インプラントは一本だけでもできる?メリットや他の治療法との違いも解説
更新日:2026年1月23日

虫歯や歯周病、事故などによって部分的に歯を失ってしまった場合、一本だけでもインプラント治療は受けられるのか、疑問に感じている方も多いかと思います。
本記事では、インプラントは一本だけでもできるのかどうかの疑問にお答えし、さらに一本だけインプラントにするメリットや他の治療法との違いについても詳しく解説いたします。ぜひ参考にしてみてください。
- インプラントは一本だけでも治療可能
- インプラント治療の流れ(①カウンセリングと精密検査②一次手術③待機期間④二次手術⑤上部構造の装着)
- 歯を一本だけインプラントにするメリットは、①健康な他の歯に負担がかからない ②審美性が高く、見た目がキレイ ③噛む力を維持できる ④顎の骨が吸収されにくい ⑤他治療法に比べて寿命が長い⑥お手入れが簡単にできる
- デメリットもあるためきちんと把握し、総合的に判断を
- ブリッジや入れ歯、差し歯との違いも解説!
- インプラント一本の費用は、一般的に30万から50万円が相場だが、骨造成などの追加費用がかかる場合あり
インプラントは一本だけでも可能!
結論から言うと、インプラントは一本だけでも可能な治療法です。
インプラントは周囲の歯を必要とすることがなく、歯を失ってしまった部分に対してインプラント体(人工歯根)を埋め込むため、単体で使用できます。
一本だけインプラント治療が必要になる原因
一本だけインプラント治療が必要になる原因には、主に下記の2つが考えられます。
- 虫歯や歯周病で抜歯した
- 事故などで歯が欠けた、歯根が折れてしまった
1つずつ詳しくみていきましょう。
虫歯や歯周病で抜歯した
虫歯や歯周病が進行すると、歯を残しておくことができずに抜歯が必要になることがあります。虫歯は初期段階では痛みがありますが、深刻になると神経が死んでしまい、痛みがなくなります。
そのまま放置すると、歯が脆くなり破折したり、歯根に膿が溜まり抜歯の対象になるのです。
また、歯周病は自覚症状なく進行する病気で、重度になると歯の支えである骨が溶け、歯がグラグラし始め、最終的には自然に抜け落ちてしまうこともあります。
このように、虫歯や歯周病の進行で抜歯に至った際には、歯を補う治療法としてインプラントを検討することになるでしょう。
事故などで歯が欠けた、歯根が折れてしまった
事故や転倒、スポーツなどによって歯が欠けたり、歯の根が折れてしまうことがあります。また、噛み合わせが悪く特定の歯に過剰な負荷がかかることで歯根が破折することもあるでしょう。
歯根が折れてしまった場合はほとんどの場合、歯を残しておくことはできません。特に外的要因による損傷は前歯に起こることが多く、審美性を重視しなければならない場合はインプラントを検討することが多いのが現状です。
インプラントを一本だけ入れる際の治療の流れ
ここでは、一本だけインプラントを入れる際の一般的な治療の流れをご紹介します。
1.カウンセリングと精密検査
まずは歯科医師によるカウンセリングから始まります。インプラント治療の流れやメリット・デメリット、治療期間や費用について丁寧な説明を受け、疑問や不安があればこの時点で相談しましょう。
その後、CTやレントゲン撮影、口腔内診査などの精密検査を行い、顎の骨の量や質、神経や血管の位置、全身の健康状態を確認します。これらの情報をもとに、インプラント治療が安全に行えるかを判断し、患者様に合った治療計画を立てていきます。
2.一次手術(インプラント埋入手術)
治療計画に問題がなければ、一次手術としてインプラント体(人工歯根)を顎の骨に埋め込みます。手術は局所麻酔下で行われ、一本のみの場合は30分〜1時間ほどで終了することが一般的です。
手術法には1回法と2回法があり、顎の骨の状態によっては手術後に歯茎を縫合する「二回法」が選択されることもあるでしょう。痛みや腫れは最小限に抑えられるよう配慮されるため、安心してください。
3.待機期間
一次手術後は、インプラント体と顎の骨がしっかり結合するのを待つ治癒期間に入ります。この結合を「オッセオインテグレーション」といい、インプラント治療において非常に重要な過程です。
期間の目安は、下顎で約3ヶ月、上顎で約6ヶ月とされていますが、骨の状態や体調によって前後することを理解しておきましょう。この間、必要に応じて見た目や噛み合わせを補うための仮歯を使用することもあり、日常生活への影響を抑えながら治癒を待ちます。
4.二次手術(アバットメント装着)
治癒期間を経て、インプラント体と骨の結合が確認できたら二次手術を行います。これは主に2回法を選択した場合に必要な工程です。歯茎を小さく切開してインプラントの頭部を露出させ、人工歯を支える土台となるアバットメントを装着します。
