インプラント書籍執筆の院長が丁寧にご相談にのります

院長 高田 徹

お電話でお問合わせ

03-3393-4182

インプラントのメンテナンス費用と寿命を延ばすメンテナンスの必要性

インプラントは入れて終わり、ではありません。インプラントを長持ちさせるためには、治療後のメンテナンスをしっかり受ける必要があります。

インプラントの寿命を延ばす鍵は、定期的なメンテナンスにかかっていると言っても過言ではありません。

本記事では、インプラントのメンテナンスの必要性やメンテナンスにかかる費用などについて解説していきます。

- インプラントのメンテナンス費用 -
  • 費用はおよそ3,000〜5,000円
  • 高い場合でも、基本的には10,000円前後でおさまる
- メンテナンスの必要性 -
  • インプラントを長持ちさせるため
  • インプラント周囲炎の予防のため
  • 残っている健康な歯を維持するため
  • トラブル時に保証を受けられる可能性が高い

ぜひ最後までご覧ください。

インプラントの寿命

インプラントの寿命は、メーカーや種類によって異なりますが約10〜15年が一般的です。

ただし、メンテナンスの頻度やセルフケアなどによってインプラントの寿命は変わります。

メンテナンスやケアを怠っていれば、10年よりも早く寿命を迎える可能性があります。一方、メンテナンスを継続して歯茎や顎の骨の状態など口腔内を良好に保てられれば、その寿命を20年、30年と延ばすことも難しくはありません。

インプラント同様、失った歯を補う治療である「入れ歯」は3~5年程度、「ブリッジ」は7~8年程度で寿命を迎えると言われています。この点からもいかにインプラントが長持ちしやすいのかが分かるかと思います。

インプラントのメンテナンスが必要な理由

インプラントは見た目も機能性も天然歯と遜色なく、歯を失ってもこれまでとほとんど変わらない生活を送ることができます。

しかし、残念ながら永久的なものではなく、インプラント治療後のメンテナンス次第でインプラントを長く快適に保てるかどうかは大きく変わるのです。

ここでは、インプラントのメンテナンスが必要な理由を解説します。

インプラントを長持ちさせるため

インプラントのメンテナンスは、インプラントを長持ちさせるために非常に重要です。インプラントの寿命は、歯科医院での定期的なメンテナンスやクリーニングを受けるかによって大きく変わります。

過去には最長40年インプラントを保てたという例もあるほど、メンテナンス次第で半永久的に使い続けられる可能性もあるのです。

インプラント周囲炎の予防のため

メンテナンスは、インプラント周囲炎の予防のためにも不可欠です。インプラントは人工の歯であるため、虫歯になる心配はありません。ただし、「インプラント周囲炎」というさらに怖いリスクが潜んでいます。

インプラント周囲炎とは、インプラント特有の“歯周病”です。インプラント周辺に歯垢や歯石が蓄積することにより歯周病菌が増殖。一般的な歯周病よりも進行が早くこの状態が放置されると炎症はどんどん進行していき、顎の骨が破壊されてしまうのです。

その結果、インプラントを支えきれなくなり、最悪の場合インプラントがグラグラする、抜け落ちるなどの危険が高まります。

神経が通っていないインプラントは痛みも感じにくいことから早期発見が難しいとされています。そのため、定期的なメンテナンスを受けて予防・早期発見することが非常に重要なのです。

残っている健康な歯を維持するため

残っている自分の健康な歯を維持するためにもメンテナンスは必要です。

前述したインプラント周囲炎になってしまうと、残っている自分の歯にも影響が出ます。歯周病は放っておくとお口全体に広がっていくからです。

メンテナンスではインプラント以外にも、残っている他の歯や歯茎などお口の状態をトータルでチェックするとともに、クリーニングや歯石の除去を行ってもらえます。

つまり、メンテナンスによって残っている健康な歯を維持し、失うリスクを大幅に軽減することができるのです。

トラブル時に保証を受けられる可能性が高い

インプラント治療では、患者様の治療後の不安や金銭的負担を軽減するために「保証制度」を設けている歯科医院がほとんどです。この保証というのは、日常生活でインプラントが欠けたり割れたり、抜けたりした場合に、再治療の費用を無料または減額するというものです。

ただし、この保証を受けるための条件として、「定期的なメンテナンスを受けていること」が求められています。つまり、メンテナンスを受けていない場合、保証を受けられない可能性が高いのです。

インプラントは自由診療でただでさえ高額な治療となります。保証が受けられないと金銭的負担も大きくなるため、万が一の不具合に備えてメンテナンスをしっかり受けておく必要があるでしょう。

