インプラントオーバーデンチャーとは?メリット・デメリットや治療費を解説
更新日:2025年7月14日
一般的にインプラント治療というと、1本ずつ行うイメージを持つ人もいるでしょう。確かに間違いではありませんし、多くの患者様は1本~数本単位でのインプラント治療を希望されます。実はインプラントには、総入れ歯のような「インプラントオーバーデンチャー」と呼ばれるものがあり、30年ほど前に一般的でした。
本記事ではインプラントオーバーデンチャーの概要とおすすめしたい人の特徴、メリット・デメリットについて解説します。
▼この記事でわかること
- インプラントオーバーデンチャーは、数本のインプラントを土台に入れ歯を装着する取り外し式の義歯治療法
- 従来のインプラントは欠損歯の本数分インプラントを埋入する必要があるが、オーバーデンチャーは数本のインプラントで広範囲の歯を補うことが可能
- 入れ歯と比べて安定性が高く、違和感なく噛むことができるうえ、ブリッジのように周りの歯を傷つけずに済む
- 固定方法には、マグネットタイプ、ボールタイプ、バータイプ、固定式ブリッジ(オールオン4・オールオン6)がある
- 向いているのは、入れ歯では不便だがインプラントに抵抗がある人、高齢の人、費用がやすくできるを安く抑えたい人
- メリットは、噛む力が高くなる、バネがない、入れ歯の違和感を感じにくい、取り外して手入れができる、顎の骨が少なくても適用できる
- デメリットは、入れ歯そのものに抵抗がある場合は向いていない、純粋なインプラントよりも噛む力は弱い、全員が治療できるわけではない
- インプラントオーバーデンチャーもメンテナンスは必須
1.インプラントオーバーデンチャーとは?
インプラントオーバーデンチャーとは、残存歯やインプラントを入れ歯で覆い被せる治療法のひとつです。単にオーバーデンチャーと呼ばれることもあります。イメージは総入れ歯そのものですが、入れ歯が粘膜で噛む力を支えているのに対し、インプラントオーバーデンチャーは歯やインプラントが支えになります。そのためオーバーデンチャー全体の安定性が高く、噛む力も高いのが特徴です。
オーバーデンチャーは総入れ歯でも部分入れ歯でも適用できる、汎用性の高い治療法です。構造自体も非常にシンプルなので修理も簡単で、最近では多くの臨床現場で採用されなくなってきています。しっかりとした機能を出すためには設計やデザインがものを言うため、患者様の口腔環境や欠損状態をしっかりと確認したうえで作られます。
残存歯の状態や機能によって、全体のバランスやデザインが異なるのも特徴です。従来の入れ歯よりも使い勝手も機能性も高い治療法として、注目を集めたのですが入れ歯がわれることが多く、表舞台からなくなっています。
1-2.従来のインプラント・入れ歯・ブリッジとの違い
従来のインプラント治療は1本ごとにインプラントを埋め込むため、失った歯の本数が多い場合、手術の負担が大きく、費用も高額になるのが一般的でした。一方、インプラントオーバーデンチャーは、最小限の本数のインプラント埋入で複数本分の歯を補うことができるため、あらゆる負担を減らすことができます。
また、一般的な入れ歯は粘膜や吸着力、金属のバネで支えるため、噛むときの安定感や硬いものを食べる能力に限界があります。そのため、外れてしまったり違和感を覚えるケースが少なくありません。
ブリッジの場合は、失った歯の両隣の健康な歯を削って土台に使いますが、歯へのダメージや長期的な支台歯の負担につながることが課題です。
インプラントオーバーデンチャーはインプラントの支えによって入れ歯をしっかり安定させるため、強い噛む力を取り戻したい方や、従来の治療に不満を抱えている方におすすめの治療法といえるでしょう。さらに、天然歯をなるべく傷つけたくないという人にも適しています。
2.インプラントオーバーデンチャーの固定方法とメカニズム
ひと口にオーバーデンチャーと言っても、固定方法は大きく4つに分かれています。
- マグネットタイプ
- ボールタイプ
- バータイプ
- 固定式ブリッジ(All on 4/All on 6)
インプラント体の埋入本数や固定方法が異なるだけで、性能に大きな違いはありません。ただ、口腔状態によっては採用できない固定方法もあり、些細な面で違いがあるのも事実です。また、歯科医院によっては取り扱っていない方法もあるので、事前に確認しておくことをおすすめします。それぞれの固定方式の特徴とメカニズム、メリット・デメリットを覚えておきましょう。
2-1.マグネットタイプ
