インプラントの寿命は?寿命の伸ばし方や寿命がきたときの対処法を解説
更新日:2025年6月14日
失われた歯の機能を回復する目的でインプラント治療を希望する方もいらっしゃいますが、インプラントに寿命があることをご存じない方も少なくないようです。自然歯の代替物ではあるものの、人工物であることに変わりはないので、当然ですが使えなくなってしまうこともあります。
インプラントの寿命と寿命の伸ばし方
- 平均寿命は10年前後
- 術後の定期メンテナンスを受ける
- 歯ぎしり・食いしばりの対処をしておく
- 喫煙者はたばこの本数を減らす・禁煙する
- 毎日の歯磨きを丁寧に行う
インプラントには寿命があると分かったうえで、本記事を参考に上手な付き合い方を知っておきましょう。
1.インプラントの平均寿命は10年前後が一般的
インプラントのメーカーや使用している材質によって多少の差はありますが、日本の歯科医院で採用されているインプラントの平均寿命(耐用年数)は10年前後と言われています。この寿命の基準ですが、一般的には普通に使用していて自然に外れてしまった状態のことを指しています。
また、上部構造と呼ばれる実際に歯の役割を果たす部分の消耗も、インプラントの寿命を判断するうえでは大切な基準になるのです。インプラントを埋め込む部分や埋め込み方によって多少の前後はありますが、だいたい10年が寿命とされています。
しかし、研究結果の中には20年経過して使われているインプラントが全体の7割存在するとするものもあり、長期的に使えることはまず間違いありません。上手に付き合うことさえできれば入れ歯やブリッジのように、使用途中での調整や作り変えが必要ないので、初期費用こそ高額ですが長い目で見ればコストパフォーマンスが高いことがお分かりいただけるでしょう。
1-1.もっとも長く使われたインプラントは約40年
現在使用されているインプラントの原型であるチタンを主としたインプラントは、1965年に初めて応用されました。チタンが骨と接合することを発見したブローネマルク博士によるもので、このインプラントは治療を受けた患者が亡くなるまでの約40年間、何事もなく機能していたのです。登場初期のインプラントであるため、現在ほど加工技術や精密さの面では決していいものではなかったにもかかわらず、40年という驚愕の期間で使われていたのは驚きの事実でもあります。
同時に、インプラントが付き合い方次第では一般的に言われている平均寿命を超えて使用できることがわかる結果にもなりました。現在では最初の患者様が使われていたインプラントよりも精密なものが採用され、治療技術も格段に進歩しています。うまく付き合うことができれば一生ものの存在になりえるのが、インプラント最大の特徴とも言えるでしょう。なお、現代でもインプラントの寿命を少しでも伸ばすための手術や処置の方法が、世界中の研究者の間で行われています。
1-2.インプラントは一生のもの?「半永久的」であって「永久」に使えるわけではない
コストパフォーマンスの面で見れば、入れ歯やブリッジよりも圧倒的優位に立っているかのように見えるインプラント。顎の骨に直接埋め込むため、頑丈といえば頑丈ですが、間違っても永久に使えるわけではないことを忘れてはいけません。大前提としてインプラントには寿命があり、「半永久的」には使うことができると解釈しておきましょう。
インプラントは顎の骨にインプラント本体を埋め込み、その上からアバットメント・上部構造を固定させます。特に上部構造はセラミック製で、使用している年数が長くなればなるほど劣化をしていきます。また、インプラント周囲炎などの病気によってインプラントが土台から揺らいでしまうこともあるのです。虫歯にこそならないものの、何かしらの事情で寿命を迎えてしまうことは残念ながらゼロではなく、その期間が10年といわれているのです。
ただし、一方でインプラントと長く付き合うために必要な治療法の確立や、手術後のメンテナンスの技術の研究は日夜続けられており、基本的に歯科医師の指示に従っていれば10年以内で寿命を迎えることはそうそうないでしょう。とはいえ、永久に使えるわけでないこともまた事実。インプラントを入れた=永久に自分の葉として使えるわけではないので注意しましょう。
1-3.入れ歯やブリッジとの寿命の比較
歯を失った際の治療法には、インプラントだけではなく入れ歯やブリッジも選択肢として挙げられます。下記では、それぞれの平均寿命を表しています。
寿命 | |
インプラント | 10年前後 |
入れ歯 | 5~6年 |
ブリッジ | 7~8年 |
比較表の通り、3つの中でインプラントの寿命が一番長く、入れ歯が一番短いことが分かるでしょう。インプラントは自費診療のため費用が高額になりますが、長期的に安定性を保ちながら使用し続けられることから、費用帯効果が高い治療と言えます。
