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インプラントで使用されるアバットメントとは?役割や重要性・材質を解説します

アバットメント

インプラントを形成する部品の中に「アバットメント」と呼ばれるものがあります。小さなインプラントの部品の中でもとりわけ小さいものの、アバットメントはインプラントを支える重要な役割を果たしているのです。

この記事ではアバットメントの概要と役割、装着するタイミングや注意点について解説します。これからインプラント治療を受けるという人は、覚えておくといいかもしれません。

1.インプラントの構造

インプラントは次の3つの部品から成り立っています。

  • インプラント体
  • アバットメント
  • 上部構造

これら3つが組み合わさって、インプラントを形成しています。そもそもインプラントとは、抜け落ちてしまった歯の代替を行う医療器具です。日本でも徐々に浸透してきており、インプラント専門の歯科医院も多くなってきました。しかし、まだ歴史が浅いためか、インプラントに対して否定的な意見も少なくありません。

インプラントは、各メーカーによって人体に埋め込んでもアレルギー反応が起きにくいことが立証されている安全なものです。材質や構造も、人体に影響を与えにくいようになっており、一概に危険だと言い切れるものではありません。

インプラントの詳しい構造についてはこちらの記事をご確認ください。

(参考)インプラントの構造とは?インプラントの材質や種類、治療回数を解説

2.アバットメントとは?

歯茎の骨に埋め込むインプラント体、上層に出てきて歯の役割をする上部構造。ではアバットメントは何をしているのでしょうか。

アバットメントは、インプラント体と上部構造を接合する小さな部品のことです。コネクターと言った方が分かりやすいかもしれません。治療後は外から見えることがほとんどなく、上部構造の影に完全に隠れてしまいます。

一般的にチタンが採用されますが、インプラント体の素材によってアバットメントも変わることがあります。チタンが選ばれる理由は、金属アレルギーの患者様でもアレルギー症状が起こりにくいことと、電子機器などの影響を受けにくいことから採用されているのです。

一般的なインプラントにはアバットメントが存在するものの、一部例外もあります。

2-1.アバットメントがないタイプもある

インプラント治療には1回法と呼ばれる手術方法と、2回法と呼ばれる手術方法があります。どちらもアバットメントがあるインプラントが使用されることが多いのですが、1回法でのみ使えるインプラントとして、アバットメントがないタイプもあるのです。

アバットメントのあるインプラントを使用すると、インプラント体を埋め込んだ後、塞がった歯茎を切開してアバットメントを挿入する手間がかかります。しかし、インプラント体のないタイプであれば、インプラント体を埋め込むのと同時にアバットメントを装着されるため、手術の回数を1回少なくすることができるのです。

インプラント体を埋め込んだ後、歯茎の骨と接合するまでにしばらく時間がかかります。それを待ってからアバットメントを挿入する通常のインプラントよりも、手早く治療ができるのです。

2-2.主流はアバットメントがあるインプラント

治療法によって使い分けられていると説明しましたが、実際は1回法でも2回法でも、アバットメントがあるタイプのインプラントが広く使用されています。

1回法で治療ができるのは、CT検査で顎の骨に問題がないと判断された場合のみです。またアバットメントがないために、術後噛み心地に違和感を覚える人も少なくないようです。

後述しますがアバットメントには、インプラント体の位置を微妙に調整する役割があります。それにより無理のない咀嚼ができるようになっていますが、1回法で用いるワンピースタイプのインプラントでは、その機能が十分に発揮できないことがあるのです。

また顎の骨の状態が思わしくない場合は、主流のツーピースタイプと呼ばれるアバットメントのあるインプラントしか使用できません。守備範囲の広いツーピースタイプのインプラントの方が、歯科医院としても使いやすいため、そもそもワンピースタイプのインプラントを置いていないということもあるようです。

3.アバットメントの役割

アバットメントの役割には、次の5つがあります。

  • インプラントと上部構造を連結する
  • インプラント体の強度を補強する
  • インプラントを目立ちにくくする
  • インプラントとの角度調整ができる
  • 上部構造を保護できる