もっとも安定性が高く、大きなデメリットがない固定方式がマグネットタイプのオーバーデンチャーです。インプラント体とオーバーデンチャーの入れ歯のあいだに小型磁石を埋め込んで、磁力によって固定する方法です。
磁石によって入れ歯を固定するので、埋入するインプラント体の数が少なくて済みます。また、磁力で固定されているだけですがズレにくく、脱着も簡単にできるという特徴もあります。長年使用しても磁力が弱まることがないため、入れ歯に不具合が発生しなければ半永久的に使用することもできるのです。
マグネットタイプのデメリットとしては磁石なので、MRI撮影に影響が出てしまいます。事前に相談しておくことをおすすめします。
2-2.ボールタイプ
正式名称は「ボールアバットメントオーバーデンチャー」と言います。主に下あごのオーバーデンチャー固定に使われる方法で、ボールを使ってインプラント体とオーバーデンチャーを固定する方法です。
埋入インプラントの本数が2本で済むため、身体への負担が少ないのがメリットです。また、入れ歯部分の取り外しが簡単、顎の骨の退化予防などの効果があるのもボールタイプの特徴になります。壊れても修復が簡単なのもボールタイプのオーバーデンチャー特有のメリットです。
反面、入れ歯と歯茎のあいだに若干の遊びができてしまいます。ガタガタとひどく動くわけではありませんが、口の中で少々動いてしまうことがあるのがデメリットです。
2-3.バータイプ
「バーオーバーデンチャー」と呼ばれる固定方式は、上下の顎に歯がない場合に採用される治療法です。左右対称にインプラント体を埋入し、金属のバーで橋渡しをしてつながり、その上から義歯を装着する方法です。
支えとなるインプラント体の本数が多いうえに連結しているので安定性が抜群に高く、顎の力がもっとも伝わりやすい治療法でもあります。取り外しもできて介助者による手入れが簡単なのもメリットと言えるでしょう。
反面、治療の段階でデメリットがあります。マグネットタイプ、ボールタイプではインプラント体の埋入本数が2~4本だったのに対し、バータイプでは6本前後と本数が多く成ってしまいます。手術で身体にかかる負担が大きくなってしまう点にだけ注意が必要です。
2-4.固定式ブリッジ…オールオン4(All on 4)/オールオン6(All on 6)
固定式ブリッジは、別名「All on 4」「All on 6」と呼ばれています。上下どちらでも利用可能で、インプラント体を4本、もしくは6本埋め込み、固定式オーバーデンチャーを装着する治療法です。
固定式のため脱着はできないものの、骨質がよければ1日で歯が入るメリットがあります。また、骨がない患者様にも適用可能で応用範囲が広いのも特徴です。何よりも、インプラントの埋入本数が大幅に減らせるため、手術でかかる費用・体力の負担を大幅に軽減できます。
ただし、口腔状態や身体の状態によってはこの方法が使えない場合もあります。重度の歯周病や糖尿病を患っている患者様が該当する人です。場合によっては治療可能になることもあるので、一度歯科医師に相談してみることをおすすめします。
関連記事:全部の歯をインプラントにできる?その方法や費用を解説
3.インプラントオーバーデンチャーが向いている人
インプラントオーバーデンチャーは、インプラント治療を希望する患者様全員に勧められる治療法ではありません。先述のとおり、残存歯の数が少ない、もしくはすでに歯を完全に失ってしまっている患者様に向いています。
その中でも特におすすめしたい人の特徴もあります。条件にあてはまる方は、この機会にオーバーデンチャーを検討してもいいかもしれません。
3-1.入れ歯では不便だがインプラントに抵抗がある人
入れ歯では何かと不便を感じている方が多いのが現状です。入れ歯を支えるのが歯茎の粘膜なので、ズレてしまうと噛んだ時に痛みを感じてしまいます。また、強い力をかけてもその力がうまく伝わらずにものを噛み切ることができません。
一方で、インプラントと聞いて大がかりな手術をイメージする人もいるでしょう。すべての歯をインプラントにするとなれば間違いないのですが、オーバーデンチャーであれば少しは入れ歯が安定します。
支柱の役割を果たすインプラントは数本手術で埋入する必要はありますが、数が少ないのでそこまで大がかりな手術にはなりません。残存歯の本数にもよりますが、2~4本でオーバーデンチャーを支えることはできるため、手術に抵抗がある人におすすめです。
