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院長 高田 徹

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インプラントオーバーデンチャーとは?メリット・デメリットや治療費を解説

一般的にインプラント治療というと、1本ずつ行うイメージを持つ人もいるでしょう。確かに間違いではありませんし、多くの患者様は1本~数本単位でのインプラント治療を希望されます。実はインプラントには、総入れ歯のような「インプラントオーバーデンチャー」と呼ばれるものがあり、30年ほど前に一般的でした。

本記事ではインプラントオーバーデンチャーの概要とおすすめしたい人の特徴、メリット・デメリットについて解説します。

1.インプラントオーバーデンチャーとは?

インプラントオーバーデンチャーとは、残存歯やインプラントを入れ歯で覆い被せる治療法のひとつです。単にオーバーデンチャーと呼ばれることもあります。イメージは総入れ歯そのものですが、入れ歯が粘膜で噛む力を支えているのに対し、インプラントオーバーデンチャーは歯やインプラントが支えになります。そのためオーバーデンチャー全体の安定性が高く、噛む力も高いのが特徴です。

オーバーデンチャーは総入れ歯でも部分入れ歯でも適用できる、汎用性の高い治療法です。構造自体も非常にシンプルなので修理も簡単で、最近では多くの臨床現場で採用されなくなってきています。しっかりとした機能を出すためには設計やデザインがものを言うため、患者様の口腔環境や欠損状態をしっかりと確認したうえで作られます。

残存歯の状態や機能によって、全体のバランスやデザインが異なるのも特徴です。従来の入れ歯よりも使い勝手も機能性も高い治療法として、注目を集めたのですが入れ歯がわれることが多く、表舞台からなくなっています。

2.インプラントオーバーデンチャーよりオールオン4を

インプラントオーバーデンチャーは、インプラント治療を希望する患者様全員に勧められる治療法ではありません。先述のとおり、残存歯の数が少ない、もしくはすでに歯を完全に失ってしまっている患者様に向いています。その中でも特におすすめしたい人の特徴もあります。条件にあてはまる方は、この機会にオーバーデンチャーを検討してもいいかもしれません。現在では4本で取り外しができないオールオン4が主流です。

2-1.入れ歯では不便だがインプラントに抵抗がある人

入れ歯では何かと不便を感じている方が多いのが現状です。入れ歯を支えるのが歯茎の粘膜なので、ズレてしまうと噛んだ時に痛みを感じてしまいます。また、強い力をかけてもその力がうまく伝わらずにものを噛み切ることができません。

一方で、インプラントと聞いて大がかりな手術をイメージする人もいるでしょう。すべての歯をインプラントにするとなれば間違いないのですが、オーバーデンチャーであれば少しは入れ歯が安定します。

支柱の役割を果たすインプラントは数本手術で埋入する必要はありますが、数が少ないのでそこまで大がかりな手術にはなりません。残存歯の本数にもよりますが、2~4本でオーバーデンチャーを支えることはできるため、手術に抵抗がある人におすすめです。

本数は少ないですが、支える側がインプラントなので土台がしっかりしています。そのため従来の入れ歯と違ってズレにくく、強い力でもの噛むこともできるようになるのです。ただ割れやすく何度も歯科にいくことになってしまいます。

2-2.高齢の人

インプラント治療は年齢による制限はなく、永久歯に生え変わっていれば誰でも受けることができます。当院にも80歳を超える患者様も手術を希望されるなど、インプラントの関心が老若男女問わず高まっていることを感じます。

しかし、高齢の方にとって手術は体力との戦い。インプラント治療も例外ではなく、患者様の基礎体力が低下している高齢の患者様をお断りしている歯科医院もあるようです。仕方ないとあきらめてしまう方もいらっしゃいますが、オーバーデンチャーなら可能な治療場合もあります。

先述のとおり、オーバーデンチャーの場合は2~4本のインプラントの埋入手術だけで済むので手術の負担が少なくなります。体力的な問題を気にする必要も少なくなるのがメリットです。

また、オーバーデンチャーは入れ歯同様脱着が可能で、介助者でも簡単にお手入れができる利点も。従来の入れ歯と同様のお手入れができるのが、高齢者におすすめできるポイントです。

2-3.費用がやすくできる

歯科医師にもよりますが、現在入れ歯を使用しており、それをそのままオーバーデンチャーとして使用できる場合もあります。もし作り変えが可能であれば、いくらかの費用負担軽減になるでしょう。それがなかったとしても、オーバーデンチャーにかかる治療費は150~200万円。単一インプラント3~4本分で治療できるのです。