上から順にひとつずつ解説します。

3-1.インプラント体と上部構造を連結する

アバットメントとインプラント体はネジで固定されており、締め具合によって上部構造とインプラント体の距離の微調整が可能になります。万が一、上部構造が破損した場合でも、上部構造だけを交換すればいいため無駄な出費がかかりません。

一方で、ワンピースタイプの場合、上部構造が破損した際にインプラント体も破損してしまう可能性があります。そうなってしまえば、インプラントすべてを交換する必要が出てきてしまうのです。

ただ連結するだけではなく、万が一のことを考慮してアバットメントは存在しています。滅多なことで上部構造は破損しないものの、リスクを考えるとアバットメントのあるツーピースタイプのインプラントの方が良いでしょう。

3-2.インプラントの強度を補正する

アバットメントには、インプラントそのものの強度を高める役割があります。具体的にはアバットメントを挿入する際に、ネジ式で高さを調整する際に考慮されます。またインプラント体にダイレクトにダメージがかからないようにする役割もあり、総合的にインプラント全体の強度を補強できているのです。

アバットメントはチタン製がほとんどですが、いわゆるクッションの役割を持っていると思っていいでしょう。アバットメントが間に挟まることで、強い力がかかってもインプラント体は無傷で済むこともあります。

ただし、100%ダメージを分散できる訳ではありません。あまりにも強い力がかかった場合はインプラント体に力が入り、破損してしまう可能性もあります。

3-3.インプラント体を目立ちにくくする

インプラント体は基本的にチタンの色そのまま、もしくは防錆処理などが施された関係で銀色をしています。そのため、何かの拍子でインプラント体の銀色が見えてしまい、審美性を損なってしまうこともあります。

アバットメントは、そんなインプラント体を隠す役割も持っているのです。材質の選択が重要になるものの、ものによってはインプラント体が目立たなくなるものもあります。

選択は歯科医師に委ねるか、患者さまと相談という形になります。あるいは上部構造がインプラント体を隠すような形になっている場合も。取り扱っているインプラントによって異なるため、気になる場合は事前に確認してもいいでしょう。

3-4.インプラントとの角度調整ができる

顎の骨の状況によってインプラント体がまっすぐ挿入できるとは限りません。場合によってはやや斜めを向いてしまうこともあり、噛み合わせがおかしくなってしまう可能性も考えられます。

アバットメントがあるツーピースタイプであれば、インプラント体が斜めに入っていたとしても、角度がついているものを使用することでインプラント体の角度を補正することができます。これにより噛む力をまっすぐにすることができ、噛み合わせに違和感を感じることがなくなるのです。

角度付きのアバットメントは、インプラント体の埋入状況を見て使用されます。必ず使われるものではありません。

3-5.上部構造を保護できる

角度調整と内容がややかぶりますが、インプラント体だけではなく上部構造の保護にも役立ちます。

先述の通り、アバットメントはネジ式で、ものによっては角度がついているアバットメントも存在します。万が一インプラント体が傾いた状態で、そのまま上部構造を取り付けてしまうと、物を強く噛み締めた際に上部構造が破損してしまう可能性があるのです。

角度のついたアバットメントは、インプラント体だけではなく上部構造も保護することができるのです。ワンピースタイプのインプラントもあるものの、これらの機能から多くの歯科医院ではツーピースタイプのインプラントが採用されているのです。

4.アバットメントを装着するタイミング

アバットメントの装着は、インプラント体を埋め込んでから3~6か月程度待った後に行います。インプラント体と顎の骨が結合したタイミングです。接合の具合によってはもう少し伸びる可能性もあります。個人差がある問題なので、歯科医師と相談しながら様子を見てください。

インプラント体と顎の骨が接合した後に、インプラント体の頭を出し、その上からアバットメントを装着します。つまり2回目の手術で、アバットメントと上部構造を一緒に装着するのです。

万が一インプラント体と顎の骨が結合していないままアバットメントと上部構造を取り付けてしまうと、そのままものを噛んだ時、インプラント全体が脱落してしまう可能性があります。そうなってしまえば一から治療はやり直し。無駄な時間と費用がかかってしまいます。

アバットメントの装着は、インプラント治療の仕上げといっても過言ではありません。

5.アバットメントの材質

アバットメントの材質にはいくつかの種類があります。どの素材が使用されるのかは、歯科医師が状態を見て判断することがほとんどです。しかし患者様からすれば、どんなものが使われているのか気になるところでしょう。詳しく解説します。