本数は少ないですが、支える側がインプラントなので土台がしっかりしています。そのため従来の入れ歯と違ってズレにくく、強い力でもの噛むこともできるようになるのです。ただ割れやすく何度も歯科にいくことになってしまいます。
3-2.高齢の人
インプラント治療は年齢による制限はなく、永久歯に生え変わっていれば誰でも受けることができます。当院にも80歳を超える患者様も手術を希望されるなど、インプラントの関心が老若男女問わず高まっていることを感じます。
しかし、高齢の方にとって手術は体力との戦い。インプラント治療も例外ではなく、患者様の基礎体力が低下している高齢の患者様をお断りしている歯科医院もあるようです。仕方ないとあきらめてしまう方もいらっしゃいますが、オーバーデンチャーなら可能な治療場合もあります。
先述のとおり、オーバーデンチャーの場合は2~4本のインプラントの埋入手術だけで済むので手術の負担が少なくなります。体力的な問題を気にする必要も少なくなるのがメリットです。
また、オーバーデンチャーは入れ歯同様脱着が可能で、介助者でも簡単にお手入れができる利点も。従来の入れ歯と同様のお手入れができるのが、高齢者におすすめできるポイントです。
3-3.費用を安く抑えたい人
歯科医師にもよりますが、現在入れ歯を使用しており、それをそのままオーバーデンチャーとして使用できる場合もあります。もし作り変えが可能であれば、いくらかの費用負担軽減になるでしょう。それがなかったとしても、オーバーデンチャーにかかる治療費は150~200万円。単一インプラント3~4本分で治療できるのです。
ただし、入れ歯をオーバーデンチャーに作り変えるには、歯科医師の判断次第になります。どれだけ患者様が希望されても、経年劣化で損傷が激しかったり、嚙み合わせに問題があったりすれば再利用はできません。新たにオーバーデンチャーを作り直す必要があるので100%再利用できるわけではないことを覚えておきましょう。
もし、入れ歯からオーバーデンチャーへの作り変えができるとなれば、費用面を抑えることができるでしょう。オーバーデンチャー専用の入れ歯をイチから作るよりも手間がかからないため、その分費用がかからないからです。相場としては40~90万円前後を想定し、そこから入れ歯の制作費が引かれます。詳しくは歯科医院で相談してみてください。
4.インプラントオーバーデンチャーのメリット・デメリット
従来の入れ歯よりもメリットが多いインプラントオーバーデンチャーですが、当然デメリットがあることも忘れてはいけません。
オーバーデンチャーには、入れ歯にはないメリットがある反面、思いがけないデメリットも存在します。両者をよく知っておいて、治療するかどうかを判断しましょう。ただ、総合的に見ても従来の入れ歯よりも機能性が高いことは間違いありません。
4-1.メリット
インプラントオーバーデンチャーのメリットは、主に次のとおりです。
- 噛む力が高くなる
- バネがない
- 入れ歯の違和感を感じにくい
- 取り外して手入れができる
- 顎の骨が少なくても適用できる
4-1-1.噛む力が高くなる
インプラントオーバーデンチャーの最大の特徴は、噛む力が大きく向上することです。従来の部分入れ歯では、天然歯と比べて30〜40%、総入れ歯では10〜20%程度の噛む力しか得られません。
しかし、インプラントオーバーデンチャーはインプラント体が支えとなるため、ご自身の歯に近い強い力でしっかり噛むことが可能です。入れ歯特有のズレや外れが起こりにくく、食事や会話の最中にも高い安定感を実感できます。そのため、硬いものを食べる際や長時間の会話でもストレスが少なくなるでしょう。
4-1-2.バネがない
インプラントオーバーデンチャーでは、従来の部分入れ歯に必要だった金属のバネ(クラスプ)を使用しません。そのため見た目がとても自然で、装着していることに気づかれにくくなります。
また、バネがないことで残っている歯への負担も大きく軽減され、健康な歯を長く守ることができるメリットもあります。バネによる歯への圧力や違和感が心配な方にもおすすめの治療法といえるでしょう。
4-1-3.入れ歯の違和感を感じにくい
インプラントオーバーデンチャーは従来の入れ歯と比較して、装着時の違和感が大幅に少ない点も大きな利点です。インプラント体でしっかりと固定されているため、ガタつきやズレがほとんどありません。
その結果、食事中に入れ歯が浮き上がったり噛みにくさを感じたりすることが減り、会話の際にも安定した装着感を得られます。自分の歯に近い感覚で過ごせるため、入れ歯に不満を感じていた方にも適しています。
4-1-4.取り外して手入れができる
