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院長 高田 徹

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メーカーによる違いとは?特徴の比較とおすすめを紹介

インプラント治療を受けるとき、どのメーカーの製品か気になる方はいないでしょうか。たとえば家電を買うときには「どのお店で買うか」と同じか、むしろそれ以上に「どのメーカーの製品か」が気になるものではないでしょうか。インプラントの場合も、どのメーカーの製品を使うかが大切です。インプラント治療を受ける前にメーカーについて理解しておくことは、治療の満足度を高めるために役に立ちます。この記事では、インプラントメーカーに関して以下の点を解説します。

-インプラントの4大メーカー-

  • ストローマン
  • ノーベルバイオケア
  • アストラテック(デンツプライシロナ)
  • ジンヴィ(旧名ジンマー・バイオメット・デンタル)

-インプラントメーカーを理解しておいた方がいい理由-

  • クリニックにより取り扱いメーカーが異なる
  • 基本的にメーカー間の互換性がない
  • 実績と品質の目安になる
  • メーカーごとに長所が異なる

-歯科医が見ているインプラントメーカーのポイントとは-

  • 耐久性
  • 固定しやすさ
  • 患者様の負担
  • 審美性
  • 定着しやすさ

インプラント治療を検討中の方はぜひご一読のうえ参考にしてください。

インプラントの4大有名メーカー

インプラントのメーカーは世界中に数多く存在しますが、その中でも多大な信頼を得て広く利用されているトップメーカーが4つあります。その4社はまとめてよく4大メーカーと呼ばれています。以下の4社です。

  • ストローマン
  • ノーベルバイオケア
  • アストラテック(デンツプライシロナ)
  • ジンヴィ(旧名ジンマー・バイオメット・デンタル)

とくに初めの3つをまとめてインプラントの3大メーカーとすることもあります。4社とも海外のメーカーで、日本国内だけでなく世界でのシェアも高くなっています。

そのほか日本で流通しているインプラントメーカー

4大メーカーのほかにもインプラントメーカーは多数存在します。その数は世界で100とも200とも言われ、日本でも30種類以上が流通しています。

4大メーカー以外に日本で製品が流通しているメーカーとしては、韓国のオステム社、日本の京セラ、松風バイオフィックスなどがあります。日本・韓国・アメリカ・スイスなどを中心に、イタリアやドイツなどのメーカーも参入しています。その他格安の製品を製造しているメーカーも存在します。

国内で流通している製品は厚生労働省の認可済みです。しかし患者様の承諾があれば歯科医が輸入して未認可のメーカーの製品を使うこともできます。ただし長期的に見たメンテナンスなども含め、メリット・デメリットの検討が必要です。

全体的な傾向として、歴史が長いのは主に欧米のメーカーです。そのため臨床例なども多くありますが、場合により日本人にはサイズがやや大きいこともあります。逆に日本や韓国などアジア系のメーカーは、比較的新しいメーカーが多い代わりに日本人のサイズに合っているというメリットもあります。

4大インプラントメーカーの特徴と違いを徹底比較

以下の4大インプラントメーカーについて、それぞれの特徴と違いを解説していきます。

  • ストローマン
  • ノーベルバイオケア
  • アストラテック(デンツプライシロナ)
  • ジンヴィ(旧名ジンマー・バイ

順に見ていきましょう。

4大インプラントメーカー|ストローマン

ストローマンはスイスのメーカーで、世界でもトップクラスのシェアを誇ります。ストローマン社の製品は長期の使用に耐えるのが最大の特徴です。それは臨床により科学的にも実証されています。世界的なインプラント学術団体のITI(International Team for Implantology)と提携して、臨床研究や製品開発に取り組んでいます。

製品にはさまざまな技術が活用されていますが、とくにインプラントの表面処理において骨との結合がしやすい点が高く評価されています。

4大インプラントメーカー|ノーベルバイオケア

ノーベルバイオケアは、スウェーデン発祥、現在はスイスに本拠地を置く老舗メーカーです。ストローマンと並び、世界的にトップクラスのシェアを占めています。

骨と結合するインプラントを世界で初めて製品化したパイオニアであり、今もインプラントにおいて革新的な技術を開発し続けるリーディングカンパニーでもあります。たとえば複数本のインプラント化やさまざまなケースに使用可能などのメリットを持つ「オールオン4」という技術の普及に貢献しているのが同社です。

