、無名なメーカーや低価格帯のインプラントは、コストは抑えられますが、安全性や信頼性、修理対応などに不安が残る場合があるため、慎重に見極めなければなりません。メーカーの違いによる品質差や実績、パーツの供給体制の違いが、治療費の差を生む大きな要因となります。

被せ物の素材の違い

インプラント治療においては、人工歯(被せ物)の素材選びも費用に大きく関わります。被せ物の素材にはジルコニアやオールセラミック、ジルコニアセラミック、ハイブリッドセラミック、メタルボンドなど様々な種類が存在し、それぞれ費用が異なります。

素材によって審美性や耐久性、経年劣化の有無なども異なるため、その点も視野に入れた上で選択することが大切だと言えるでしょう。

被せ物を製作する技工所(技工士)の違い

被せ物を製作する歯科技工所や技工士の技術によって、インプラントの仕上がりや費用も変わります。同じ素材でも、技術力の高い熟練の技工士が手がけたものは見た目や噛み合わせの精度が優れており、その分料金が高くなります。

また、最新のCAD/CAMシステムや3Dプリンターなどを導入し、高精度な被せ物を製作できる技工所では、設備投資に伴い価格が高めに設定される場合があるでしょう。

手術箇所の違い・治療の難易度

インプラント手術では、インプラントを埋入する箇所によって費用に差が出る場合があります。特に前歯のインプラントなど見た目を重視する部位は難易度が高く、料金が高めに設定される傾向があるでしょう。

また、患者様の骨や口腔内の状態によっても治療の難易度が変わるため、その分見積もりにも違いが生じます。

骨を増やす治療の有無

インプラントを支える顎の骨が不足している場合には、骨造成術など骨を増やす治療が必要です。これはGBR法やサイナスリフト、ソケットリフトなどの専門的な方法が用いられ、インプラント手術とは別に追加費用が発生します。

骨の量や状態によって治療の内容や範囲が変わり、相場としても大きな幅があるでしょう。

そのため、骨造成の有無や難易度によって、インプラント治療全体の費用が変動することを理解しておいてください。

インプラント治療が自由診療であること

インプラント治療は基本的に保険適用外の自由診療です。そのため、医院ごとに費用設定が異なり、素材や手術内容、技工士の技術、追加治療などにより料金が変動します。

保険診療に比べて高額ですが、その分、見た目の美しさや噛み心地、耐久性など機能性と審美性を追求したオーダーメイド治療が可能。自分に合ったインプラント治療を選ぶ際は、費用と仕上がりのバランスをしっかり検討しましょう。

その他追加費用がかかりやすいケース

インプラント治療では、検査料や手術料などの基本費用に加えて、症例や患者様のご希望・体質によっては追加費用が発生する場合があるかもしれません。

次にご紹介する追加費用は、より安全で精密な治療を望む場合や、不安や痛みをできるだけ軽減したい方に選ばれることが多いです。

ここでは代表的なサージカルガイドと静脈内鎮静法について詳しく解説します。

サージカルガイド

サージカルガイドとは、インプラント手術をより精密かつ安全に行うための支援装置です。具体的には、CTによる三次元画像と専用のシミュレーションソフトを用いて、患者様専用のマウスピースを作製したものがサージカルガイドです。

このマウスピースにはガイドホール(インプラント体を埋め込む位置の穴)が設けられ、インプラントを理想的な位置に正確に埋入することが可能。さらに、歯肉の切開範囲を最小限に抑えることができ、術後の痛みや腫れも軽減できるメリットがあります。

安全性・精度・患者様の負担軽減という観点から、サージカルガイドは推奨されることも多いですが、作製費用として追加で5〜10万円程度かかるのが一般的です。

静脈内鎮静法

静脈内鎮静法は、インプラント手術に伴う不安や緊張をやわらげ、リラックスした状態で手術を受けたい方に適した麻酔方法の一つです。点滴で麻酔薬を投与することで、うとうととした半分眠っているような感覚のまま処置を終えることができ、手術に対する恐怖心や痛みを大幅に軽減できます。

部分麻酔と比べて精神的な負担が少なく、ストレスを感じやすい方には特に有効だといえるでしょう。追加費用が別途必要になる場合が多いですが、より快適にインプラント治療を受けたい方には選択肢となります。

インプラント治療が高額になりやすい理由

インプラント治療は、多くの方が「費用が高い」と感じる代表的な歯科治療の一つです。その理由には、下記の5つの要素が関係しています。

  • 保険が適用されない
  • インプラント本体が高価
  • 治療に長い時間がかかる、治療後のメンテナンスが必要
  • 専門的かつ高度な技術が必要
  • 設備や整った衛生環境が必要