インプラントオーバーデンチャーは、患者様ご自身で取り外しができる設計になっています。従来の入れ歯のように簡単に外して洗浄できるため、日々のケアがしやすく、衛生的に管理できる点が大きなポイントです。
また、取り外しができることで義歯本体やお口の中の状態もチェックしやすく、清潔な状態を維持しやすいのも魅力の一つといえるでしょう。適切なお手入れを続けることで、長く快適に使うことができます。
4-1-5.顎の骨が少なくても適用できる
一般的なインプラント治療では、十分な顎の骨量が必要となるため、骨が少ない方は治療を受けるために追加で骨造成(骨を増やす手術)をしなければなりません。
しかし、インプラントオーバーデンチャーでは、骨の量が十分な位置を狙ってインプラントを埋入します。そのため、従来であれば治療が困難だった顎の骨が少ないケースにも適用でき、選択肢が大きく広がります。これにより、より多くの方がインプラント治療のメリットを受けられるようになっています。
4-2.デメリット
一方で、インプラントオーバーデンチャーならではのデメリットも存在します。
- 入れ歯そのものに抵抗がある場合は向いていない
- 純粋なインプラントよりも噛む力は弱い
- 全員が治療できるわけではない
4-2-1.入れ歯そのものに抵抗がある場合は向いていない
インプラントオーバーデンチャーは、従来の入れ歯よりも安定性が高く、装着したときの違和感がほとんどありません。そのため、入れ歯の使用感に不満を感じている方にはおすすめできる治療法ですが、入れ歯であることには変わりないため、入れ歯そのものに抵抗がある場合には、向いていないといえるでしょう。
入れ歯自体に抵抗やストレスを感じる場合には、他の治療法を検討することをおすすめします。
4-2-2.純粋なインプラントよりも噛む力は弱い
インプラントオーバーデンチャーは、インプラントを数本埋め込んだ上で入れ歯を安定させる治療法です。従来の入れ歯より咀嚼力が向上し、硬いものもある程度しっかりと噛めるようになりますが、1本ずつインプラントを埋入して固定するタイプの純粋なインプラント治療に比べると、噛む力はやや劣ります。
すべての歯がしっかり土台で固定されているわけではないため、極端に硬い食材を頻繁に食べたい方や、天然の歯に近い強い噛みごたえを求める方には、物足りなさを感じる可能性があるでしょう。ただし、一般的な日常の食事においては、大きな不自由を感じることはあまりありません。
4-2-3.全員が治療できるわけではない
インプラントオーバーデンチャーは、インプラント体を顎の骨に埋め込む外科手術を必要とするため、すべての方が治療を受けられるわけではありません。
重い持病をお持ちの方や、手術や麻酔に大きなリスクが伴う方、手術前後に禁煙ができない方(ヘビースモーカー)などは、医師から治療を断られる場合があります。事前の健康状態や生活習慣が重要となるため、希望する場合は事前に十分なカウンセリングや検査を受け、適応可能かどうか確認する必要があります。
自分にとって最適な治療法が何かを歯科医師とよく相談することが大切です。
5.インプラントオーバーデンチャーでもメンテナンスは必須
インプラントオーバーデンチャーは、脱着可能なので。患者様自身でお手入れすることもできます。歯磨きの時に取り外すことで、インプラントの周囲や付着した汚れを目で見ながら掃除できます。
しかし、オーバーデンチャーを支えるインプラント体側のメンテナンスは、患者様だけでは難しい側面があります。単一のインプラントでも注意すべきインプラント歯周炎は、オーバーデンチャーでも他人事ではありません。破損や脱落の可能性もあるので、オーバーデンチャーであったとしても年に2回の定期メンテナンスは必ず受けるようにしましょう。本来は治療を受けた歯科医院でメンテナンスしてもらうのが一番ですが、諸般の事情で受けられない場合もあります。
当院では他院で治療したインプラントもメンテナンスできます。引っ越しなどでインプラントのメンテナンスができていない場合は、当院をお尋ねください。院長の高田が、長く使用できるようにチェックいたします。
6.「インプラント オーバーデンチャー」に関するよくある質問
インプラントオーバーデンチャーは、従来の入れ歯よりも安定性が高く、違和感も少ないため、入れ歯に不満や抵抗を感じている方にとっては有効な治療法です。
ここでは、実際に治療を検討する上で、患者様からよくいただく質問についてまとめました。
6-1.インプラントオーバーデンチャーの費用はどのくらいかかりますか?
