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インプラント治療後は歯茎のトラブルに注意!歯茎が下がる・黒くなる原因や予防法も解説

インプラントは、天然歯に劣らない機能性・審美性を持つ治療方法として人気があります。しかし、インプラントの治療後に正しいメインテナンスを継続していなければ、歯茎が下がる(痩せる)、黒くなるなどのトラブルが起こりやすいのも事実です。

本記事では、インプラント治療後の歯茎のトラブルの原因として挙げられる「インプラント周囲炎」を中心に、インプラント治療後に歯茎に起こるトラブルの原因や予防法についてご紹介していきます。

インプラント治療後に歯茎が下がる/痩せる原因

  • インプラント周囲炎
  • 抜歯
  • 噛み合わせが悪い

インプラントで歯茎が黒くなる原因

  • インプラント周囲炎
  • インプラントの金属が透けて見える

※ただし、歯茎が下がる、黒くなる原因はインプラント治療によるものだけではありません。

インプラント後の歯茎のトラブルを予防する方法4つ

  • 自宅でのデンタルケアを徹底する
  • 歯科医院で定期的にクリーニング(メンテナンス)を受ける
  • 生活習慣を整える、バランスのよい食事をする
  • 禁煙する・飲酒を控える

インプラントを良い状態で長期間維持したい方は、ぜひ最後までご覧ください。

インプラント治療後に歯茎が下がる/痩せる原因

インプラント治療後に、歯茎が下がったり痩せたりすることがあります。主な原因は以下の通りです。

  • インプラント周囲炎
  • 抜歯
  • 噛み合わせが悪い

まずは原因を1つずつみていきましょう。

インプラント周囲炎

インプラント治療で歯茎が下がる、痩せる主な原因として挙げられるのが、「インプラント周囲炎」です。

口腔内を清潔な状態に保てないと細菌が増殖。歯周病と似たような症状ですが、天然歯に発生する歯周病と比較して、歯茎に大きな影響を与えてしまいます。

歯茎が下がる、腫れる、出血する、最悪の場合はインプラントを支えている骨が溶けてインプラントが抜け落ちてしまうこともあるなど、やっかいな病気です。

抜歯

インプラント治療を受ける際には、事前に抜歯が必要となるケースがあります。抜歯をした部分は数日で徐々に回復していき、歯茎ができていくのが通常です。

しかし、何らかの理由によって抜歯後に歯茎の治りが遅くなった場合に、歯茎が下がってしまうことがあります。

噛み合わせが悪い

インプラントの治療後、噛み合わせが悪くなることがあります。噛み合わせが悪いと歯茎に大きな力がかかり、歯茎への負担も大きくなります。

その結果、歯茎が下がる、痩せるなどの症状が出ることがあるのです。

インプラント治療だけではない!歯茎が下がる・痩せるその他の原因

歯茎が下がる・痩せる原因はインプラント治療だけではありません。以下のような原因も挙げられます。

  • 歯周病…歯周病菌の影響で歯茎が炎症を起こし、歯茎が下がる原因に
  • 歯ぎしり・食いしばり…歯がすり減るだけでなく、歯茎にも大きな負担がかかり、歯茎の炎症や歯周病の原因のひとつに
  • 誤ったセルフケア…強い力でブラッシングを行うと歯茎が傷つき、細菌が侵入し、歯茎に影響を与えることも
  • 口腔内の衛生状態が悪い…歯磨きなどのケアを怠り口腔内の衛生状態が悪くなると、歯茎に炎症が起きやすい
  • 喫煙…喫煙は血流の低下を招く。歯茎の治りが遅くなるだけでなく、細菌感染を起こしやすくなり、歯茎のトラブルに発展

インプラントで歯茎が下がる・痩せることによって生まれるリスク

一見、「歯茎が下がっただけで何か問題があるの?」と軽く捉えがちですが、それは危険です。

インプラントで歯茎が下がる、痩せることによってどんな危険があるのか、具体的にご紹介していきます。

細菌感染のリスクが高まる

歯茎が下がる、痩せると、本来歯茎に埋まっているはずのインプラントが露出することがあります。

こうして露出したインプラントには細菌が繁殖しやすくなり、インプラント周囲炎の原因となるリスクがあるのです。

見た目が悪くなる

同じく、歯茎が下がる、痩せることによりインプラントが露出してしまうと、見た目が悪くなる、またそれに伴い他人とのコミュニケーションに支障をきたすこともあります。

特に、前歯などの目につきやすい部分は、銀色の金属部分が露出すると目立ちやすいでしょう。

また、すでに歯茎がダメージを受けているため、残った歯茎も赤黒く、不健康に見える場合もあります。

インプラントの安定性が低下する

歯茎が下がったり痩せたりすると、インプラントの安定性が低下します。はじめは日常生活に支障がなくとも、食事の際にしっかり噛めなくなる、それがさらに進行するとインプラントがグラグラしたり、最悪の場合はインプラントが抜け落ちたりする可能性もあります。

