インプラント書籍執筆の院長が丁寧にご相談にのります

院長 高田 徹

お電話でお問合わせ

03-3393-4182

インプラント治療による後遺症リスクと安心の歯科医院選びのポイントを徹底解説

インプラントは他の失った歯を補う治療とは異なり、健康な歯を削ったり負担をかけたりすることなく、自分の歯と変わらない審美性・機能性があることが最大のメリットです。

しかし、このメリットと引き換えに外科的な手術が必要なインプラント治療には、さまざまなリスクが伴います。

そのため、インプラント治療を検討中の方は、「インプラントってどんなリスクがあるの?」「後遺症が現れたらどうしよう」と不安に感じている方もいらっしゃるかもしれません。

そこで本記事では、インプラント治療で起こり得る後遺症リスクと後遺症が現れたときの対処法、信頼できる歯科医院の選び方をご紹介していきます。

-インプラント治療で起こり得る後遺症について-
  • 血管の損傷による出血
  • 神経損傷によるしびれ・麻痺
  • インプラント周囲炎・インプラントのぐらつきや脱落(抜け落ちる)
  • 副鼻腔炎
  • 頭痛・肩こり・首の痛み
- インプラント治療による後遺症のリスクを抑える歯科医院選びのポイント -
  • 担当歯科医師の実績や症例数
  • 医院の設備
  • 治療計画の綿密さとその説明
  • インプラントの費用について
  • アフターケアがしっかりしているか

本章でより詳しく解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。

そもそもインプラント治療は安全?リスクはある?

そもそもインプラント治療は安全なものなのでしょうか?はじめにインプラント治療の安全性や考えられるリスクについてみていきます。

インプラント治療の安全性

インプラント治療において用いられるインプラントには、人体に害の出にくいチタンを使用することが多いです。そのため、金属アレルギーや炎症のリスクが低いなど、安全性が高いと言われています。

また、インプラント治療を行う前には、専用の機器を用いた精密検査が行われます。

中でも「CT検査」と呼ばれるものは、血管や神経などを把握することができるため、この情報をもとに、インプラントをどの方向に埋入すると安全なのか、血管に近いからリスクが高いなど、目に見えないお口の状態を事前に調べることができるのです。

これにより、神経損傷などの事故を防止することができ、インプラント治療の成功率は95%前後と非常に高いとされています。

ただし、インプラント治療は治療難度が高いため、担当する歯科医師の技量や経験に大きく左右されるのも事実です。

インプラント治療のリスク

インプラント治療では、顎の骨にいわゆる歯の根っことなる「インプラント体」を埋入します。

顎の骨には、血管や神経など重要な構造が存在しているため、インプラント体を埋め込む際に、インプラントを埋め込む位置をミスしてしまうと、血管や神経を傷つけてしまう可能性があります。

特に、下顎には複数の太い動脈が走っており、これらの動脈を損傷した場合は、大量出血を起こし、顎の下に血が溜まって窒息する恐れがあるのです。

また、上顎の奥歯の歯の根っこ付近には、上顎洞(じょうがくどう)と呼ばれる空洞があります。インプラント体を埋入する際、この上顎洞を貫通して傷つけるリスクもあります。

さらにインプラント治療では、基本的に2回の手術を行います。その過程で治療部位に細菌が入り込み、感染症を引き起こすことがあるのです。

安全性が高いとはいえ、100%成功すると断言できるわけではありません。そのため、治療前にはこうしたリスクにも目を向ける必要があるでしょう。

ただ、治療前にレントゲンやCT撮影などの精密検査をしっかり行い、インプラントの埋入位置をきちんと把握していれば、後遺症が残るリスクは格段に下がります。

インプラント治療のリスクが高い方

インプラント治療は麻酔を伴う外科手術が必要になるため、治療を受けられない、またはリスクが高くインプラント治療を推奨されないケースもあります。

インプラント治療のリスクが高い方は、以下の通りです。

  • 糖尿病の方
  • 高血圧の方
  • 骨粗鬆症の方
  • 心臓の持病がある方
  • 妊娠中の方
  • 喫煙習慣のある方

1つずつ見ていきます。

糖尿病の方

健康な方に比べると、糖尿病の方は免疫力が低いため、インプラント手術や治療後に細菌に感染するリスクが高いと言われています。これにより、インプラント治療後の傷の治りが遅くなったり、細菌感染によってインプラントが結合しなかったりする場合があるでしょう。

ただ、糖尿病の方は絶対にインプラント治療ができないというわけではなく、糖尿病を患っていても、服薬によって血糖値のコントロールができていればインプラントの治療は可能です。

糖尿病の方でインプラント治療を検討している場合は、リスクが高いことを頭に入れたうえ、まずはかかりつけ医・歯科医師に相談しましょう。

高血圧の方

高血圧の場合、インプラント手術のストレスによって血圧が高くなることがあります。その結果、出血が止まらなくなったり、気分が悪くなったりする危険性があるのです。血圧が上昇することで、最悪の場合、心筋梗塞や脳梗塞などの後遺症のリスクも高まるでしょう。