インプラントオーバーデンチャーの費用は、総額で約80万円から150万円程度が一般的な相場です。インプラントの本数や固定方法、入れ歯の作製方法によっても価格は大きく異なり、特にインプラント本数が増えると費用が高額になります。
費用の内訳や詳細は事前に歯科医院へ確認しましょう。
6-2.インプラントオーバーデンチャーの治療期間はどのくらいですか?
インプラントオーバーデンチャーの治療には、通常3~6か月の期間がかかります。治療の流れとしてはカウンセリングや精密検査、インプラント手術、治癒期間、義歯の作製と調整、最終的な装着まで段階的に進行します。
治療期間は、患者様の口腔内や骨の状態、インプラントを埋入する本数などによっても異なるため、歯科医師に確認のうえ計画的に治療を進められるようにしましょう。
6-3.オーバーデンチャーの寿命はどれくらいですか?
インプラントオーバーデンチャーの寿命は、適切なメンテナンスを行えば10年以上使用できることが一般的です。インプラント体は耐久性に優れており10~20年以上維持できるケースもありますが、入れ歯部分(義歯)は5~10年ほどで修理や作り替えが必要になることもあります。
寿命を延ばすためには、定期的な歯科医院でのチェックと日々の口腔ケアが欠かせません。使用頻度や口腔内の健康状態によっても個人差はありますが、日頃のメンテナンスを心がけましょう。
6-4.オーバーデンチャーと従来の総入れ歯の違いは何ですか?
オーバーデンチャーは、顎の骨に埋め込んだインプラントを支えにして入れ歯を固定するため、従来の総入れ歯に比べて圧倒的な安定感が得られます。
通常の入れ歯は歯茎の上に乗るだけなので外れやすく、噛む力や装着時の違和感も強いですが、インプラントオーバーデンチャーではしっかりと噛めて外れにくいのが魅力です。
また、設計上入れ歯自体がコンパクトになり、違和感や話しにくさなども軽減できるため、快適な日常生活を送りやすくなるでしょう。
6-5.オーバーデンチャーとオールオン4との違いは?どちらが良いですか?
オーバーデンチャーとオールオン4は、どちらも数本のインプラントを土台に入れ歯を装着する治療法ですが、いくつか違いが存在します。
まず、オールオン4はインプラントに人工歯を完全固定するため、自分で取り外すことはできません。その分、安定性に優れており、天然歯と同じように違和感なく食事を楽しむことができます。
一方、オーバーデンチャーは従来の入れ歯と同様、取り外しが可能で手軽に清掃しやすく、衛生管理がしやすいというメリットがあります。ただし、オールオン4と比べて義歯部分のサイズがやや大きくなるのがデメリットといえるでしょう。
上記のことを踏まえると、清掃のしやすさを重視したい方にはオーバーデンチャーが適しており、より自然な感覚や審美性・機能性を追求したい場合にはオールオン4がおすすめです。患者様の希望やライフスタイル、口腔内の状態に合わせて医師と相談することが大切です。
7.本数が多い場合はインプラントオーバーデンチャーの検討も
インプラントを検討していても、本数が多くなればその分費用が高くなってしまいます。しかし、オーバーデンチャーであれば、単一インプラント3~4本分程度の費用で装着可能になります。
インプラントには興味があるけどなるべく費用を抑えたい、入れ歯の違和感をできるだけ取り除きたいといった方にとって、オーバーデンチャーは最適な治療法になり得るでしょう。
高田歯科クリニック(杉並区萩窪)では、患者様一人一人の口腔内や状況に合わせた治療やご提案を行っております。インプラント治療を検討中の方やオーバーデンチャーについて気になることがある方は、ぜひ一度当院へお気軽にご相談ください。
※本コラムはあくまで一般的な情報として説明しております。高田歯科ではコラム内容で触れてはおりますがあえて対応していない内容もございますが、ご来院いただく患者様に合わせて最適なインプラント提案をさせていただいておりますので、まずは相談ください。
カテゴリー:インプラント&歯科ブログ 投稿日:2021年11月24日