なお、グラグラするほどの進行度合いの場合、重度のインプラント周囲炎の可能性も否めません。歯茎を回復させることができない場合、インプラントの再治療は受けられなくなるケースもあるため、一刻も早く歯科医院を受診しましょう。

噛み合わせが変化する、悪化する

歯茎が下がる、痩せることで、隣接する天然歯の位置が変化し、噛み合わせが悪くなることもあります。噛み合わせが悪くなると、インプラント周囲炎へのリスクも高くなると言われています。

さらに、インプラント自体に噛み合わせの力が過度に集中すれば、周辺の歯茎や骨へのダメージ、インプラントの人工歯の破損につながることもあるため注意が必要です。

インプラントで歯茎が黒くなる原因

ここからは、インプラントで歯茎が黒くなる原因をみていきます。実際、インプラント治療そのものが直接歯茎を黒くすることはありませんが、以下のような要素が原因で歯茎が黒く見えることがあります。

  • インプラント周囲炎
  • インプラントの金属が透けて見える

1つずつみていきます。

インプラント周囲炎

インプラントによって歯茎が黒くなる原因の1つは、歯茎が下がる原因と同じく「インプラント周囲炎」です。何かしらの理由で細菌が侵入すると、歯茎に炎症が起き、赤みや腫れが生じます。

この状態が放置されると細菌が増加し、歯茎が徐々に黒ずんでいくのです。主に、口腔内のケアやメンテナンスが十分でない場合に起こりやすいとされています。

インプラントの金属が透けて見える

インプラント体の色が透けて見えることで歯茎が黒くなったと感じることも理由の1つです。

インプラントは、金属のインプラント体を顎の骨に埋入し、その上に人工歯を固定する治療法です。金属が使われているアバットメントやインプラント体の素材(金属)の色により、歯茎が黒く見えてしまうことがあるのです。

特に、歯茎が痩せている場合や、インプラント体が歯茎の表面に近い位置に埋入された場合は、この原因の可能性が高いと言えるでしょう。

インプラント治療だけではない!歯茎が黒くなるその他の原因

歯茎が黒くなる原因もインプラント治療によるものだけではありません。歯茎が黒くなる一般的な原因は以下の通りです。

  • 口腔内の衛生状態が悪い…口腔内の細菌が増えてしまうと、黒い色素を生成する可能性があり、歯や歯茎が黒く見えることも
  • 歯周病…歯周病で歯茎が炎症を起こし、進行すると歯茎が黒ずんでしまう。悪化すれば、歯茎が下がる、歯がグラつく、インプラントが抜け落ちるケースも
  • 喫煙…たばこに含まれる有害物質(ニコチン・タール)は歯茎に直接付着し、黒ずみや歯石の原因に。口腔内の血流を悪くするため、歯茎の健康を害する可能性も

インプラント治療後の歯茎トラブルの原因の多くは「インプラント周囲炎」

インプラント治療後に起こる歯茎トラブルの原因の多くは、これまでにも何度か触れてきた「インプラント周囲炎」と言っても過言でありません。

インプラント周囲炎とは、インプラントの周辺組織に炎症が起こる疾患のことで、言ってみればインプラントの周辺で起こる歯周病のようなものです。

インプラントは、天然歯と比較して炎症への抵抗力が低いため、インプラントの人工歯に歯垢や歯石がついたままの状態が続くと、細菌が増殖してしまいます。

その後、インプラント体まで細菌感染が及ぶと、急速に骨吸収(骨が溶ける)が進み、自覚症状がないまま症状が深刻化するケースが多いのです。

インプラント周囲炎の主な症状

インプラント周囲炎は歯周病よりも進行が速いのが特徴です。痛みなどの症状がほとんどないため、気付かないうちに進行してしまうことも少なくありません。

インプラント周囲炎の具体的な症状には、以下のようなものが挙げられます。

  • インプラント周辺の歯茎の赤みや腫れ
  • 歯茎からの出血(歯ブラシやデンタルフロスの使用時)
  • 痛み
  • 口臭
  • 歯槽骨の吸収(骨が溶ける)
  • インプラントの脱落(抜け落ちる)

このような症状が見られ、インプラント周囲炎が疑われる場合は、早めに歯科医師に相談して適切な治療を受けましょう。

【進行度別】インプラント周囲炎の治療法

インプラント周囲炎になってしまった場合でも、早い段階で適切な処置ができれば、歯茎のトラブルを防ぐことができます。

ここからは、インプラント周囲炎の治療法を、進行度別にみていきます。

初期の「インプラント周囲粘膜炎」:クリーニング・歯磨き指導

炎症が軽い場合は、歯科医院での歯磨き指導やクリーニングなどで状態が回復する可能性があります。インプラント周囲炎になる前の「インプラント周囲粘膜炎」と呼ばれる段階においては特に有効です。

この「インプラント周囲粘膜炎」とは、インプラントの周囲に炎症は発生しているものの、その炎症が粘膜のみで留まっている状態です。

初期段階ではあるものの気を付けたいのは、症状がほとんどないため、気付くことが難しいということ。歯茎の腫れや出血などのトラブルが見られるようになったら、早めに歯科医院を受診しましょう。