インプラントのメンテナンス費用と通院頻度

ここからは、インプラントのメンテナンスにかかる費用と通院頻度について説明していきます。

インプラントのメンテナンスの「費用相場」

インプラントのメンテナンス費用の相場は、1回につきおよそ3,000〜5,000円。高い場合でも、基本的には10,000円前後でおさまるのが一般的です。

なお、提示されている料金が1本あたりなのか、複数本まとめてなのかは歯科医院によって異なるため、複数本のインプラント治療を行っている方は事前に確認しましょう。

インプラントのメンテナンスの適度な「通院頻度」

インプラントのメンテナンスを行う頻度は一般的に、インプラント治療後の最初の1年間は3ヶ月ごと、それ以降は4〜6ヶ月ごとのメンテナンスが推奨されています。

しかし、口腔内の状態や使用したインプラントの種類、歯科医師の判断によって、この頻度は変動することがあるでしょう。

歯科医師の指示のもと継続的に行うことが大切ですが、毎月通院しなければならないということはないので、負担もさほど感じないかと思います。

インプラントのメンテナンス費用は高い?保険適用の有無

インプラントは原則として自由診療となるため保険は適応されません。そのため、インプラントのメンテナンスも全額自己負担となり、保険が適用される治療に比べると高額になる傾向があります。また、費用は歯科医院によってバラつきがあるのも現状です。

なお、メンテナンスに通う度にメンテナンス費用もかかってしまいますが、適切な頻度でのメンテナンスは、口腔内の維持やトラブルの早期発見、病状の進行防止のために非常に重要です。追加の治療を未然に防ぐことで、結果的に安く済む場合も大いにあります。

インプラントのメンテナンス費用は「医療費控除」の対象

インプラントの治療やメンテナンスにかかる費用は、医療費控除の対象となる場合があります。医療費控除とは1年間でかかった医療費の合計が10万円を超えた場合、超えた分が控除の対象になり返還される制度です。

ただし、インプラントにかかった治療費すべてが控除の対象になるわけではなく、審美的目的での治療は控除の対象外となります。

また、控除を受けるためには会社員であっても自分で確定申告をしなければいけません。インプラント治療やメンテナンスを受ける際は、適用条件や医療費控除の手続きについても歯科医院に相談してみるとよいでしょう。

インプラントのメンテナンスの具体的な内容・流れ

ここからは、具体的なメンテナンスの内容や流れをご紹介します。

①口腔内の状態をチェック

まずは、口腔内の状態を詳しくチェックすることから始まります。具体的には、以下のようなことを目視で確認しています。

  • インプラントの安定性(ぐらつきの有無)
  • 歯茎の炎症(腫れや出血)の有無
  • 歯と歯茎の間にある歯周ポケットの深さ
  • 歯垢や歯石の蓄積度合い
  • 人工歯とインプラント体の連結に不具合や破損がないか
  • 隣の歯との接触具合

大きなトラブルにつながらないよう、定期的にチェックすることで、問題の早期発見・早期対処が可能となります。

②噛み合わせを確認

インプラントの寿命を長持ちさせる上で、噛み合わせは非常に重要です。もし噛み合わせが悪いと、インプラントや周辺組織に大きな負荷がかかることとなり、その結果インプラントの寿命が短くなる可能性があります。

痛みや違和感などから食事や発音の問題など、日常生活にも支障をきたす可能性も否めません。そこで適切な状態で噛めているかをチェックし、必要に応じて調整されます。

③レントゲン検査

目視では確認できない顎の骨やインプラント体の状態をレントゲン撮影で検査します。

これにより、自覚症状がない場合でもインプラント周辺の炎症や顎の骨の吸収など、状態や異変を詳しく確認することができます。

④ブラッシングの指導

日々のブラッシングはインプラントの寿命を延ばす基本。磨き残しの多い部位のブラッシング方法、デンタルフロスや歯間ブラシの使用方法など正しい方法を教えてもらえます。

インプラントや健康な天然歯の寿命を延ばすためにも適切なブラッシング方法を学び、口腔内を清潔に保つことが大切です。

⑤専門家による歯のクリーニング(PMTC)・歯石除去

インプラントのメンテナンスでは、専用の機器を使用した「PMTC」という歯のクリーニングがおこなわれます。PMTCはセルフケアでは落とせない歯石やバイオフィルムまで適切に除去できる優れものです。

取り外し可能なインプラントの場合は、人工歯を一時的に外してクリーニングすることもあります。いずれも歯科医院でなければ受けられない処置であり、やはりその効果と価値は高いと言えるでしょう。

自分でできる!インプラントのメンテナンスのやり方

ここでは、自分でできるインプラントのメンテナンス方法をご紹介します。

柔らかい歯ブラシで優しく丁寧に磨く

最も大切で基本であるのが「歯磨き」です。

力を入れすぎるとインプラントの表面が傷ついてしまい歯垢がつきやすくなります。そのため、できるだけやわらかめの歯ブラシと研磨剤の入っていない歯磨き粉を使って優しく磨きましょう。

