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院長 高田 徹

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インプラントは何歳から何歳まで?年齢制限や高齢者における問題・リスク

失われた歯を補い、歯としての機能を回復させるインプラント治療。自身の歯に近い見た目と機能性が期待できることから、歯科治療においてもメジャーな治療法となってきました。

しかしながら、インプラント治療を受けたいと思っていても、年齢を理由に踏み切れない方がいらっしゃるのも事実。特に高齢者の方は治療を受ける際に不安を感じる方も少なくありません。

そこで本記事では、インプラント治療がおすすめの理由や年齢制限、高齢者がインプラント治療を受ける際のリスクについてお伝えしていきます。

▼この記事で分かること

  • インプラント治療に明確な年齢制限はない
  • インプラント治療を始めるなら20歳前後からがおすすめ
  • 上限年齢はないものの、70歳以降少なくなる傾向あり
  • 高齢者のインプラント治療はさまざまな問題・リスクがある

《高齢者のインプラント治療における問題やリスク》

   問題① | インプラント体と骨が結合しづらい
   問題② | 体力の低下により外科手術が難しい場合がある
   問題③ | 持病でインプラント手術を受けられない方の割合も多い
   リスク① | 術中・術後に細菌感染しやすい
   リスク② | 口腔内の状態が悪ければ長期間の通院が必要
   リスク③ | 治療後のメンテナンスが難しい

本文内でより詳しく解説します。インプラント治療を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。

インプラント治療とは

インプラント治療は、失われた歯を補うために顎の骨に人工の歯根を埋め込み、その上に人工歯を装着して歯を回復させる治療方法です。

従来のブリッジや入れ歯とは異なり、歯根がしっかり顎骨に固定されるため安定感抜群で、自分の歯のように噛むことができるようになります。また、審美性にも優れているため、見た目を気にする若い方から幅広い世代の方に選ばれています。

歯を失った場合にインプラントがおすすめされる理由・メリット

歯を失った際にインプラント治療が推奨される主な理由やメリットは以下の通りです。

  • 健康な歯や骨への影響が少ない
  • 自分の歯(自然歯)に近い感覚で噛むことができる
  • 審美性に優れている、見た目がきれい

1つずつ見ていきましょう。

健康な歯や骨への影響が少ない

インプラント治療の最大のメリットは、健康な歯への影響が少ない点です。失った歯の治療法としてブリッジや入れ歯などがありますが、残っている歯を削らなければいけなかったり、健康な歯に金具で固定したりと、他の歯への負担は回避できません。

この負担が長年蓄積した結果、健康な歯にトラブルが起き、最終的に歯を失うというリスクもあり得ます。

一方インプラント治療では、周りの歯を支えにせず、失った部位のみで独立した歯の再建が可能です。そのため、残っている健康な歯へ負担をかけることなく歯の機能を取り戻すことができます。

同時に、顎の骨への影響も抑えることが可能です。例えば差し歯や入れ歯は、極端に言えば歯茎の上に被せ物が乗っているだけの状態。そのため、食べ物を噛む際に十分な刺激を与えられず、次第に骨が痩せて(骨密度が低下)いきます。

一方、インプラント治療では直接顎の骨にインプラント体を埋め込むため、噛む刺激がダイレクトに顎の骨に伝わり、骨が痩せることを防げます。

自分の歯(自然歯)に近い感覚で噛むことができる

インプラントによって、自分の歯と同じような感覚で噛むことができる点もメリットのひとつです。もちろん、ブリッジや入れ歯でも食べ物を噛むことはできます。しかし、噛んだときの違和感や入れ歯に食べ物が挟まる不快感など、やはり自分の歯と同じように噛む感覚は得られません。

その点インプラントは、顎の骨に直接土台となるインプラント体を埋め込んでしっかり固定するため、天然歯と同じような感覚で噛むことができるのです。

審美性に優れている、見た目がきれい

インプラントは、審美性に優れていることも大きなメリットです。差し歯や入れ歯、ブリッジ治療では、自然歯との色味の違いや入れ歯の金属部分、経年劣化による変色など、見た目を気にする方は少なくありません。