ただ、健康な方に比べてリスクはあるものの、前述した糖尿病と同じく、服薬によって血圧のコントロールができていればインプラントの治療は可能です。

高血圧の方でインプラント治療を検討している方も、事前にかかりつけ医・歯科医師に相談してください。

骨粗鬆症の方

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)は、骨の密度が低下し、骨がもろくなる病気です。インプラント治療では顎の骨にインプラント体を埋め込むため、骨の量や質が成功の鍵を握ります。

具体的には、骨量が少ない・もろいとインプラント体がうまく結合しなかったり、支えきれず抜け落ちたりするリスクが高まるのです。

また、骨粗鬆症の治療で使用される薬の種類によっては、細菌感染のリスクが高まる、骨が壊死しやすくなる可能性などもあり、治療を受けられないことがあります。

心臓の持病がある方

心筋梗塞など心臓に持病がある方は、血液をサラサラにして血流をよくする薬を服用していることも多いでしょう。

こうした薬を服用している方がインプラント治療を受けると、手術の際に出血がなかなか止まらない可能性があり、場合によっては大量出血から命の危険も生まれます。

妊娠中の方

レントゲン撮影やCT撮影で使用されるX線は、胎児に影響を及ぼすリスクがあると言われています。

また、インプラント手術は麻酔をしてからの手術となります。虫歯治療に比べて時間がかかるうえ、術中に体調の変化が起こる可能性もあります。さらに術後には痛み止めや抗生物質などの服薬も必要です。

このように、レントゲンや麻酔、服薬による胎児への影響が考えられる以上、母子の安全のためにも妊娠中の方はインプラント治療を避けることが推奨されます。

喫煙習慣のある方

タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させます。血の巡りが悪くなることで傷の治りが遅れる、インプラントと顎の骨が結合しにくくなることから、喫煙習慣のある方はインプラントではなく他の治療法を提案されることもあるでしょう。

また、インプラント治療を行ったあとも喫煙を続けていれば、「インプラント周囲炎」にかかりやすいため、インプラントのぐらつきや抜け落ちの原因にもなります。

喫煙しているからインプラント治療ができないというわけではありませんが、インプラント治療中や治療後に禁煙できない方であればインプラント治療はおすすめできません。

インプラント治療で起こり得る後遺症について

インプラント治療には一定のリスクがあることがお分かりいただけたかと思います。

ここからは、インプラント治療によって起こり得る後遺症についてお話していきます。

血管の損傷による出血

インプラント治療では、顎の骨に穴を開けてインプラント体を埋入します。このとき、インプラントを埋入する角度や深さを誤ると、血管を傷つけてしまうことがあります。特に下顎には太い動脈(オトガイ下動脈、舌下動脈、舌歯槽動脈)が走行しているため注意が必要です。

万が一この動脈を傷つけてしまうと大量出血を起こし、上を向いている患者様が窒息する恐れがあります。実際に動脈を傷つける可能性は極めて低いものですが、最も注意したいリスクと言えます。

神経損傷によるしびれ・麻痺

後遺症として残りやすいのが手術ミスによる神経損傷です。顎の骨にインプラント体を埋入するときに神経を傷つけてしまうと、神経麻痺といった重度の後遺症を残してしまうことがあり、口の周りに麻痺・しびれなどが生じることがあります。

また、血管と同じく下顎には太い神経(下歯槽神経)が通っています。麻痺は回復まで長期間を要したり、そのまま残ってしまったりするリスクもあるため注意が必要です。

ただ、手術ミスの多くは事前の治療計画の甘さや歯科医師の経験不足などに原因があるものがほとんど。つまり、経験豊富な歯科医師が在籍していたり、専用の機器を用いて綿密な治療計画を立ててくれたりする歯科医院であれば、リスクは大幅に軽減できるでしょう。

インプラント周囲炎・インプラントのぐらつきや脱落(抜け落ちる)

インプラント自体は虫歯の心配はありません。しかし、日々のケアやメンテナンスを怠ると歯周病の一種である「インプラント周囲炎」になる可能性があります。

このインプラント周囲炎は進行が速く、知らぬ間にインプラントを支える歯茎や顎の骨の破壊が進んでいるケースも多いのが現状です。症状が進行すればインプラントを支えられなくなってグラグラと揺れるようになり、最悪の場合インプラントの脱落につながってしまいます。

副鼻腔炎

副鼻腔炎(上顎洞炎)もインプラント治療で注意したい後遺症の一つです。上の奥歯の歯の根っこ付近にある上顎洞にインプラント体が突き抜けると、副鼻腔炎を起こすことがあります。