5-1.大きく分けて4種類ある

大きく4つの種類があります。

  • 金合金
  • 純チタン
  • チタン合金
  • セラミック

基本的にはインプラント体と同じメーカーの同じ規格のものが採用されます。このうち純チタンは強度の問題からあまり使用されることがありません。

それぞれにメリットデメリットがあり、歯科医師の判断によって使い分けられます。例えばチタン合金の場合、耐久性が高く破損しにくい反面、上部構造とアバットメントの隙間から見えてしまうことがあり、審美的に良くないとされています。

ジルコニアの場合は、極度の金属アレルギーの患者様にも使用できるほか、他の歯とほぼ同じ色であるため審美性の担保も可能です。一方で、自然歯よりも硬いため周囲の歯や噛み合う歯を傷めてしまう可能性も。

それぞれに長所短所があるため、噛み合わせや顎の状態によって、司会者が使い分けることがほとんどです。ただし場合によっては、患者様との相談の結果で使用するアバットメントの素材を決定する場合もあります。

5-2.インプラント体と違って使い分けられる

先にも少し触れましたが、アバットメントは歯科医師の判断、もしくは相談の結果で素材を使い分ける可能性があるものです。基本的にその歯科医院でしか扱っていないメーカーのインプラント体が選べないのとは対照的に、アバットメントにはある程度自由さがあります。

代表的なものが前述した角度付きのアバットメントです。それまでのアバットメントは、インプラント体がまっすぐ埋め込まれていることが前提で使用されていました。しかし、患者様によってはインプラント体がまっすぐ挿入できず、斜めを向いたままになってしまうこともあります。

その状態でも噛み合わせに問題が起きないように、インプラント体に角度をつけて接合するのです。この世にインプラント体と違ってアバットメントは使い分けができます。

上部構造とインプラント体を接続するアバットメントですが、一度埋め込めば一生そのまま使えるというわけではありません。また術後すぐに異常を感じることも。詳しく解説します。

6-1.噛み合わせに問題が起こる場合がある

アバットメントの締め込み具合の調整で、噛み合わせが自由に調整できます。しかし場合によっては噛み合わせが良くない状態で上部構造を取り付けてしまった結果、物を噛むのが一苦労になってしまうこともあります。

噛み合わせに問題があると物を食べる時はもちろん、発話にも支障をきたす可能性も否定できません。

噛み合わせに違和感を感じたら、早急にインプラント治療を受けた歯科医院に連絡しましょう。適切な対処をしてもらうことですぐに違和感がなくなるかもしれません。

6-2.痛みを感じることがある

インプラントを長時間使っていると、痛みを感じる患者様も出てきます。原因はアバットメントが緩んでしまったために、噛み合わせがおかしくなってしまい、顎の骨に負荷がかかっているためです。

そのまま放置しておくと噛み合わせの歯がダメージを受けてしまったり、上部構造やインプラント体が破損する恐れもあります。アバットメントが緩んでいる場合、ぐらつきを同時に感じることが多いため、少しでもぐらつきを察知したら早急に対処してもらいましょう。

6-3.その他の困りごとがあれば当院へ相談を

それ以外にもインプラントに関わるトラブルは数多くあります。もし少しでも違和感を感じたら、歯科医に相談するべきです。しかし中には引っ越しなどの理由で、治療を受けた歯科医院に通えないという人もいるでしょう。

その時はぜひ当院へご相談ください。当院の院長高田は年間800本ものインプラント治療に携わっている、いわばインプラント治療のスペシャリストです。他院で治療したインプラントでも、違和感があればすぐにご相談ください。

またインプラント治療を受けようか悩んでいる方も、相談だけでも結構ですので、お気軽にお問い合わせください。院長の高田が親切丁寧に対応いたします。

7.アバットメントはインプラントに欠かせない存在

アバットメントはインプラントそのものを影で支える存在です。本記事で解説した役割は、言われなければわからなかったものばかりでしょう。インプラントが適切に使用できるようにするために、アバットメントは重要な存在なのです。

カテゴリー:インプラント&歯科ブログ   投稿日:2022年2月2日