4大インプラントメーカー|アストラテック(デンツプライシロナ)

アストラテックはもともとスウェーデンに本社がありましたが、現在はアメリカのデンツプライシロナ社の傘下となっています。そのため、現在ではデンツプライシロナ社の提供するインプラントシステムと呼ぶのが正確です。

一般にインプラントを埋入すると周辺組織に圧力がかかって骨吸収が起こりやすくなりますが、同社の製品は周辺組織への負担が少ないため骨吸収が少ないのが特徴です。そのほか骨との結合や審美性にも定評があります。

4大インプラントメーカー|ジンヴィ(旧ジンマー・バイオメット・デンタル)

ジンヴィはアメリカのインプラントメーカーで、とくにアメリカ国内で大きなシェアを持っています。歯科分野のほか、脊椎外科領域でも製品を製造・販売しています。もともとジンマー・バイオメット・デンタル社でしたが、2022年の分社化に伴い社名が変更されています。

同社の製品は表面の加工や形状に工夫が凝らされていて結合しやすいほか、短い形状なのに定着しやすいのが特徴です。骨の状態があまりよくないケースでも結合を促進するという報告もあります。

結局のところインプラントのおすすめメーカーは?

詳しくは以下に述べますが、長い目で見ると一定の評価と実績がある大手メーカーがおすすめです。ただしその中で1つに絞るのはやはり難しいと言えます。患者様の骨質や骨量により最適なものを選ぶ必要があり、必要な機能はケースバイケースだからです。

また同一メーカーでもさまざまな製品を出しているため、メーカー単位でひとくくりにもしにくい面もあります。メーカーで選びたい場合は、専門医の判断を仰ぐとリスクを少なく抑えられます。その際は「なぜ自分にはそれが適しているのか」を説明してもらった方が、納得して施術を受けられるでしょう。

インプラントメーカーを理解しておいた方がいい理由

次に、インプラント治療を受ける前にメーカーについて理解しておいた方がいい理由を解説します。以下の理由が挙げられます。

  • クリニックにより取り扱いメーカーが異なる
  • 基本的にメーカー間の互換性がない
  • 実績と品質の目安になる
  • メーカーごとに長所が異なる

1つずつ見ていきましょう。

理由|クリニックにより取り扱いメーカーが異なる

まず、クリニックにより取り扱っているメーカーが異なることが挙げられます。ある意味でクリニック選びとメーカー選びが直結しているのです。

詳しくは次に述べますが、インプラントはメーカー間の互換性が基本的にありません。それゆえメーカーごとに治療に使う器具なども異なることとなります。それを受け管理や技術の精度を保つため、クリニックは取り扱いメーカーをある程度絞っているのです。

そのため、一度治療を受けるとその後は基本的にそのメーカーのインプラントを使い続けることになります。自分が治療を受けようとしているクリニックがどのメーカーの製品を使っているか知っていると、治療や術後のイメージがしやすくなります。製品の特長をもとにメーカーやクリニックを選びたい場合は言うまでもありません。

理由|基本的にメーカー間の互換性がない

基本的にメーカー間の互換性がないことも、メーカーの特徴を理解しておくべき理由の1つです。最も問題になりうるのは、転院せざるを得ない場合です。転院先を見つけるときにどのメーカーか知っておく必要があります。自分にそのつもりはなくても、転勤や引っ越しなどやむを得ない事情で転院を余儀なくなれることもあるでしょう。いざというときのために安心です。

またメーカー間の互換性がないため、一度治療を受けるとそのメーカーのインプラントを使い続けることになります。長い期間快適に使用するためには、慎重に選ぶ必要があります。そのためメーカーの特徴を理解したうえで検討する必要があります。

理由|実績と品質の目安になる

また、メーカーは実績と品質の目安になることも理由の1つです。さまざまなメーカーがありますが、メーカーごとに技術や特徴・特長が異なります。臨床の蓄積があるメーカーもあれば、新しいメーカーもあります。

新しいメーカーが大手メーカーの製品を研究してよい製品を出していることも多くありますが、大手メーカーは実績があります。実績があるということは、評価されているということです。評価されているということは、品質が高いということになります。このように、どのメーカーの製品かは実績や品質の目安でもあります。