症状としては、鼻づまりや頭痛、発熱、歯や歯茎の痛み、頬の痛みなどが挙げられます。ただし、これらはインプラント治療前の精密検査や適切な処置によって避けられるリスクです。

そのため、検査の設備が充実している、しっかり事前検査を行ってくれる歯科医院を選ぶようにしましょう。

頭痛・肩こり・首の痛み

インプラント治療を受けたあと、頭痛や肩こり・首の痛みが現れることがあります。これは、インプラント治療によって噛み合わせが悪化したことが原因で起こっていることが考えられます。

この場合、基本的には嚙み合わせの再調整を行うことで改善されますが、そもそもインプラントの埋入位置に問題がある場合は、一度インプラントを取り除いて再手術を要するケースもあります。

インプラント治療後に後遺症が残った場合の対処法

インプラント治療における後遺症は稀ですが、前述したような後遺症のリスクを抱えているのは事実です。もしインプラント治療後、何かしらの後遺症(症状)が現れた場合、できる限り早く「治療を受けた歯科医院へ相談すること」が基本の対処法となります。

手術の詳細やこれまでの経緯を把握しているため、スムーズな対処を期待できます。具体的な対処法(治療法)は、インプラントの状態によって異なるため、まずは相談が必要です。

また、治療を受けた歯科医院に不安があったり、方針に納得できなかったりする場合は、他の歯科医師の意見を聞くセカンドオピニオンを利用してもよいでしょう。

第三者の目線からインプラント治療を判断してもらうことで、より納得したうえで安心して次の対処にうつれるでしょう。

インプラント治療による後遺症のリスクを抑える歯科医院選びのポイント

ここまででインプラントに対する不安や恐怖感が強まってしまった方もいるかもしれませんが、インプラントの成功率は非常に高いものです。また、インプラントだからこその審美性・機能性の高さによって、これまでと変わらない生活を送ることができるようになるでしょう。

後遺症のリスクを最小限に抑えるためにとにかく大事なことは、「信頼できる歯科医院を選ぶこと」です。

そこで最後に、インプラント治療による後遺症のリスクを抑えるために知っておきたい歯科医院選びのポイントをご紹介していきます。

担当歯科医師の実績や症例数

インプラント治療は高度な専門性を必要とする外科手術をおこないます。そのため、技量や経験が必要不可欠です。

歯科医院の年間症例数や担当医の実績は信頼性を判断する材料になりますので、必ず確認しましょう。

医院の設備

インプラントの手術成功率を左右する要素として歯科医院の「設備」も挙げられます。

特にどうしても目視では確認することのできない骨の厚みや神経・血管の位置などを、3次元で解析する歯科用CTは今や欠かせない設備です。

レントゲンやCTなど精密検査の設備は整っているか、手術はどのような部屋で行われるのかなど、治療を受ける前に必要な設備が整っていることを確認しておくとよいでしょう。

治療計画の綿密さとその説明

後遺症が起きるケースは、治療計画の甘さが原因であることも多くあります。そのため、治療計画がしっかりしているかも確認しておきましょう。

あわせて十分な説明をしてもらえるかどうかもチェックしたいポイントです。分からないことなどは担当医や歯科衛生士などに聞いて、納得のうえで治療を受けましょう。

インプラントの費用について

インプラント治療の費用にも注目しましょう。

費用を抑えられるのは嬉しいですが、相場より安すぎる場合は、事前の検査が十分でない、治療後のメンテナンスなどを実施していない、マイナーで質の悪いインプラントを使用している、アフターケアがしっかりしていないなど、何かしらの理由があるはずです。

なお、インプラント治療の相場は1本あたり30~40万円程度です。のちのちトラブルに繋がることも考えられるため、安さだけで選ばないようにしましょう。

アフターケアがしっかりしているか

インプラントは人工歯であるため虫歯になることはないものの、それより恐ろしいインプラント周囲炎という周囲の歯茎の炎症・インプラントの脱落が起こることがあります。

こうしたトラブルを防ぐため、インプラント治療後のアフターケアにも力を入れている歯科医院を選ぶとより安心です。

インプラント治療なら信頼の「高田歯科クリニック」へ

インプラントは天然歯に劣らない審美性と機能性を備え、様々なメリットを与えてくれる治療法です。少なからずリスクはあるものの、治療の実績が豊富で設備も整っている歯科医院であれば、その手術の失敗や後遺症のリスクは極めて低くなると言えます。

インプラント治療では、何より信頼できる歯科医院を選ぶことが重要です。当院「高田歯科クリニック(杉並区荻窪)」では、最新の歯科用CTなどを用いた精密な診断・治療を心がけています。

年間症例数850本以上と経験も豊富な歯科医師が患者様に合わせた治療計画と、確かな技術力で安心のインプラント治療を実現いたします。まずはお気軽にご相談ください。

カテゴリー:インプラント&歯科ブログ   投稿日:2024年6月12日