一方、入れ歯やブリッジは保険適用のため、インプラントと比べて安価であることから選ばれる患者様が多い治療法ですが、他の歯への影響や定期的なやり替えが必要になることを理解しておかなければなりません。
1-4.前歯と奥歯の寿命の違い
前歯と奥歯のインプラントの寿命は、基本的にほとんど変わりはありません。歯並びや噛み合わせなどお口全体の状況によって寿命は前後しますが、前歯も奥歯も適切にメンテナンスとセルフケアを行えば、10年以上安定して使用できるケースが多いです。
特に、前歯の場合は見た目や発音などへの影響が大きいため、より丁寧なブラッシングや歯科検診が求められるでしょう。歯ぎしりなど生活習慣の見直しや噛み合わせの調整も長持ちの秘訣です。中には20年以上使える例や、30年以上トラブルなく維持されているケースも報告されています。
2.インプラントの寿命を伸ばす方法
高度な医療技術をもってしても永久に使えるわけではないインプラントですが、患者様の心がけ次第で寿命を伸ばすことはできます。少しでも長くインプラントと付き合っていくためにはとても大切なことです。当たり前と思われることも含めて整理すると、以下の3点を意識すると、インプラントの寿命を伸ばすことができるでしょう。
- 信頼できる歯科医院・インプラントメーカーを選ぶ
- セルフケアを怠らない
- 術後の定期メンテナンスを受ける
- 歯ぎしり・食いしばりの対処をしておく
- 喫煙者はたばこの本数を減らす・禁煙する
- 噛み合わせを調整する
2-1.信頼できる歯科医院・インプラントメーカーを選ぶ
インプラント治療の寿命は、歯科医院や選ぶメーカーに大きく左右されます。世界的に使われている信頼性の高いメーカーを選択することで、一定の安全性や品質が担保され、結果的にインプラントの長持ちにつながります。
また、治療を任せる歯科医師の経験や技術力も非常に重要です。事前のカウンセリングを通して、不安や疑問点を解消し、納得のいく治療計画が立てられる歯科医院を選びましょう。安易に価格だけで選ばず、実績や説明内容、使用する機器などもしっかり確認することで、より安心してインプラント治療を受けることができます。
2-2.セルフケアを怠らない
インプラントを長く健康に保つためには、日々のセルフケアが欠かせません。インプラントは虫歯にはなりませんが、歯周病のリスクはあります。
特に「インプラント周囲炎」と呼ばれる炎症は、インプラントの寿命を縮める大きな原因となります。毎日のブラッシングに加え、デンタルフロスや歯間ブラシを使い、インプラントや歯ぐきの周囲を丁寧に清掃しましょう。
セルフケアの徹底により、口腔内を清潔に保つことができ、細菌感染の予防に繋がります。年に数回の歯科医院での定期メンテナンスと併せて、自宅でのケアを怠らないことが、インプラント寿命を伸ばす土台となります。
2-3.術後の定期メンテナンスを受ける
インプラントの治療がすべて終わると、歯科医師から術後に気を付けることと合わせて、最低でも年2回のメンテナンスを受けるよう指導を受けます。インプラントと長く付き合いたいのであれば、指示に従ってメンテナンスを受けてください。
インプラントは自然歯に近い役割を果たし、顎の骨に埋め込まれているとはいえ人工物。いつどんな原因で不調を起こしてしまったり、寿命を迎えたりするかわかりません。特にインプラント特有の病気であるインプラント歯周炎になっていないかのチェックは欠かすことができず、定期的にメンテナンスを受けておくだけで防ぐことができたりもします。
年に2回、半年に1回のサイクルですので必ずメンテナンスを受けましょう。不調が出てしまってからでは間に合いません。
2-4.歯ぎしり・食いしばりの対処をしておく
インプラントは土台が埋め込まれているためしっかりしているイメージを持たれがちです。しかし、実際には極端な負荷がかかることに弱く、場合によっては脱落の原因になっています。歯ぎしりや食いしばりのクセがある人は特に注意が必要で、無意識のうちに顎に力をかけ続ける結果、ある日突然インプラントが脱落してしまうこともあります。逆に言えば、歯ぎしりや食いしばりに対処をすれば、ある程度インプラントの寿命を伸ばすことができるのです。
ただ、、歯ぎしり・食いしばりは無意識にしてしまう方・寝ている間にしている方もいて対策が難しいクセでもあります。歯科医師と相談の上にはなりますが、マウスピースを導入してみてもいいでしょう。
2-5.喫煙者はたばこの本数を減らす・禁煙する
インプラント治療を受ける前の段階で歯科医師から指導があるかとは思いますが、喫煙習慣があると、インプラント治療と術後の維持が難しくなる可能性があります。喫煙習慣がある人はインプラント治療を受ける前からたばこの本数を減らすか、可能であれば禁煙に取り組みましょう。