ただし、入れ歯をオーバーデンチャーに作り変えるには、歯科医師の判断次第になります。どれだけ患者様が希望されても、経年劣化で損傷が激しかったり、嚙み合わせに問題があったりすれば再利用はできません。新たにオーバーデンチャーを作り直す必要があるので100%再利用できるわけではないことを覚えておきましょう。

もし、入れ歯からオーバーデンチャーへの作り変えができるとなれば、費用面を抑えることができるでしょう。オーバーデンチャー専用の入れ歯をイチから作るよりも手間がかからないため、その分費用がかからないからです。相場としては40~90万円前後を想定し、そこから入れ歯の制作費が引かれます。詳しくは歯科医院で相談してみてください。

3.インプラントオーバーデンチャーの固定方法とメカニズム

ひと口にオーバーデンチャーと言っても、固定方法は大きく4つに分かれています。

  • マグネットタイプ
  • ボールタイプ
  • バータイプ
  • 固定式ブリッジ(All on 4/All on 6)

インプラント体の埋入本数や固定方法が異なるだけで、性能に大きな違いはありません。ただ、口腔状態によっては採用できない固定方法もあり、些細な面で違いがあるのも事実です。また、歯科医院によっては取り扱っていない方法もあるので、事前に確認しておくことをおすすめします。それぞれの固定方式の特徴とメカニズム、メリット・デメリットを覚えておきましょう。

3-1.マグネットタイプ

もっとも安定性が高く、大きなデメリットがない固定方式がマグネットタイプのオーバーデンチャーです。インプラント体とオーバーデンチャーの入れ歯のあいだに小型磁石を埋め込んで、磁力によって固定する方法です。

磁石によって入れ歯を固定するので、埋入するインプラント体の数が少なくて済みます。また、磁力で固定されているだけですがズレにくく、脱着も簡単にできるという特徴もあります。長年使用しても磁力が弱まることがないため、入れ歯に不具合が発生しなければ半永久的に使用することもできるのです。

マグネットタイプのデメリットとしては磁石なので、MRI撮影に影響が出てしまいます。事前に相談しておくことをおすすめします。

3-2.ボールタイプ

正式名称は「ボールアバットメントオーバーデンチャー」と言います。主に下あごのオーバーデンチャー固定に使われる方法で、ボールを使ってインプラント体とオーバーデンチャーを固定する方法です。

埋入インプラントの本数が2本で済むため、身体への負担が少ないのがメリットです。また、入れ歯部分の取り外しが簡単、顎の骨の退化予防などの効果があるのもボールタイプの特徴になります。壊れても修復が簡単なのもボールタイプのオーバーデンチャー特有のメリットです。

反面、入れ歯と歯茎のあいだに若干の遊びができてしまいます。ガタガタとひどく動くわけではありませんが、口の中で少々動いてしまうことがあるのがデメリットです。

3-3.バータイプ

「バーオーバーデンチャー」と呼ばれる固定方式は、上下の顎に歯がない場合に採用される治療法です。左右対称にインプラント体を埋入し、金属のバーで橋渡しをしてつながり、その上から義歯を装着する方法です。

支えとなるインプラント体の本数が多いうえに連結しているので安定性が抜群に高く、顎の力がもっとも伝わりやすい治療法でもあります。取り外しもできて介助者による手入れが簡単なのもメリットと言えるでしょう。

反面、治療の段階でデメリットがあります。マグネットタイプ、ボールタイプではインプラント体の埋入本数が2~4本だったのに対し、バータイプでは6本前後と本数が多く成ってしまいます。手術で身体にかかる負担が大きくなってしまう点にだけ注意が必要です。

3-4.固定式ブリッジ(All on 4/All on 6)

固定式ブリッジは、別名「All on 4」「All on 6」と呼ばれています。上下どちらでも利用可能で、インプラント体を4本、もしくは6本埋め込み、固定式オーバーデンチャーを装着する治療法です。

固定式のため脱着はできないものの、骨質がよければ1日で歯が入るメリットがあります。また、骨がない患者様にも適用可能で応用範囲が広いのも特徴です。何よりも、インプラントの埋入本数が大幅に減らせるため、手術でかかる費用・体力の負担を大幅に軽減できます。