ここでは、インプラント治療がなぜ高額になりやすいのか、各項目に分けて詳しく解説します。

保険が適用されない

インプラント治療は、保険が適用されない自費診療となっています。保険診療であれば1~3割負担で済むところ、インプラントの場合は全額自己負担です。

そのため、患者様の金銭的な負担は非常に大きくなり、「インプラント治療=高額」というイメージが定着している方も多いでしょう。加えて、料金設定は歯科医院ごとに異なるため、事前に確認しておくことも大切です。

インプラント本体が高価

世界中には100を超えるインプラントメーカーがありますが、その中でも信頼性の高い大手メーカーの製品は、優れた耐久性やアフターフォローが充実している一方、価格も高めに設定されています。

高価な素材や最新の研究・開発が取り入れられているため、そのコストが治療費に反映されます。安価なインプラントも存在しますが、長期的な安心やメンテナンスを考えると、信頼性の高いメーカーの製品が選ばれることが多く、結果的に治療費も高くなる傾向があるでしょう。

治療に長い時間がかかる、治療後のメンテナンスが必要

インプラント治療は、他の歯科治療と比べて手順が多く、治療完了までに長い時間が必要です。顎の骨とインプラントがしっかり結合するまで、約3~6ヶ月ほどかかることが一般的です。

この治療期間中も歯科医やスタッフの管理が続くため、その分費用がかさむことになるでしょう。また、治療後もインプラントを長持ちさせるために、継続的なメンテナンスや定期検診が不可欠です。

治療が終われば完了ではなく、その後も費用や手間が発生する点を理解しておく必要があります。

専門的かつ高度な技術が必要

インプラント治療は、単なる歯の修復ではなく、外科的な手術を伴う高度な医療行為です。適切な診断と、インプラントが他の歯に与える影響を考慮した治療計画が求められ、高度な技術と豊富な経験が必要とされます。

繊細な技術や口腔外科に関する深い知識も不可欠であり、こうした専門的なスキルを持つ歯科医師による治療が提供されるため、それに伴って治療費も高くなるでしょう。誰もが簡単にできる治療ではないからこそ、信頼できる医師を選ぶことが大切です。

設備や整った衛生環境が必要

インプラント治療を安全かつ確実に行うためには、専用の設備や徹底した滅菌環境が欠かせません。歯科用CTなどの精密な医療機器や、インプラント手術専用の機材、そして最新の滅菌システムなど、多くの設備投資が必要です。

また、手術の成功率を上げるためには常に高水準の衛生管理が求められるため、設備や衛生環境にも十分な投資が必要です。このように、安心・安全なインプラント治療を提供するための取り組みが、治療費の高額化に大きく影響しているといえるでしょう。

インプラント治療が適正な費用かどうか見極める方法

インプラント治療の費用が明らかに高すぎたり、安すぎたりする場合には慎重な判断が大切です。下記では、適正な費用かどうかを見極める方法について詳しく解説します。

インプラント治療の費用面において後悔しないためにも、ぜひ参考にしてください。

見積書をもらい、不明な点は確認する

インプラント治療では金額が不明瞭なまま進むことのないよう、まずは歯科医院から明確な見積書を必ずもらいましょう。見積書には、インプラント本体や手術費用、アフターケアの料金などの内訳が詳細に記載されているかどうかを確認してください。

内訳がなく曖昧に書かれている場合は、後から予定外の費用を請求されたりするリスクもあります。不明な点は必ず質問し、説明を求めましょう。また、支払い期限や治療期間についても事前に確認しておくことで、後々のトラブル防止につながります。

セカンドオピニオン

インプラント治療の費用が妥当かどうか判断するためには、他の歯科医院でセカンドオピニオンを受けるのも効果的です。セカンドオピニオンを取り入れることで、ほかの歯科医から異なる視点で治療内容や費用についての意見を聞くことができます。

複数の歯科医師(最低でも2~3名)に相談し、相場感や提案される治療方法を比較して検討すると、納得して治療を選択しやすくなるでしょう。初めてインプラント治療を受ける方や、不安がある方にもセカンドオピニオンはおすすめです。

地域の他の歯科医院の相場を情報収集する

インプラント治療の費用は、医院の立地や設備、地域によって大きく異なります。都市部では家賃や人件費の影響から費用が高めになる傾向がありますが、全国平均では30万~50万円程度が多いようです。