喫煙習慣がある人がインプラント治療を受けると、非喫煙者よりもインプラントと骨が接合するのに時間がかかるといわれています。また、喫煙によるほかの病気の可能性も指摘されており、インプラント治療を受ける前からたばこを制限する必要があるでしょう。予算が許せば、禁煙外来と同時に治療を進めることをおすすめします。
2-6.噛み合わせを調整する
インプラントの摩耗や噛み癖、歯ぎしりなどによって日々噛み合わせは少しずつ変わっていきます。その変化を見逃してしまうと、次第にインプラントに過度な力が加わり、トラブルを引き起こしてしまいます。
そのため、噛み合わせに違和感がある場合には、早めに歯科医院を受診し、調整してもらいましょう。
なお、定期的なメンテナンスでは、噛み合わせのチェックも行っています。前述した通り、術後のメンテナンスには定期的に通い、トラブルを未然に防ぐことが大切です。
3.インプラントの寿命を縮める原因
インプラント治療は、うまく付き合えば半永久的に付き合うことができます。しかし、付き合い方や歯科医院の選び方を間違えてしまうと、インプラントの寿命を縮めてしまう可能性もあるのです。主な原因は以下の3点です。
- 感染症になってしまう(インプラント周囲炎)
- 料金だけで歯科医院を選んでしまう
- 負荷がかかるシーンが多い
- 日頃のメンテナンス不足
- 喫煙
3-1.感染症になってしまう(インプラント周囲炎)
インプラントの手術を行うときは、無菌やそれに近い環境で行われます。原因は切開した箇所には感染症を引き起こす菌が入りやすいため、無菌状態かそれに近い環境での処置が必要です。また、手術で使用する機器の衛生面も徹底されています。
しかし、何かしらの原因で手術した箇所に菌が入り込み、治療後にインプラントが脱落してしまうインプラント周囲炎になる可能性もあるのです。インプラント周囲炎は治療後に発症することもあり、治療を受けた以上は無縁では過ごせない感染症です。定期的なメンテナンスを受けていればある程度防ぐことはできますし、日頃のケアも大事になります。歯科医師の指示と指導に従うことで、インプラントの寿命を縮めずに済むでしょう。
3-2.料金だけで歯科医院を選んでしまう
インプラント治療にかかる費用の相場は30~45万円/本といわれています。多少の差はありますがおおよそこの価格に収まることが多いのですが、なかには10万円/本以下の料金設定をしている歯科医院もあります。いわゆる「格安インプラント」と呼ばれるもので、価格だけ見れば魅力的に感じる方もいるでしょう。
しかし、格安には格安なりの理由があります。使用しているインプラントが国内未承認であったり、問診やカウンセリングがなかったりと、およそ安全性が確保されていない場合も珍しくありません。執刀医の経験が浅い可能性もあるので、格安インプラントは避けることをおすすめします。すべてが危険というわけではありませんが、インプラント治療を受ける歯科医院はじっくり選びましょう。詳しくはこちらの記事で解説します。
3-3.歯ぎしりや食いしばりなど負荷かがかかるシーンが多い
歯ぎしりや食いしばりと同じですが、負荷がかかるシーンが多いとインプラントの寿命を短くする可能性もあります。寝ている間はマウスピースなどである程度負担を減らすことはできます。しかし、普段から力仕事をしていて歯を食いしばる人は要注意です。知らず知らずのうちにインプラントに負荷をかけてしまい、脱落の原因にもなります。
特に治療してすぐに力仕事をしたりすると、インプラントが脱落する可能性が高くなります。もし可能であれば、治療後1~2週間はデスクワークに切り替えてもらうようにしましょう。できなければ、マウスピースをするなどで負荷がかかりにくいようにすることをおすすめします。
3-4.日頃のメンテナンス不足
インプラントを長持ちさせるためには、毎日の口腔ケアが欠かせません。歯磨きを怠ったり、歯科医院での定期検診を受けなかったりすると、インプラント周囲炎という病気を引き起こすリスクが高まります。
汚れや細菌が長期間お口に溜まると、炎症が急速に進み、最悪の場合はインプラントが抜け落ちてしまうケースもあります。こうしたリスクを避けるためにも、毎日の丁寧なブラッシングを心がけ、定期的なプロによるメンテナンスにも通うようにしましょう。
3-5.喫煙
タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させるため、歯茎や顎の骨に十分な血液や栄養が届きにくくなります。これにより、手術後の傷の治りが遅れたり、インプラントと骨の結合がうまく進まなかったりする恐れがあります。
また、喫煙によって唾液の分泌が減り、細菌が増殖しやすい環境ができてしまうため、インプラント周囲炎のリスクも高まるでしょう。さらに、有害物質が免疫機能の低下を招くため、口内の細菌感染に対する抵抗力も弱まります。
インプラントの健康を守り、寿命を長く保つためにも禁煙をおすすめします。
4.インプラントが寿命がきたらどうする?