手術は短時間で、身体への負担も比較的少ないのが特徴。なお、一回法の場合は最初からアバットメントが露出しているため、この二次手術は不要となります。
5. 上部構造(人工歯)装着
二次手術後、歯茎の状態が安定したら型取りを行い、最終的な人工歯(上部構造)を作製します。人工歯は、周囲の歯の色や形、噛み合わせに配慮して作られるため、自然な見た目と機能が期待できます。
完成した人工歯をアバットメントに装着すれば治療は完了。その後は、インプラントを長く快適に使うために、毎日のセルフケアと歯科医院での定期的なメンテナンスが重要になります。
歯を一本だけインプラントにするメリット
インプラントを多くの方が歯を補う治療法として選んでいる理由としては、優れた特徴があります。
歯を一本だけインプラントにする際の具体的なメリットについて詳しく解説していきます。
健康な他の歯に負担がかからない
インプラントはブリッジや部分入れ歯とは異なり、健康な他の歯に余計な負担をかけません。ブリッジ治療では、隣接する健康な歯を削らなくてはならず、結果として支える歯への負担が増えます。
また、部分入れ歯の場合はクラスプ(バネ)で固定するため、歯に物理的な負担がかかります。インプラントは顎の骨に直接固定されるため、他の歯に影響を及ぼさず、自然の歯と同様に機能するのが魅力の一つです。
これによって、健康な歯の保護を確保しながら、口内全体のバランスを保つことができます。
審美性が高く、見た目がキレイ
インプラントは審美性にも優れており、自分の歯と見分けがつかないほど自然な見た目を実現できます。部分入れ歯とは異なり、目立つ金属部品を使用しない設計のため、口元の見た目がきれいに保てるのです。
インプラントの人工歯にはセラミックなどの自然な質感がある素材を使用するため、笑顔を見せても気にすることなく過ごせるでしょう。このように、インプラントは見た目だけでなく、心理的な安心感も与えてくれます。
噛む力を維持できる
インプラントは、噛む力をしっかりと維持できるのが大きなメリットです。ブリッジや部分入れ歯とは異なり、顎の骨に埋め込まれるインプラントは、自然歯に近い感覚で食事を楽しむことができます。
特に硬い食べ物を食べる際に、部分入れ歯では噛む力が弱いことで思うように食事をすることができません。インプラントは食事の際の不便が解消され、より自然な食生活を送ることが可能です。
顎の骨が吸収されにくい
歯を失うと、通常は顎の骨が次第に吸収され細くなり、顔の歪みやたるみなどにつながるため、お顔の印象を大きく変えてしまうことにもつながります。
しかし、インプラントは骨に直接結合するため、噛む刺激を骨に伝え続けることができ、顎の骨の吸収が抑えられ、将来的な骨の健康が保たれます。これにより顎の骨の痩せが防止されやすく、将来的な治療の選択肢を広げることができるでしょう。
他治療法に比べて寿命が長い
インプラントは適切なメンテナンスを行えば、10年から15年以上もその機能と美しさを保つことができ、寿命が長いのが特徴の一つです。
定期的に専門的なメンテナンスを受けてセルフケアを怠らないことで、さらに長期間にわたって使用できる可能性があります。このように、インプラントは歯科治療の中で最も耐久性が高い選択の一つと言えるでしょう。
お手入れが簡単にできる
一本だけインプラントにする場合、周囲の歯と連結しない構造のため、毎日のお手入れがしやすい点が大きなメリットです。ブリッジのように歯と歯がつながっていないため、歯ブラシはもちろん、デンタルフロスや歯間ブラシもスムーズに使え、天然歯とほぼ同じ感覚でセルフケアが行えます。
部分入れ歯のように取り外して洗う必要もなく、清掃方法が複雑になりにくいのも特徴の一つ。ただし、インプラントを長く良好な状態で保つためには、インプラント周囲炎を予防する定期的な歯科医院でのメンテナンスが欠かせません。
一本だけインプラントにするデメリット
インプラント治療は現在、多くの歯科医療現場で採用されていますが、その反面、いくつかのデメリットも存在します。特に一本だけのインプラント治療を選択する際は、リスクや不便さについても十分に考慮する必要があります。
ここでは、一本だけインプラントにする際のデメリットについて詳しく解説するため、リスクを考慮した上で最終的な治療の選択を行ってください。
保険適用外のため費用が高くなりがち
インプラント治療は一般的に保険適用外の自由診療とされるため、その費用は全額自己負担となります。これにより、治療費が高額になるのが懸念点の一つです。
部分入れ歯やブリッジであれば保険が適用されるケースも多いのですが、インプラントの場合は、歯科医院によって大きく費用が異なるため、事前に見積もりをしっかりと確認することが重要。