一方でインプラントは、人工歯の材質を高品質なものにすることで、一見天然歯との見分けがつかないほど自然な仕上がりとなります。

天然歯に近い自然で美しい歯を手に入れることができるのはインプラントにしかない魅力と言えるでしょう。

インプラントの年齢制限について

結論から申し上げると、インプラント治療ができる年齢に明確な制限はありません。

前述した通り、インプラントは機能性・審美性に優れた歯の再建方法ですが、治療においては歯茎を切開したり、顎の骨に穴を開けたりといった大がかりな外科手術が必要です。

そのことから、インプラントが適用できる「年齢」を気にする方も少なくないでしょう。先ほど「制限はない」とお伝えしましたが、”推奨される年齢“は存在します。

そこで次の項では、インプラント治療が「何歳からできるのか」「何歳までできるのか」についてお話しします。

インプラント治療ができるのは何歳から?

インプラント治療は20歳前後からが適用されるのが一般的です。そもそもインプラント治療は、インプラント体を支えることができる強い顎の骨、十分な骨密度がないと施術することができません。つまり、顎の成長が完了していることが大前提なのです。

個人差はあるものの生まれてから18歳頃までは、永久歯との生え変わりや顎の成長が続きます。この顎の成長途中にインプラント手術を行えば、歯並びに悪影響を及ぼしたり、土台となるインプラント体が安定しなかったりといったトラブルを招くことも…。そのため、顎の成長が完了するまでは、インプラント治療をおすすめすることはできません。

その点、20歳頃になるとほとんどの場合顎の成長が完了しているため、不具合が起きる可能性が低くなります。

ただし、顎の成長がいつまで続くかは個人差が大きいため、インプラント治療を検討するときはまず歯科医師に「治療を始める最適な時期」について相談してみましょう。

もし、まだ早いと判断された場合、治療ができる年齢になるまで、仮歯や入れ歯等で一時的に補うこともあります。

70歳?80歳?インプラント治療ができるのは何歳まで?

年齢制限の上限としてよく言われるのが「70歳」ですが、インプラント治療ができる年齢に上限はありません。全身的な健康状態が良好で安全に手術を受けることができる方であれば、80歳以上などのご高齢の方でも治療は可能です。

しかし、やはり高齢になればなるほどインプラント治療ができない方が多く、リスクが高くなるのも事実。重要なのは、「全身の健康状態」、「外科手術に耐え得る体力」、「顎の骨の量や質」です。

一般的に高齢になると骨粗鬆症などの影響で顎の骨が減少しやすくなりますが、十分な骨量が確保できれば年齢を問わず施術が行えます。

反対に、外科手術に耐えることができない健康状態や持病(糖尿病、心臓病、高血圧など)がある場合、重度の歯周病で顎の骨が痩せている場合などは、年齢を問わず治療できないと判断されることもあります。

何より健康状態もお口の状態も個人差があるため、高齢の方は特に歯科医師とよく相談し、治療計画を立てる必要があるでしょう。

歯を失いやすい年代・インプラント治療を受ける方が多い年齢層

インプラント治療を受ける方が多い年齢層は、40代から60代にかけてです。40代になると管理職などの役職を任せられることも多くなり、口腔ケアに気を配る余裕がなくなります。

虫歯かもしれないと思ってもなかなか歯科に通院する時間を確保できず、知らず知らずのうちに重症化させてしまうことがあります。また、子育てや家事にも追われる時期であり、歯のケアを後回しにしてしまいがち。

その点、生活が少し落ち着いたタイミングで、歯の治療やケアに力を入れ始める方が多いようです。とはいえ、高齢になると外科手術が難しかったり、高額な費用がかかったりと、インプラント治療を受けにくい状況にもなります。

