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インプラント治療は痛い?痛みの原因と理由、異常な場合の判断方法まとめ

更新日:2025年6月14日

インプラント 患者

インターネットでインプラント治療のことを調べていると、ときどき「痛かった」という口コミを見かけることもあるでしょう。「痛い治療」は歯科特有のイメージでもありますが、痛みの種類によっては適切な対処が必要になるケースもあります。一時的な痛みなのか、異常がある痛みなのかを知っておき、すぐに対処できるようにしておくといいでしょう。

インプラント治療の「痛み」の原因

  • 麻酔注射の注射針
  • 外科手術中の麻酔切れ・麻酔の効きが悪い
  • 抜糸
  • 手術後、麻酔が切れたあとの痛みや腫れ、出血

※術後1~2週間経っても痛みが引かない場合は、速やかに医師に相談を

本記事では、インプラント治療に関係する痛みに関わる内容を解説します。

1.インプラント治療で痛みを感じるシーンと原因

外科手術が必要な治療なので、インプラント治療では何かしらの痛みを伴います。切開や縫合はもちろんのこと、顎の骨に穴を空けたり、インプラントを埋め込んだりする関係で、勝手に「痛い」と思い込んでいる人もいるようです。

また、術後に痛みが出てくることもあります。次に紹介する痛みを感じるシーンと理由を知って、対処できることはないかを知っておきましょう。

2.インプラント治療中の痛みの原因

治療中にはあまり痛みを感じないような処置がされますが、痛みに神経質な人はどんなに些細な痛みでも気になってしまいます。痛みの大小に限らず、インプラント治療で痛みを伴う内容は次の3つです。

  • 麻酔注射のとき
  • 外科手術のとき
  • 抜糸の時

中には対処できる場合とそうでないものもありますが、なぜ傷むのか、どんなときに傷むのかを知り、心の準備をしておきましょう。

2-1.麻酔注射のとき

基本的に表面麻酔をするので麻酔は全く痛くありません。

大前提として、インプラント治療は外科手術なので麻酔なしで行うことはありません。切開・縫合を伴う治療なので当たり前ですが、その痛みを止めるために麻酔をします。処置に生じる痛みをとるために麻酔をします。痛みの原因は注射針麻酔であり、一瞬で終わることがほとんどです。適切な表面麻酔であればそれもありません。しかし、この注射ですら嫌な方もいるでしょう。痛みとは異なりますが、先端恐怖症の方も同様です。

どうしても注射による麻酔が嫌な場合は、別の方法で麻酔をすることもできます。注射に抵抗があれば、事前に別の方法で麻酔ができないかを歯科医に確認しておきましょう。歯科医院によっては対処できる場合もあります。

2-2.外科手術のとき

「麻酔しているのに痛みが走るのか?」と心配になった方もいるでしょうが、絶対痛みがないとは限りません。麻酔を同じ量で使用しても、効果の持続時間が異なることもあります。また、場合によっては麻酔の効きが悪いため、手術途中で切れてしまう可能性も考えられます。麻酔は万能ではありませんが、手術中に切れてしまうのは避けたいところです。

痛みに敏感な方や、麻酔が手術中に切れるのを防ぎたい方は、手術前に歯科医に相談しましょう。麻酔をよく効かせてほしいと伝えておくと、医師のほうで調整してもらえることもあります。

2-3.抜糸のとき

インプラント治療で行われる外科手術が終わると傷口が縫合され、およそ1週間後に抜糸となるでしょう。治療後は鎮静剤が処方されるため、痛みを伴うことは少ないでしょうが、この縫合した糸を抜く際にわずかに痛みを伴うこともあります。

痛みと言ってもチクチクする程度であり、それほど時間のかかる作業でもありません。また、抜糸の際には麻酔も使用されません。どうしても不安がある人は歯科医に相談することをおすすめします。

稀に、抜糸前に痛みを感じる人がいます。これは糸に対する違和感を痛みと感じている場合であり、抜糸を済ませてしまえば痛みはなくなるでしょう。

2-4.怖い人は歯科医に相談を

インプラント治療に関わらず、外科手術で発生する痛みは患者様のほうではどうにもできません。どうしても痛みを感じるのが嫌な場合は、手術前に歯科医師に相談してどう対処してもらえるのかをしっかりと確認しておきましょう。

抜糸のときは難しいかもしれませんが、麻酔の方法や外科手術で使う麻酔の内容や量を替えてもらえる可能性もあります。また、手術そのものの方法を検討してくれる歯科医師もいるので、ひとりで悩まずにまずは歯科医師に相談をしてください。

当院では、手術の際に麻酔科の医師にも入ってもらいます。患者様の容態や麻酔の効き具合を見ながら、痛みを感じないよう、麻酔で不調をきたさないよう配慮をしているので、安心して治療を受けてもらうことができるのです。

3.インプラント治療中の痛みを緩和する処置

インプラント治療は外科手術を伴う処置です。それでも快適にインプラントをしたいという人は別の方法があります。治療中の痛みを緩和する方法は、一般的には麻酔ですが、中にはより高度な緩和技術を有している歯科医院もあります。

3-1.「痛い」と感じない?「静脈内鎮静法」とは?