通院しやすさや術後のメンテナンスも考慮しつつ、インターネットや口コミ、レビューサイトなどで治療を受けた方の体験談を調べてみるのも良いでしょう。また、複数の医院で見積もりをもらって内容を比較することで、費用が適正か判断しやすくなります。

費用の安さだけで決めないことが大事

インプラント治療では「格安」をうたう広告も目につきますが、費用の安さだけで医院を選ぶのはおすすめできません。あまりにも安い場合は、インプラントの品質が低かったり、医師の経験が不足していたりするほか、術後のフォローや保証が不十分な場合もあります。

万が一トラブルが生じた場合、結果的に追加費用や再治療のリスクが増え、かえって高くつく可能性もあるのです。治療内容や医師の技術、アフターケアの充実度など総合的にチェックし、納得できる医院を選びましょう。

インプラントの費用に関するよくある質問

インプラントの費用は高額になるからこそ、後で後悔しないためにも少しでも疑問に思うことがあれば事前に解決しておくことが大切です。

ここでは、インプラントの費用に関するよくある質問をまとめました。

インプラント60万円は高いですか?

インプラント60万円が一概に高いとは言い切れません。インプラント1本あたりの費用相場は、約30万~50万程度と言われていますが、歯科医院によって設定は異なります。

また、患者様の口腔内の状態によっては追加費用が発生する場合もあります。費用相場に比べると60万円は高い設定ですが、様々な要素が費用に影響を与えることを理解しておきましょう。その上で、複数の歯科医院と比較し、適正な費用である歯科医院での治療を検討してください。

インプラントで60万円かかった場合、医療費控除でいくら戻ってきますか?

医療費控除額や還付金額は、所得額や保険金によっても異なります。

一般的な控除額の計算式は、以下の通りです。
医療控除額 = その年に支払った医療費の総額 - (10万円または総所得の5%) - 保険金などで補填された金額

ここでは、下記の例を挙げてみていきましょう。

例)

  • インプラントで60万円かかった場合
  • 補填金がなかった場合
  • 所得金額300万円の場合

医療費控除額 = 60万円-10万円-0円 = 50万円となります。

また還付金は、医療費控除額に所得税率を掛けて計算します。
50万円×10%=5万円となり、戻ってくる金額は5万円となります。

所得金額 税率
1,000円~1,949,000円 5%
1,950,000円~3,299,000円 10%
3,300,000円~6,969,000円 20%
6,950,000円~8,999,000円 23%
9,000,000円~17,999,000円 33%
18,000,000円~39,999,000円 40%
40,000,000円以上 45%

引用)国税庁 No.2260 所得税の税率

インプラント治療の費用を少し抑える方法はありますか?

まず、複数の歯科医院で見積もりを取ることにより、同じ治療内容でも費用の違いを比較検討することが可能です。また、地域によっても治療費に差があるため、近隣だけでなく通院可能な範囲で幅広く医院を探してみるのも良いでしょう。

さらに、インプラント治療は医療費控除の対象となるため、一度自己負担で支払っても後から税金の還付を受けることで、実質的な負担を軽減できます。

ただし、費用の安さだけを重視せず、歯科医師の技術や経験、使用するインプラント素材、メーカーについても十分にチェックしましょう。安心して治療を受けるためにも、信頼できる医院選びが大切です。

前歯と奥歯でインプラント治療の費用は変わりますか?

前歯と奥歯では、インプラント治療の費用に差が出ることがあり、一般的に奥歯の治療費用は1本あたり20万~50万円程度、前歯は30万~60万円程度とされています。

前歯は審美性が重視されるため、より自然な見た目に仕上げる必要があり、人工歯の製作費が高額になる場合が多いです。

また、前歯部の骨は奥歯より薄いため、骨を増やす処置(骨造成)が必要になることもあるでしょう。そのため、奥歯よりも前歯のインプラントの方が費用が高くなることもしばしばです。

適正価格を見極め、信頼できるインプラント治療を!

インプラント1本あたり約30万~50万円程度が費用相場ですが、歯科医院や地域、手術法、患者様の口腔内の状態など、様々な要素が重なることで相場より高額になることもあります。

まずは適正な価格かどうかを見極めるためにも、インプラント治療にかかる費用の内訳を確認し、複数の歯科医院を比較することが大切です。そして、ご自身で納得した上で信頼できる歯科医院を選択し、治療を受けるようにしましょう。

高田歯科クリニック(東京都杉並区)では、インプラント費用について明確に提示し、患者様へのご説明やご提案も徹底しております。インプラント治療や費用について気になることがありましたら、お気軽に当院へお問い合わせください。

カテゴリー:インプラント&歯科ブログ   投稿日:2025年7月4日