理由|メーカーごとに長所が異なる

さらに、メーカーごとに独自の技術を持っていてそれぞれ長所が異なることからも、メーカーを理解する必要があります。たとえば、埋め入れる人工歯根が短くてもしっかり固定しやすいのが特徴のメーカーの場合、通常なら骨増成が必要なケースでもそのまま使えることになります。このように、自分に合った製品を選ぶためにはメーカーに関する理解が必要です。

一人ひとりの口内や歯・骨の状態は異なります。自分の状態に適した特徴のメーカーを選ぶことは長く使い続けるために大切だと言えるでしょう。

インプラントの種類と分類

次に、インプラントの種類と分類について解説します。インプラントは以下の切り口で分類することができます。

  • 構造
  • 素材
  • 表面処理
  • 形状

それぞれの面について、メーカーごとに独自の技術や特徴があります。順に見ていきましょう。

分類|構造

まず、インプラントの構造という切り口があります。構造から見た場合、インプラントは「2ピースタイプ」と「1ピースタイプ」に分かれます。

いずれのタイプも、インプラントは以下の3つのパーツに分けられます。

  • インプラント体…あごの骨に埋め込む人工歯根
  • 上部構造…人工歯
  • アバットメント…インプラント体と上部構造をつなぐパーツ

2ピースタイプは、インプラント体とアバットメントが別々になっているタイプです。1ピースタイプはインプラント体とアバットメントが一体になっています。

1ピースタイプは手術が単純化でき、1回で済むというメリットがあります。しかしトラブルが発生した場合にはインプラントごと撤去しなくてはならない点がデメリットです。

2ピースタイプは、トラブルがあってもアバットメントだけを撤去して修理することができます。手術は1回で済ませることもできますが、2回になることも多くあります。

分類|素材

素材で分類する方法もあります。インプラントで使用されている素材は基本的に次の3つです。

  • 純チタン…ほかの金属が含まれないチタン。骨との結合性が最も高い。ノーベルバイオケア・アストラテックなどで採用
  • チタン合金…純チタンにその他の金属を混合。純チタンと同じく結合性が高い。ストローマン、ジンヴィなどで採用
  • チタン・ニッケル合金…いわゆる形状記憶合金。結合性はチタンに劣るが、成形しやすさが特徴

そのほか、人工サファイヤが使われていた時期もありますが、現在は使われていません。

分類|表面処理

次に、表面処理による分類があります。インプラントは時間の経過とともに骨と結合して一体化します。結合を強化するために、インプラントの表面には加工が施されているのです。加工方法は大きく次の4つに分けられますが、複数の方法を組み合わせるのが一般的です。

  • ブラスト処理…酸化膜を取り除いてざらざらした粗面に加工する
  • 酸処理…ブラスト処理によって生じたブラスト材を、硫酸や塩酸で除去・洗浄する
  • 酸化処理…チタンの表面に酸化チタンを付与、凸凹を作る
  • 機械研磨処理…余計な凸凹を研磨し、多くの部分が骨に接触しやすいよう整える

現在は表面を滑らかにするより粗面にするのが主流になっており、機械研磨処理は一部分のみに使用されます。表面処理はインプラントの安定を左右するため、各メーカーが技術を競い合っている部分です。

分類|形状

インプラント体(人工歯根)の形状による分類もあります。次の4つの形状があります。

  • スクリュータイプ ねじのような形状
  • シリンダータイプ…円筒状でらせんがない
  • バスケットタイプ…らせんがあるが、中が空洞になっている
  • ブレードタイプ…スケートのブレードのような板状

スクリュータイプは主流のタイプで、4大メーカーでも採用されています。まさにねじのようにドリルで回転させながらあごの骨に埋め込みます。初期固定がしやすいとされているのがメリットです。先細りの形状のルートタイプと太さが同じストレートタイプに分けられます。

シリンダータイプはハンマーで埋め込みます。スクリュータイプほどではありませんが、現在も広く使用されているタイプです。らせんがない分、初期固定がやや弱いのが難点です。その欠点をカバーするため、骨と結合させる期間を取る2回法と呼ばれる施術方法で使われます。