費用面は治療法を選択する際の大きな判断材料の一つとなるため、必ず把握しておきましょう。
治療時間・期間が長い
インプラントの手術自体は1~2日程度で完了することがほとんどですが、インプラント体と顎の骨が結合するのには、約3~6ヶ月程度の期間が必要となります。そのため、すぐに人工歯が装着できるわけではなく、待機しなければなりません。
加えて、顎骨に十分な厚みがない場合は、骨造成(骨を増やす手術)を行う必要があり、さらに時間が延びることがあります。部分入れ歯やブリッジに比べ、完成までの時間が長いため、その点を十分に理解した上で決断する必要があります。
外科手術が必要
インプラントは麻酔を使用し、歯茎を切開した後に顎の骨にドリルで穴を開けてインプラント体を埋め込む外科手術が必要です。
入れ歯やブリッジのように外科的処置を伴わない方法に比べて、術後の痛みや腫れ、さらには感染や神経損傷といったリスクが伴います。治療を受ける際には、こうした身体的・精神的な負担は避けられないことを理解しておきましょう。
インプラント周囲炎のリスクがある
インプラント治療後には、インプラント周囲炎と呼ばれる歯周病を発症するリスクがあります。これは歯垢によりインプラントの周囲組織が炎症を起こす病気で、進行するとインプラントがぐらついたり、最悪の場合には抜け落ちる可能性も。
このインプラント周囲炎を防ぐためにも、定期的なクリーニングやメンテナンスが不可欠であり、それによって手間がかかることを理解しておくべきです。また、日々の口腔ケアをしっかりと行うことでリスクを最小限に抑えることができます。
健康状態によってはインプラントができない人もいる
インプラント治療は外科手術を伴うため、全身疾患をお持ちの方は健康な方と比べてリスクを伴います。主に挙げられる全身疾患は、糖尿病、心疾患、腎疾患、骨粗しょう症などです。
これらは、インプラント治療を行うにあたって、細菌感染のリスクを高めたり、インプラント体と顎の骨の結合が上手く行われないことによって手術が失敗に終わったり、様々なトラブルを招くことがあります。
なお、全身疾患の状態や術前、術後の治療、服用している薬の調整などによって治療が可能になる場合も十分にあるため、まずは歯科医師やかかりつけの主治医へ相談してみましょう。
治療後も定期的なメンテナンスが必要
インプラントは人工歯のため、虫歯になることはありませんが、前述したインプラント周囲炎を発症する可能性が高いのです。これはメンテナンスを怠ってしまうことで発症するリスクが高まります。
そのため、治療が終わっても定期的な歯科医院でのメンテナンスでプロによるクリーニングを受け、自宅での丁寧なセルフケアを徹底することが必要不可欠です。
一本だけ歯を変える場合の他の治療法との違い
一本だけ歯を失ってしまった場合の治療法には、インプラントの他にブリッジと部分入れ歯があります。
ここからは、それぞれの治療法の特徴とインプラントとの違いについて詳しく解説します。
ブリッジ
ブリッジは、歯を失った部分の両隣の歯を土台として使用し、連結した歯を装着する治療法です。一本だけ歯を入れる場合でも、両隣の歯を土台として使用する必要があるため、たとえ健康な歯だったとしても、削らなければなりません。
なお、噛み心地としては天然歯に近い状態であり、一度被せたら取り外す必要がないため、入れ歯のような違和感や煩わしさは避けられます。
部分入れ歯
部分入れ歯はレジン(歯科用プラスチック)で作られた人工歯と歯茎の装置を周りの歯に引っ掛けて取り付ける治療法です。保険適用のものがほとんどで、外科手術も必要がないため、手軽に始められるのがメリットの一つと言えます。
ただし、両隣にかけるバネが目立つため、審美性が劣ってしまうことや口腔内での違和感、食事のしづらさを感じやすく、入れ歯に対して抵抗を抱く方も多いのが事実です。
関連記事:【徹底比較】インプラント/ブリッジ/入れ歯の各メリット・デメリットや違い
差し歯
差し歯は、虫歯や破折で歯の見える部分が大きく失われても、歯の根(歯根)が健康に残っている場合に行える治療です。残っている歯根に土台を立て、その上から人工の歯を被せるため、ご自身の歯を活かせる点が特徴です。
一方、歯根ごと失っている場合は適用できません。インプラントは歯根がない部位に人工歯根を埋める治療で、適応条件が異なります。歯根を保存できるかどうかが、治療法選択の大きな分かれ目となります。
一本だけ歯をインプラントにする場合の費用
インプラントは保険適用外の治療であるため、一本であっても高額なイメージを持つ方も多いでしょう。
ここからは、インプラント一本あたりの費用相場や関連する費用についてお伝えします。
インプラント一本だけの基本的な金額