インプラント治療は麻酔を行うため、術中に痛みを感じることは基本的にありません。ただし、骨を削るときの振動などの不快感はあるため、その点は理解しておきましょう。

また、インプラント手術は局所麻酔をすることがほとんどですが、歯科治療に対して極度に不安を感じる方や痛みが苦手な方には、静脈内鎮静法を採用することがあります。

静脈内鎮静法とは静脈内に点滴で鎮静剤を投与する方法です。意識を完全に失うことなく、うとうとと眠っているような状態になり、気が付いたころには手術が終わっているため、痛みを避けたい人にはおすすめといえるでしょう。

当院でも「静脈内鎮静法」を採用しており、患者様の痛みや不快感を緩和しています。専門の麻酔医監視のもとで、患者様の容態を見ながら手術を進めていくのでご安心ください。

4.インプラント治療後の痛みの原因

4-1.インプラント手術後

麻酔が効いており、比較的痛みを感じにくいのが手術中の痛みでした。しかし、インプラント治療後に痛みを感じることもあります。インターネットに書き込まれている「痛み」に関する口コミのほとんどがこれに該当するでしょう。

一般的に、インプラント治療後1~2週間程度は痛みや腫れが残る可能性があります。出血を伴う場合もありますが、どちらも一時的なものであり痛みや腫れ、出血は自然と止まります。インプラント治療に伴う外科手術後には鎮静剤も処方されるので、耐えられないほどの痛みが走ることはあまりないでしょう。しかし、もし痛みや腫れが引かない、出血が止まらない場合は速やかに歯科医に相談して適切な処置を受けてください。

4-2.骨造成をした場合の手術後の痛み

インプラント治療を成功させるためには、骨量が十分にあることが欠かせません。そのため、骨量が少ない場合には骨造成(骨を増やす手術)を行う必要があります。

骨造成は通常のインプラント治療よりも手術範囲が大きくなる場合もあり、術後3日~10日程度は痛みや腫れが続くことがほとんどです。骨や傷口の治癒がスムーズに行われるよう、術後は安静にするとともに抗生剤の正しい服用を心がけ、痛み止めも活用しましょう。

ただし、痛みや腫れが長期間続く場合は感染症などのトラブルを引き起こしていることが考えられるため、すぐに歯科医院を受診してください。

4-3.インプラント治療から数年後の痛み

インプラント治療における痛みは、手術直後だけではなく、数年経ってから痛みが現れることがあります。痛みの原因としては、下記の4つが挙げられます。

  • インプラント周囲炎
  • 噛み合わせの変化
  • インプラントと骨の間のひび割れ
  • アバットメントのネジの緩み

4-3-1.インプラント周囲炎

インプラント周囲炎はインプラントの周りの組織が炎症を起こし、痛みや腫れ、骨の吸収を引き起こす病気です。初期の場合は自覚症状がなく、進行するとインプラントの動揺や脱落につながる恐れもあるのです。

インプラント周囲炎の原因は、主に歯垢や歯石のため、日頃から丁寧なセルフケアを行い、口腔内を清潔に保つよう心がけましょう。

4-3-2.噛み合わせの変化

日々の食事や噛み癖などにより、インプラントを埋入した直後とは噛み合わせが変わることがあります。すると、インプラントだけではなく、他の歯にも過度な力が加わり、痛みなどのトラブルを引き起こすことがあります。

噛み合わせは時間とともに変化するため、定期的なメンテナンスでチェックしてもらいましょう。また、不具合がある場合には歯科医院にて噛み合わせの調整をすることが大切です。

4-3-3.インプラントと骨の間のひび割れ

インプラント体とその周りを支える骨の間にヒビが入ると、強い痛みや違和感が出現しやすくなります。

インプラント体や周囲の骨は過度な力や歯ぎしりなどがきっかけでダメージを受けることがあり、特に長期間使用している場合や骨の強度が低下している場合にリスクが高まります。この状態を放置すると、インプラントの安定先が失われ、さらに症状が悪化することもあるため注意しなければなりません。