一般的にはインプラントの寿命は、根元から脱落した場合を指します。上部構造は、仮に欠けてしまったとしてもその部分を取り替えたり、修理したりすれば元に戻ります。しかし、根元から脱落してしまった場合は再手術が必要です。もし寿命を迎えてしまった場合は有償での再手術が必要になりますが、保証期間内であれば無料で再手術を受けることもできるのです。
4-1.まずは歯科医院を受診!保証期間内なら無料で対応してもらえる
インプラントメーカーによって異なりますが、インプラントには保証期間が設けられています。おおむね5~10年が標準的な期間であり、一般的なインプラントの寿命とも合致します。もし保証期間内にインプラントが脱落してしまった場合は、治療を受けた歯科医院に相談することで、無料で再治療をしてもらうことができるのです。ただし、保証期間内にインプラントが脱落することはあまりありません。治療の仕方が不十分であったり、外的な要因が起こらない限りは起こりにくいのです。
また、インプラントの種類によっても保証の期間が変わる場合もあります。一般的なインプラントは、インプラント・アバットメント・上部構造の3つからできています。しかし、なかには上部構造とアバットメントが一体になったものもあり、このタイプのインプラントの寿命は5年と短めに設定されていることが多いのです。
ちなみに当院では、ストローマンインプラントを使用しており、保証期間も10年となっています。
4-2.メンテナンスを受けない場合は保証適用外になることも
保証期間が設けられているものの、きちんとメンテナンスを受けていない場合は保証適用外になり無料で再手術ができなくなる場合もあります。メーカー側はあくまでも治療後のメンテナンスを受けていることが前提で、それでも脱落が起きた場合にのみ適用されるものです。どんな条件でも無料で保証してもらえるわけではありません。
保証適用外と判断されると、イチから手術しなおす必要があり、新たに治療を受けるよりも治療費が高額になってしまうこともあります。メンテナンスを受けることは、保証を受けるためには最低条件です。歯科医院ごとに違いますが、最低でも年に2回のメンテナンスを必ず受けてください。
インプラントを大切にしていない人に無料で再手術を適用しても、同じように保証期間内に脱落させてしまう可能性もあります。インプラントそのものの値段も高いので、必ず歯科医師の指示に従って付き合うようにしましょう。それでも脱落してしまう場合のみ、保証が適用されることを覚えておきましょう。
4-3.寿命を迎えたインプラントの交換費用
インプラントの交換費用は治療内容や交換する部品によって異なりますが、人工歯部分を交換する場合、約5万~15万円程度が費用相場です。インプラント体(人工歯根)やアバットメント(土台)の交換にも、通常の料金がかかってくるでしょう。
なお、インプラントには保証制度を設けている歯科医院がほとんどです。そのため、保証期間内に寿命を迎えた場合には、無料もしくは比較的安価に交換することができます。
ただし、保証を適用するためには条件を設けている歯科医院も多いため、事前に確認しておきましょう。
5.採用しているインプラントメーカーも参考に
歯科医院によって採用しているインプラントメーカーが異なります。日本では一般的に、ストローマンインプラントやノーベルインプラント、京セラのインプラントが採用されていることが多いです。それぞれに特徴があるのはもちろんのこと、保証期間や保証内容が少しずつ異なることもあります。治療を依頼しようと思っている歯科医院がどのメーカーのインプラントを採用しているのかを確認し、その特徴を押さえておくといいでしょう。
当院ではストローマンインプラントを採用しています。安全性の高さはもちろんのこと、耐用年数が長いことも実証されており、長く使用していただくことができるインプラントです。当然、術後のメンテナンスは必須ですが、ほかのメーカーのインプラントよりも信頼性が高いことは間違いありません。気になる方は、ぜひ一度当院までお問い合わせください。
6.「インプラント 寿命」に関するよくある質問
インプラントにも寿命があり、適切なケアをせず放置してしまうと、思わぬトラブルにつながることもあります。
ここでは「インプラントの寿命」に関して、よく寄せられる質問について分かりやすく解説します。安全かつ長くインプラントを役立てるための知識として、ぜひ参考にしてください。
6-1.インプラントは何年持つ?30年使えますか?