また、歯周ポケットに細菌がたまると歯周炎の原因になるため、歯と歯茎の間も意識して磨いてください。

デンタルフロスや歯間ブラシを使う

歯と歯の隙間の汚れはどうしても歯ブラシでは落としきれません。

そのため、デンタルフロスや歯間ブラシを使いましょう。歯磨き同様、継続的な使用が大切です。

デンタルリンスやマウスウォッシュで清潔に保つ

デンタルリンスやマウスウォッシュは、薬剤を口に含んでゆすぐことで口内を殺菌・消毒できるものです。口臭予防に使われるイメージがあるかもしれませんが、歯と歯茎の隙間にも作用し、インプラント歯周炎を防ぐ効果が期待できます。

ただし、デンタルリンスは口に入れてゆすいだ後に歯ブラシでブラッシングすることが必要など、製品によって使用方法やそれによる効果が異なりますので、必ず使用方法を守りましょう。

また、インプラントを埋め込んだ直後はデンタルリンスを使用できないため、注意が必要です。

インプラントの寿命を延ばすために気を付けたいこと

インプラントの寿命を延ばすため、メンテナンス以外にも気を付けたいことがいくつかあります。気を付けたいポイントをご紹介していきます。

喫煙

喫煙習慣がある方は、たとえ手術が成功してインプラントが結合しても、インプラントの定着が悪い、インプラント周囲炎になりやすいなどのリスクがあります。

非喫煙者に比べてインプラントの寿命が短くなるリスクが増大するため、禁煙するもしくは本数を減らすなど、喫煙習慣を見直しましょう。

歯ぎしり

歯ぎしりや食いしばりはインプラントに強い負荷をかけてしまい、人工歯が欠けたり、破損したり、インプラント歯周炎を引き起こしたりすることがあるため注意が必要です。

そのため、歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、マウスピースを装着するなどインプラントへの負担を減らす対処が必要となります。適切な対処法については歯科医院に相談してみましょう。

生活習慣

日頃のストレスや睡眠不足、運動不足、偏った食生活などはインプラントにも悪影響を及ぼします。生活の乱れにより免疫力が低下すると、細菌感染が起こりやすくなり、歯茎が赤く腫れたり出血したりする場合もあります。

歯茎の健康、お口の健康を守るためにも生活習慣を見直して健康的な食事・生活を心がけましょう。

インプラントのメンテナンスに関するよくある質問

最後に、インプラントのメンテナンスに関するよくある質問にお答えします。

インプラントは30年も使えますか?何年持ちますか?

インプラントは約10~15年持つと言われており、30年以上快適に使用されているケースも稀ではありません。

過去には40年使われたという記録もあり、メンテナンス次第で生涯使い続けられる可能性もあります。長く快適に使用するためにも定期的なメンテナンスを心がけましょう。

インプラントの寿命がきたらどうしたらいいですか?

インプラントの人工歯が折れた、グラグラしていて抜けそうなど、インプラントの寿命がきたと感じたら早急に歯科医師に相談しましょう。

寿命を迎えたインプラントは顎の骨や歯茎、周囲の歯にも大きな負担をかけてしまい、放置してしまうと再治療が難しくなるケースもあります。異変に気付いた場合はためらわず歯科医院を受診してください。

治療法としては、インプラント治療をもう一度行うか、入れ歯やブリッジなどほかの治療法が選択されるのが一般的ですが、お口や顎の骨の状態によってその判断は変わります。

インプラントのメンテナンスをしていないとどうなりますか?

インプラントのメンテナンスを怠ると、歯垢や歯石が蓄積して細菌感染の原因となり、最悪の場合、インプラント周囲炎やインプラントが抜け落ちてしまうことがあります。

インプラントには神経が通っておらず自覚症状がない場合も多いため、定期的な検診やメンテナンスで早期発見・早期対処が重要です。

インプラントのメンテナンスは違う歯医者でも受けられますか?

インプラント治療後に他院でメンテナンスを受けることは可能ですが、すべての歯科医院が受け入れてくれるわけではないため注意が必要です。

インプラント治療は行っているものの、他院で埋入したインプラントのメンテナンスには対応しない歯科医院も少なくありません。

また、インプラントは複数のメーカーがあり、世界的に見れば100種類以上が使用されています。メーカーによって部品の規格やネジの種類なども異なるため、インプラントの種類によって対応可否が変わるケースも多いでしょう。

定期的なメンテナンスでインプラントを生涯のパートナーに!

インプラントのメンテナンスを怠ると、インプラント周囲炎やトラブルに気付くのが遅れ、寿命を縮めてしまう可能性があります。

また、メンテナンスを受けていないとインプラント保証が受けられなくなるため、不安なく快適に使い続けるためにも定期的なメンテナンスを心がけましょう。

自分の歯と同じように噛んだり話したりできるインプラント。メンテナンスを行いきちんと維持できれば生涯のパートナーにもなり得ます!

インプラント治療でお悩みの方、インプラント治療後に関する不安がある方、メンテナンスに力を入れたい方は、ぜひ一度「高田歯科クリニック(杉並区荻窪)」へご相談ください。

カテゴリー:インプラント&歯科ブログ   投稿日:2024年6月12日