そうした背景もあってか、インプラント治療を受ける方の年代としては40~60代が最も多く、70代以降徐々に減少していきます。

引用:厚生労働省「平成28年 歯科疾患実態調査結果の概要」

高齢者のインプラント治療における問題やリスク

高齢者でも全身状態や顎の骨の状態等、特に問題がなければインプラント治療を受けられることはお分かりいただけたかと思います。

しかし、たとえインプラント治療を受けられる条件が揃っていても、若い方に比べて様々なリスクが伴うことも理解しておかなければなりません。ここからは、高齢者がインプラント治療を受ける際の問題やリスクについて解説していきます。

問題① | インプラント体と骨が結合しづらい

インプラント治療は、歯茎を切開して顎の骨を削ったあとに、インプラント体と骨を結合させなければなりません。高齢になるとただでさえ骨密度が低下している中、免疫力も低下しがちなため、傷口の治りが遅くなり、インプラント体と骨が結合しづらくなる可能性があります。

万が一、うまく結合しなかった場合には再手術を行うか、インプラント治療以外の治療を行うかとなります。

問題② | 体力の低下により外科手術が難しい場合がある

高齢になると体力が低下するため、顎の骨を削る外科手術に耐えられない可能性があります。外科手術は一般的にインプラント1本につき30分程度と言われていますが、本数が多くなればその分手術時間も長くなります。

そうした体力面を考慮し、インプラント治療を避けるケースもあるようです。また、インプラント手術が終われば全て終わり、ではありません。術後の経過観察をはじめ、定期検診やメンテナンスに通う体力も必要です。

問題③ | 持病でインプラント手術を受けられない方の割合も多い

高齢者の方は高血圧や糖尿病、骨粗しょう症、心臓病など持病がある方も多くいらっしゃいます。

こうした病気を患っていると、外科手術を受けた際に出血が止まらなくなったり、血圧が急激に上昇したりと、命に関わる大きなリスクがあります。特に重篤な全身疾患を患っている方は手術が難しいケースがほとんどです。

リスク① | 術中・術後に細菌感染しやすい

高齢者のインプラント治療において、細菌感染を起こすリスクが非常に高いことも見逃せません。インプラント治療では歯茎を切開して顎の骨を削り、インプラントの土台を埋め込みます。

こうした治療痕から細菌感染する可能性が高く、年齢が上がるにつれて、そのリスクも高くなってしまいます。

リスク② | 口腔内の状態が悪ければ長期間の通院が必要

高齢になると、口腔内の状態が良くない方も少なくありません。例えば、むし歯がある、歯周病にかかっているならば、まずはそれらを治療し、口腔内の状態をよくすることが先決。インプラント治療はすぐには受けられません。

インプラント治療を受けるまでに長期間・複数回通院が必要となるケースも多いでしょう。

リスク③ | 治療後のメンテナンスが難しい

手術後もインプラント周囲炎などを防ぐために、定期的に歯科医院へ通い、メンテナンスを行う必要があります。また、自分でのセルフケアも必須です。インプラントは、適切な治療・メンテナンスを継続できれば、治療後10年経過しても9割以上が使えるほど寿命が長く、半永久的に機能します。

しかし、高齢者の場合、定期的に歯科医院へ通ったり、自分でこまめにケアしたりすることが難しい場合も多いでしょう。

高齢者・老後を考えたときのインプラントの重要性

年齢を重ねると、歯の喪失が増え、食事の咀嚼能力の低下や栄養摂取の問題が生じがちです。インプラント治療は、これらの問題に対して自然な噛み心地と機能を回復させるための有効な治療法と言えます。

高齢者の方々にとって、健康な口腔環境を維持できること、噛めることは全身の健康にも繋がるため、インプラント治療への投資は人間そのものの寿命にも関わる重要な価値があると言えます。