軽度の「インプラント周囲炎」:クリーニング

インプラント周囲粘膜炎から炎症が進行すると、細菌がインプラント体まで侵入しやすくなります。

そのため、歯磨き指導やクリーニングに加えて、歯科医師または歯科衛生士による歯周ポケット内の歯垢や歯石の除去などが有効です。必要であれば、抗生剤の投与が行われる場合もあります。

中度の「インプラント周囲炎」:切除療法

炎症がインプラントを支える顎の骨にまで到達し、クリーニングや投薬でも改善しないほど症状が進行している場合は、「切除療法」が選択されることもあります。

切除療法とは、歯茎を切り開いてインプラントを露出させたうえで、インプラントを直接洗浄する方法です。軽度の段階でも場合によっては切除療法が行われることがありますが、初期段階で早期発見し、クリーニングのみで対処できるのが理想でしょう。

重度の「インプラント周囲炎」:外科的手術・再生療法

重度のインプラント周囲炎の場合、顎の骨がさらに溶けて、インプラントを支えられなくなってしまいます。その結果、インプラントのグラつきや最悪の場合は脱落(抜け落ちる)を引き起こすこともあるのです。

重度の場合、インプラント周囲の歯肉を切開して炎症を除去する方法や、インプラントを取り外して、再度インプラントを埋入する手術などの外科的手術、失われた歯茎や骨を再生させるための再生療法がとられます。

万が一、再生療法が行えないほど症状が悪化している場合は、インプラントを残すのは難しいため、撤去されるのが一般的です。

インプラント後の歯茎のトラブルを予防する4つの方法

インプラント周囲炎をはじめとしたインプラント治療後の歯茎トラブルを予防するには、治療後の正しいメンテナンスが不可欠です。4つの予防法をご紹介しますので、ぜひ意識してみましょう。

自宅でのデンタルケアを徹底する

セルフケアの基本は、毎日行うブラッシングです。インプラントの人工歯は天然歯よりも汚れが付きやすいため、歯垢が残らないよう丁寧にブラッシングしましょう。

ただし、力強く磨いてしまうと歯茎を傷つけてしまう可能性もあります。歯茎に細かい傷ができると、細菌が溜まりやすくなるので、「優しい力加減」でのブラッシングを意識してください。

また、デンタルフロスや歯間ブラシを併用し、歯と歯の間の歯茎も清潔に保ちましょう。

歯科医院で定期的にクリーニング(メンテナンス)を受ける

丁寧にセルフケアを行っていても、汚れを完全に取り除けるわけではありません。そのため、定期的に歯科医院を受診し、メンテナンスやクリーニングを受けましょう。

専門的な機器を使い、歯磨きだけでは難しい部分までしっかり汚れを落とせるため、歯茎のトラブルの予防だけでなく、インプラントの長期耐用、口腔環境の維持にもメリットがあると言えるでしょう。

また、定期的に歯科医院に通っていれば、虫歯や歯周病、インプラント周囲炎などの早期発見・対処につながり重症化を防ぐことも期待できます。

生活習慣を整える、バランスのよい食事をする

インプラント治療後の歯茎ケアのために、生活習慣を整えることも重要です。ストレスや睡眠不足は免疫力を低下させ、歯茎のトラブルを引き起こす原因になります。

細菌への抵抗力が弱まると、歯茎が痩せやすくなるため、これを機に生活習慣を見直しましょう。

また、免疫力を向上させるためには、栄養豊富なバランスのよい食事が重要です。

禁煙する・飲酒を控える

喫煙習慣がある方は血流が悪いことから、必要な栄養素が歯茎に届きにくく、歯茎が痩せる、黒くなるなどの症状が出やすい傾向にあります。

また、たばこはインプラント周囲炎をはじめ、歯茎のトラブルや口腔内環境の悪化、さらには全身へ悪影響を及ぼすものです。インプラント治療をきっかけに、できるだけ禁煙する、難しい場合は本数を減らすことからはじめてみましょう。

さらに、アルコールは口腔内の細菌増加を引き起こし、炎症のリスクを高めるため、できる限り控えましょう。

インプラント後の歯茎のトラブルの予防なら高田歯科クリニックへ!

機能性・審美性に優れた人気のインプラントですが、治療後のケア次第で様々なリスクを引き起こします。特に本記事で触れた歯茎のトラブルやインプラント周囲炎が進行すると、インプラントを喪失するリスクも高まります。

歯茎トラブルを防ぐためには、日頃から正しい方法でセルフケアをするとともに、定期的に歯科医院のメンテナンスを受けることが大切です。

歯茎のトラブルでお困りの方やメンテナンスをお考えの方、また、インプラント治療について不安なことがある方は、当院「高田歯科クリニック(杉並区荻窪)」までお気軽にご相談ください。

カテゴリー:インプラント&歯科ブログ   投稿日:2024年4月10日