インプラントの平均寿命は、10年~15年程度と言われていますが、日頃のセルフケアや定期的なメンテナンスによっては、20年~30年と平均寿命よりも長く使用し続ける場合もあります。
インプラントは、適切なケアによって寿命を伸ばすことが可能なため、自宅での丁寧なブラッシングや定期的なメンテナンスで口腔内を清潔に保つことを心がけましょう。
6-2.インプラントは何年で交換しますか?
インプラントの一般的な平均寿命は10年~15年程度ですが、この年数が経ったからと言って必ず交換しないといけないということではありません。基本的に、インプラントにトラブルが起きていなければ、平均寿命を超えても使用し続けることができます。
ただし、適切なケアやメンテナンスを怠ってしまうと平均寿命を待たずして、寿命を迎えることもあります。そのため、できるだけ長く使い続けられるよう、口腔ケアや定期検診を徹底しましょう。
6-3.インプラントの20年残存率はどのくらいですか?
20年以上経過したインプラント患者のアンケート調査によると、インプラント治療後20年経過した患者さんの約78%が「問題なく使えている」と回答しています。
インプラントの平均寿命は10年~15年程度と言われていますが、この結果から10年以上インプラントが安定している人であれば、20年を超えて使い続けられる可能性は非常に高いと言えるでしょう。
6-4.インプラントの寿命がきたと、何をもって判断しますか?
インプラントの寿命がきたかどうかの主な判断基準は、インプラント周囲の腫れや赤み、咬合時の痛みや違和感、インプラントがグラつくといった症状が見られる場合です。こうした変化は、インプラント周囲炎やインプラント体自体の構造的な問題を示していることが多く、早急な対応が求められます。
また、上部構造(人工歯)が緩んだり破損した場合も、修理や交換が欠かせません。インプラント体が脱落したり、支えている骨の吸収が進んで再手術が必要となるケースもあるため、異常を感じたときは早めに歯科医師へ相談することが重要です。
7.インプラントの寿命は手術後の行動で決まる
インプラントの寿命は、術後の経過や付き合い方で変わります。最初の患者様が40年も同じインプラントのまま過ごせたように、半永久的に使うこともできます。一方で、間違った付き合い方をしていれば短命で終わる場合も。インプラントも万能ではないことを念頭に置いたうえで、少しでも長くインプラントと付き合えるようにしましょう。
これまでご紹介してきた通り、インプラントの寿命を長く保つためには、術後の適切なセルフケアや定期的なメンテナンスで口腔内の環境を清潔に整えておくことが重要です。また、インプラントに違和感があったり、トラブルが起きた時には放置せず、早めに歯科医院へ受診することが必要です。これらの点を念頭におき、少しでも長くインプラントと付き合えるようにしましょう。
高田歯科クリニック(杉並区荻窪)では、インプラントが長持ちするよう患者様一人一人に合わせた口腔内のケアやご提案を行っております。インプラントについて気になることや不安に思われることがありましたら、ぜひ一度当院へご相談ください。
※本コラムはあくまで一般的な情報として説明しております。高田歯科ではコラム内容で触れてはおりますがあえて対応していない内容もございますが、ご来院いただく患者様に合わせて最適なインプラント提案をさせていただいておりますので、まずは相談ください。
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カテゴリー:インプラント&歯科ブログ 投稿日:2021年10月1日