バスケットタイプは、近年は使われない傾向があります。適切に埋め入れれば空洞に骨が入り込んで結合力が高まるのですが、インプラント自体の強度が弱いなどのデメリットがあるからです。

ブレードタイプは一部に力が集中しやすく破損などのトラブルを起こしやすいため、近年は使用されていません。

歯科医が見ているインプラントメーカーのポイントとは

最後に、歯科医が見ているインプラントメーカーのポイントを解説します。以下のポイントがあります。

  • 耐久性
  • 固定しやすさ
  • 患者様の負担
  • 審美性
  • 定着しやすさ

歯科医は上記の点を検討して、使用するメーカーを選んでいるということです。言い換えれば、実績の多いメーカーはこれらの条件を満たしているということでもあります。

では、1つずつ見ていきましょう。

ポイント|耐久性

1つめは耐久性です。より具体的には、インプラント自体の強度です。歯ぎしりや食事の負荷にも破損しにくいかどうかを歯科医は見ています。

耐久性を重視して選ぶと、一般に信頼できる大手メーカーの製品になります。格安の製品は耐久性が低いのが普通です。長い目で見ると、コストがかかってもよい製品の方が結局安上がりになります。

そのほか、健康を保ちやすいかどうか、メンテナンスがしやすいかどうかも耐久性に関わります。メンテナンスがしにくいとインプラント周囲炎などのトラブルが起きやすくなり、結局は長く使えないためです。

ポイント|固定しやすさ

次に、施術の際に歯に固定しやすいかどうかというポイントもあります。骨幅・骨量・骨質などは一人ひとり違います。その製品が個々の状態に合うかどうか、どんな状態にも使える汎用性があるかを見ています。

たとえばインプラントの分類で解説したスクリュー型を考えてみましょう。ねじ式で固定しやすいため採用するメーカーが多く、歯科医もそれを評価して採用されています。とくに先細りのルートタイプはその形状が初期固定しやすいため好まれています。形状のほかにも、直径や長さなども固定しやすさに関わる点です。

ポイント|患者様の負担

患者様の負担を軽く抑えられるかどうかも歯科医は検討しています。手術が1回で済む1回法が選べるかどうか、骨との結合にかかる時間が短く治療時間を短縮できるかどうかなどです。骨移植や骨増成をせずに埋入ができるかもポイントです。おもに形状が関わってきます。

施術時だけではありません。施術後のメンテナンスのしやすさとインプラント周囲炎などリスクの予防も、負担を抑えることにつながります。あらゆる点について、患者様の負担軽減を検討しています。

ポイント|審美性

審美性、すなわち自然な見栄えも重要なポイントです。審美性はインプラントのメリットの1つであり、患者様からするとインプラント治療を受ける大きな理由・目的になっていることもあるでしょう。患者様の期待や要望に応える製品かどうかも子細に検討しています。

具体的には、研磨面であるカラー部分の小ささや、治療後の歯肉の安定しやすさなどが挙げられます。

ポイント|定着しやすさ

歯への定着しやすさについても歯科医は専門的な視点からチェックしています。定着しやすさをもう少し具体的に言い換えると、埋入した後にインプラントと骨の結合がしやすいかどうかということです。定着しやすさには、素材や表面処理が深く関係します。

インプラントが長期的に安定すれば、それだけ長い間使うことができます。そのほか骨に結合しやすいと、治療期間を短縮できたり嚙み心地が自然になったりするというメリットも生まれます。

インプラントなら一流メーカーを使用した高田歯科クリニックにご相談を

歯科医は専門的な視点から製品のさまざまな点をチェックして、使用するメーカーを選んでいます。信頼できるメーカーの製品を使用することは、患者様の快適な生活に直接役立つからです。

もちろん、私ども高田歯科クリニックも同じ思いで取り組んでいます。当クリニックでは、この記事でも紹介したストローマン社の製品を使用しています。ストローマン社では基礎研究と臨床実験に約30年という長い年月を費やし、人体に応用してから半世紀近い歴史を持っています。定着率、安心感はNo.1と言ってよいでしょう。

もしも東京で長く使えるインプラントの治療を受けたいなら、杉並区荻窪の高田歯科クリニックにご相談ください。このページの最上部・最下部に連絡先があります。ご気軽にご連絡ください。

カテゴリー:インプラント&歯科ブログ   投稿日:2024年4月1日