異常を感じた際は放置せず、すぐに歯科医師に相談しましょう。

4-3-4.アバットメントのネジの緩み

アバットメントはインプラント体と人工歯を連結する重要なパーツであり、長期間噛み合わせの力がかかることで、金属疲労が生じてネジの緩みが発生することがあります。

ネジの緩みが起きることで、インプラント部分に揺れを感じたり噛む時に痛みが出たりします。もし食事中に違和感やぐらつきを感じた場合には、すぐに歯科医院でチェックを受けましょう。

早期にネジの締め直しや必要に応じたパーツ交換を行うことで、インプラントの安定性や快適性を保つことができます。

関連記事:インプラント治療後「噛むと痛い」「違和感がある」のはなぜ?その原因と対処法

5.インプラント手術後の痛みをできるだけ防ぐ方法

治療中の痛みは患者様のほうではどうにもできませんが、手術後の痛みは患者様自身で気をつけないと痛みにつながることもあります。手術後に歯科医師からの説明もあるはずですが、手術後すぐに気をつけることは次の5点です。

  • 食事・飲み物
  • お風呂
  • 運動
  • 歯磨き
  • 禁煙

インプラント治療後すぐは特に意識して医師の指示を守るようにしておきましょう。

5-1.食事・飲み物の制限

手術後すぐは麻酔が残っている状態なので、飲食は控えてください。口がうまく動かないため、口に入れたものをこぼしてしまう可能性があります。また、熱さを感じにくいため、やけどの原因にもなることもあります。飲食は、完全に麻酔が切れるのを待ってからにしましょう。

食べるものはお粥や麺類など、柔らかいものを召し上がってください。インプラントが埋め込まれたあとの状態では、その部分で食べ物を嚙んではいけません。顎の骨と接合するのを待っている状態なので、ずれてしまったり、痛みが出たりすることもあります。また、飲み物に関しては特に制限はありませんが、出血が止まらない可能性もあるので手術後2~3日は飲酒を控えてください。痛みや腫れが治らなくなる原因にもなります。飲食は生活では欠かせない活動なだけに、歯科医師の指示通りにしっかり従うようにしましょう。

5-2.お風呂の制限

インプラント治療後では、お風呂をはじめとする入浴に関しても制限がかかります。飲食ほど厳しいものではありませんが、歯科医師の指示を守らなければ、痛みや腫れが引きにくくなる可能性もあるのです。手術後1~2日は、湯船に入ったりサウナに入ったりしてはいけません。家の浴槽だけではなく温泉も同様です。入浴はしばらくのあいだ、シャワーだけになります。

また、シャワーも温度には注意が必要です。熱めのお湯でシャワーをすると、身体全体の血行がよくなってしまい、痛みや腫れにつながる可能性もあります。普段よりもぬるめのお湯でシャワーをする必要があるので、温度設定に注意しましょう。傷の状態が落ち着いたあとであれば浴槽に入ってもいいですが、治り具合には個人差があるので、もし違和感を感じたらシャワーに戻して様子を見てください。

5-3.運動の制限

健康志向の高まりから運動を生活の中に取り込んでいる人もいるでしょうが、インプラント治療後2~3日は、ジョギングなどの軽い運動を含めて控えるようにしてください。

アルコールやお風呂の制限と同じく、血の巡りがよくなることで手術箇所に痛みや腫れが発生する場合もあります。

水泳やサッカーのような、運動量の多いものはさらに長めの1週間を目途に避けることをおすすめします。

  • 仕事はデスクワーク中心にする、家事は軽めに終わらせられるようにするなど、なるべく身体を動かさない工夫をしましょう。
  • もし、仕事の関係上身体を動かさないことが難しいのであれば、長期休みや連休の前に治療をするなど、手術をする時期に工夫が必要です。
  • また、免疫力が落ちてしまうような疲労や睡眠不足は、傷の修復が遅くなるのでできる限り身体を休ませられるタイミングが望ましいでしょう。

5-4.歯みがきは患部を避けてやさしく

インプラント手術後は、傷口が非常に敏感な状態です。歯磨きなどの刺激が加わることで出血したり、傷口の治癒を遅らせてしまったりすることにもつながります。

そのため、抜糸するまでは患部に歯ブラシを当てるのは避け、患部周りも優しく磨くことを心がけましょう。

5-5.飲酒・喫煙を控える

飲酒や喫煙は血流に影響を与え、傷口の治癒やインプラント体と骨の結合のスピードを遅らせてしまう原因となります。そのため、手術後の飲酒や喫煙は控えるようにしましょう。