インプラント一本の費用は、一般的に30万から50万円が相場です。この金額は、インプラント体の材質、手術に必要な環境、そして歯科医師の技術と経験など、様々な要素によって決まります。
特に前歯にインプラントを行う場合、審美性を考慮してより高品質な素材を選ぶことが多く、そのため費用はさらに増加する可能性も。また、提示された金額に診察料やメンテナンス費用が含まれているかを事前に確認することも重要です。
費用の内訳を明確に理解し、追加費用が発生しないかを歯科医師と確認するようにしましょう。
追加費用がかかるケース
インプラントは顎の骨にインプラント体を埋入し、インプラント体と顎の骨が結合することで安定性を保つため、インプラント治療を行う上で、骨の量が十分にあることが条件の一つとして挙げられます。
そのため、骨が薄い方や骨の量が少ない方はインプラント手術に追加し、骨造成(骨を増やす処置)を行う必要があります。その場合、骨造成の手術費用が追加でかかることがあることを知っておきましょう。
費用が安すぎる場合は要注意
インプラント治療は高品質な材料と高度な技術を要する治療方法であり、そのため通常の歯科治療より費用が高くなるのは自然なことです。そのため、相場を大幅に下回る安価な設定をしている医院には注意が必要です。
安すぎる理由には、使用する材料の質を下げている可能性や、感染対策や治療技術が十分でないことが挙げられます。また、そのような医院では保証期間が短い、追加費用が発生しやすいといった状況も考えられるかもしれません。
治療を選ぶ際には、目先のコストだけでなく、長期的な安全性と信頼性を最優先に考えましょう。
関連記事:安いインプラントは大丈夫?危ない目に遭う前に知っておきたいこと
「インプラント 一本だけ」に関するよくある質問
一本だけインプラントを入れることに対してよくある質問をまとめました。
歯を失った部分をインプラントにしようとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
インプラントは一本だけでも大丈夫ですか?
インプラント治療は失った歯の本数や位置に応じて行われるため、一本だけの治療も可能です。一般的に、失った歯の場所にインプラントを埋め込み、その上に人工歯を装着することで、自然な見た目と噛む機能を取り戻します。
インプラントは通常、一本ずつ独立して利用されますが、複数の歯を失った場合でも個別対応が可能。そのため、一本だけのインプラントで治療を行うことにも何の問題もありません。
インプラントは一本だけだといくらくらいしますか?
インプラント一本あたりの費用相場は約30万~50万円です。この費用は歯科医院や使用するインプラントの素材、手術の方法によって変動します。
また、手術の難易度や特殊な処置が必要となる場合には追加費用が発生することもあります。具体的な費用は、実際に受けられる医院で見積もりを取るとよいでしょう。
インプラント一本だけなら保険が適用されますか?
一般的にインプラント治療は自費診療であり、一本だけであっても保険適用外です。ただし、特定の条件を満たした場合に限り保険が適用される例外もあります。
例として、事故や病気で顎の骨を広く失ったケースや、先天性の異常により顎の骨を1/3以上失った場合などです。普通の虫歯や歯周病で失った歯を補うためのインプラントは、審美性を回復する目的であることから、保険が適用されないことを理解しておきましょう。
インプラント1本だけの治療で、前歯と奥歯の費用に違いはありますか?
インプラント治療では前歯と奥歯で費用が異なることがあります。前歯は審美性が重視されるため、隣の歯と色や形を合わせるために特別な技術や質の高い素材が求められ、その分費用が高くなる傾向があるのです。
一方、奥歯は噛む力に耐える強さが重要で、審美よりも機能性が優先されます。そのため、奥歯のインプラントの方が前歯に比べ一般的に費用が低めになることが多いですが、治療の内容によっては変わることもあります。
インプラントで以前と変わらない生活を手に入れましょう
インプラントは歯を失った場合に最適な治療法であり、入れ歯やブリッジと比較してみても、天然歯とほとんど変わらない審美性や機能性に優れているのが魅力です。
インプラントは一本だけでも行うことが可能であることから、今後も多くの人に選ばれる治療法となるでしょう。他の治療法のメリットやデメリットも踏まえつつ、快適な生活を送れるよう、歯を失ってしまった場合の治療法として、インプラントを検討するのもおすすめです。
インプラント治療を検討されている方や自分に最適な治療法を知りたい方は、ぜひ高田歯科クリニック(杉並区荻窪)へお気軽にご相談ください。
カテゴリー:インプラント&歯科ブログ 投稿日:2025年2月4日