ただし、口腔状態や身体の状態によってはこの方法が使えない場合もあります。重度の歯周病や糖尿病を患っている患者様が該当する人です。場合によっては治療可能になることもあるので、一度歯科医師に相談してみることをおすすめします。

4.インプラントオーバーデンチャーのメリット・デメリット

従来の入れ歯よりもメリットが多いインプラントオーバーデンチャーですが、当然デメリットがあることも忘れてはいけません。オーバーデンチャーには、入れ歯にはないメリットがある反面、思いがけないデメリットも存在します。両者をよく知っておいて、治療するかどうかを判断しましょう。ただ、総合的に見ても従来の入れ歯よりも機能性が高いことは間違いありません。

4-1.メリット

インプラントオーバーデンチャーのメリットは、主に次のとおりです。

  • ガタツキが少ない
  • 噛む力が高くなる
  • バネがない
  • 入れ歯の違和感を感じにくい
  • 取り外して手入れができる
  • 顎の骨が少なくても適用できる

通常の入れ歯と異なり、しっかりとした土台のもとに固定してあるため、ガタツキや違和感を感じにくいのが特徴です。入れ歯では噛み切れなかったものも噛み切れるようになるなど、入れ歯にはなかったメリットが得られるのもオーバーデンチャーの強みと言えるでしょう。

一方で、一般的なインプラントのようにたくさんのインプラント体を埋入することがないので手術時の身体への負担も少ないのがメリットです。同時に、埋入するインプラント体の本数が少ないため、経済的な負担も大幅に軽減できます。身体への負担が少なくなり違和感も減り、かつ従来の入れ歯と同様のケアができるのが、オーバーデンチャーのメリットなのです。経済的にも優しいため、インプラント治療を敬遠していた人にもおすすめできる方法です。

4-2.デメリット

一方で、インプラントオーバーデンチャーならではのデメリットも存在します。

  • 入れ歯そのものに抵抗がある場合は向いていない
  • 純粋なインプラントよりも噛む力は弱い
  • 全員が治療できるわけではない

入れ歯そのものに抵抗がある場合は、そもそもオーバーデンチャーは向いていないと言えます。ただし、入れ歯の際にある上顎部分をくりぬけるので、オーバーデンチャーのほうが違和感を軽減できると言うメリットがあるのです。入れ歯によるえずきが気になるのなら、オーバーデンチャーで解消するでしょう。

また、オーバーデンチャーは単一のインプラントとは違ってすべてが土台で固定されているわけではないので、噛む力は少し弱く成ってしまいます。とはいえ、一般的な食事をする分には不便を感じることはあまりないでしょう。骨の量が少ない場合でも同じことが言えます。

最大のデメリットは治療できない人がいるケースです。糖尿病などの持病があったりヘビースモーカーであったりする場合は、歯科医師が治療を断るケースもあります。一度歯科医師に相談することをおすすめします。

5.インプラントオーバーデンチャーでもメンテナンスは必須

インプラントオーバーデンチャーは、脱着可能なので。患者様自身でお手入れすることもできます。歯磨きの時に取り外すことで、インプラントの周囲や付着した汚れを目で見ながら掃除できます。

しかし、オーバーデンチャーを支えるインプラント体側のメンテナンスは、患者様だけでは難しい側面があります。単一のインプラントでも注意すべきインプラント歯周炎は、オーバーデンチャーでも他人事ではありません。破損や脱落の可能性もあるので、オーバーデンチャーであったとしても年に2回の定期メンテナンスは必ず受けるようにしましょう。本来は治療を受けた歯科医院でメンテナンスしてもらうのが一番ですが、諸般の事情で受けられない場合もあります。

当院では他院で治療したインプラントもメンテナンスできます。引っ越しなどでインプラントのメンテナンスができていない場合は、当院をお尋ねください。院長の高田が、長く使用できるようにチェックいたします。

6.本数が多い場合はインプラントオーバーデンチャーの検討も。現在は主流ではない

インプラントを検討していても、本数が多くなればその分費用が高くなってしまいます。しかし、オーバーデンチャーであれば、単一インプラント3~4本分程度の費用で装着可能になります。

※本コラムはあくまで一般的な情報として説明しております。高田歯科ではコラム内容で触れてはおりますがあえて対応していない内容もございますが、ご来院いただく患者様に合わせて最適なインプラント提案をさせていただいておりますので、まずは相談ください。

カテゴリー:インプラント&歯科ブログ   投稿日:2021年11月24日