また、喫煙は血行不良を招き、インプラント周囲炎を進行させる原因の一つです。インプラント周囲炎は、インプラント周辺の組織が炎症を起こし、重症化するとインプラントの動揺や脱落のリスクを高める病気です。インプラントを長持ちさせるためにも、喫煙は術後に限らず、禁煙もしくは減煙することを心がけましょう。

6.【異常な痛みの判断方法】手術後1~2週間経っても痛みがあるなら医師に相談を

個人差はあるものの、手術後1~2週間で痛みや腫れは引いていきます。

しかし、まれに治りが遅く、いつまでたっても痛みや腫れが引かない方もいます。

もし治りが遅いと感じた場合は、速やかに手術を受けた歯科医院に相談をし、対処をしてもらいましょう。

原因は個人によって異なりますが、おおよそ次のことが考えられます。

  • 鎮静剤などの薬が合っていない
  • 手術した部位周辺に問題が発生している

特に警戒したいのは、手術した部位周辺に問題があるかどうかです。縫合しているとはいえ、隙間から菌などが入り込める状態なので、感染症に罹患していおる可能性も考えられます。とりわけ「インプラント歯周炎」になってしまうと、進行の早さと対処の難しさから手遅れになってしまう可能性もあるでしょう。少しでも異常を感じた場合は、すぐに歯科医師に相談をしてください。

感染症にかからないためには、口の中を清潔に保必要があります。歯ブラシでこすりすぎると傷がつく可能性もあるので、歯ブラシ以外の器具も使いながら歯磨きをしましょう。

7.インプラント治療完了後の痛みを防ぐ方法

インプラントは治療を終えたら全て終わりというわけではありません。治療完了後のケアをしっかり行うことで痛みなどのトラブルを未然に防ぐことができるのです。

下記では、インプラント治療完了後の痛みを防ぐ方法について詳しく解説します。

7-1.日頃の口腔ケアを徹底する

インプラントは虫歯になることはありません。しかし、インプラント部分は汚れが溜まりやすく、日頃の口腔ケアを怠ってしまうとインプラント周囲炎を引き起こすリスクが高まります。

歯磨きのポイントとしては、歯茎を傷つけないよう優しく歯ブラシを当てて磨くことです。また、フロスや歯間ブラシ、洗口液などのプラスケアを活用しながら、口腔内を清潔に保つことを意識しましょう。

7-2.定期的なメンテナンスに通う

どんなに日頃の口腔ケアを丁寧に行っていたとしても、日頃の歯磨きだけでは落としきれない歯垢や歯石が存在します。そのため、定期的に歯科医院でのメンテナンスで、クリーニングを受けるようにしましょう。

また、定期的なメンテナンスではインプラントに不具合が起きていないかのチェックや噛み合わせなどの調整も行います。何らかのトラブルが起きた時には早期治療ができるため、歯科医院が推奨するペースで通うことが大切です。

7-3.違和感があればすぐに歯科医院を受診する

インプラントを使用する中で、痛みや出血、動揺や噛み合わせの違和感などがある場合には、インプラントに何らかの不具合が起きている可能性があります。

放置すると、症状の悪化やインプラントの破損などにもつながるリスクが高まるため、違和感があればすぐに歯科医院を受診しましょう。

関連記事:インプラントは痛くない?痛みを感じやすい原因やタイミング別の痛みや症状の度合い

8.インプラント治療の痛みは手術後が要注意

手術中の痛みは比較的少ないものの、手術後は慎重にならないと痛みや腫れが引かないどころか悪化する恐れもあるインプラント治療。手術後に歯科医師からある指示は必ず守るようにしましょう。特に「インプラント周囲炎」にならないためには日頃からのケアも大切になります。歯科医師に定期的に掃除をしてもらったり、歯ブラシ以外の器具を使ってケアをしたりすることを忘れてはいけません。

外科手術なので痛みに不安を抱えている人は、事前に歯科医師に相談すればある程度不安は解消できますが、なかなか相談しにくい方もいるでしょう。当院では、痛みの少ない治療を心がけています。インプラント治療の痛みや不安を相談したい方は、ぜひ一度当院までお問い合わせください。

 

※本コラムはあくまで一般的な情報として説明しております。高田歯科ではコラム内容で触れてはおりますがあえて対応していない内容もございますが、ご来院いただく患者様に合わせて最適なインプラント提案をさせていただいておりますので、まずは相談ください。

カテゴリー:インプラント&歯科ブログ   投稿日:2021年9月7日