噛む機能が維持できる

噛む機能は、食事をする際に食べ物を細かく砕くために必要不可欠です。歯がしっかりと機能しないと、消化不良や栄養の吸収不良につながるリスクがあります。

入れ歯などではどうしても柔らかい食べ物を中心に摂ることでタンパク質が不足しがちになり、筋力・体力低下の原因ともなります。

歯科治療を受けることで、噛む機能・噛む力のバランスを良好に保ち、健康問題を未然に防ぐことができるでしょう。食べる楽しさを保ち、身体全体の健康を維持するためにも、噛む機能の維持は大切です。

認知症予防につながる

入れ歯と比較した場合に大きく優れているのが、しっかり噛めるという点。しっかり噛むことは脳に適度な刺激を与え、認知症の予防に繋がります。

管理・メンテナンスが入れ歯に比べて容易

歳を重ねて要介護になると、お口の中のセルフケアが難しくなったり、唾液の量が少なくなったりするため、むし歯になるリスクが高まります。

特に入れ歯の場合、お口の中のケアに加えて、入れ歯自体の手入れも必要です。加えて、長年使用していると合わなくなることもあり、都度調整が必要となります。

しかし、大前提としてインプラントの人工歯がむし歯になることはありません。そのため、早い段階でインプラント治療を行っておけば、むし歯のリスクは回避できます。手入れのために取り外したりする必要もなく簡単な管理で済むため、老後の生活にも適していると言えるでしょう。

高齢者向けの「オーバーデンチャー」とは

オーバーデンチャーとは、一言で言うと高齢者に適した入れ歯の一種です。残った天然歯やすでに埋め込まれているインプラントを支えに、被せて使う入れ歯のことを意味します。

歯の状態に合わせて、総入れ歯や部分入れ歯などのようにかたちを変えられるため、安定性が向上し、噛む力も高まります。これにより食事の質が改善されるほか、入れ歯の不快感も軽減されるでしょう。

一般的なインプラントの場合、顎の骨が少ないと治療が受けられないことがありますが、オーバーデンチャーは、顎の骨が少なくても治療が受けられるため、高齢者のみならず幅広い方が治療を受けられるのもメリットの一つです。

年齢以外の原因でインプラント治療を受けられない8つのケース

インプラント治療を受けられる年齢であっても、治療を受けられないケースがあります。

以下のようなケースでは「インプラント治療を受けられない」、もしくは「すぐには受けられません」。

  • 重度の全身疾患がある(糖尿病、循環器系疾患、血液系の疾患、骨粗しょう症など)
  • 持病があり薬を服用している
  • 骨粗しょう症などで顎の骨密度が低下している
  • 喫煙習慣があり、たばこを辞められない
  • 治療後に定期的に通院できない
  • 妊娠している
  • 歯周病など、口腔内の状態が悪いとすぐにはできない(まずは歯周病治療を優先)
  • 顎の骨が不足している場合も“すぐ”に手術は受けられない

とはいえ、これらのケースに当てはまる場合でも、患者様に合わせた有効な治療法の提案や適切な治療を行ってもらえるため、まずは歯科医院で相談・診断してもらいましょう。

東京杉並区でインプラント治療をお考えなら「高田歯科クリニック」へ!

インプラント治療は、失った歯を再建する有効な治療法であり、入れ歯やブリッジ治療などでは得られないメリットが多くあります。

ただし、その治療時期を間違えればさまざまなリスクをもたらします。特に高齢者の方は、さまざまなリスクや危険性があることを十分に理解し、万が一のトラブルの際にもしっかりと対応してくれる技術力・対応力の高い歯科医院で治療を受けましょう。

「インプラント治療ができるかどうか」、「インプラントを始める時期はいつがいいのか」など、インプラント治療や歯のことで気になることがありましたら、ぜひ一度「高田歯科クリニック(杉並区荻窪)」へご相談ください!

カテゴリー:インプラント&歯科ブログ   投稿日:2024年5月9日