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インプラントは危険?ありうるリスクと予防・対処の方法を解説


インプラント治療を受けたいと思っていても、危険ではないかと不安に感じる方は少なくないのではないでしょうか。確かに人工物を骨に埋め込むと聞くと、危険な気がするかもしれません。しかしインプラントは決して危険な治療法ではありません。

この記事では、インプラントが危険ではないと言える根拠や、考えられる危険性、手術前・手術中・手術後にできる危険の予防策や対策について解説します。インプラントをご検討中の方はぜひ参考にしてみてください。

▼この記事でわかること
  • インプラントは安全な方法で、そう言える理由には、技術の進歩、緻密な準備による施術、素材に対する厳しい基準が挙げられる
  • ただし考えられる危険として、神経や血管を傷つける、院内で細菌感染する、骨と結合しない、金属アレルギー、インプラント周囲炎がある
  • 手術前の危険予防策は、持病や生活習慣の確認、骨や口内などの状態の検査
  • 手術後の危険対策は、結合失敗、金属アレルギー、インプラント周囲炎のそれぞれを予防すること
  • 安全な歯科医選びのポイントは、実績と経験、設備の充実度、希望を聞いてくれるか、コミュニケーションなどの安心感、インプラント以外の対応力

インプラントは危険ではない

インプラントには一定のリスクや危険はありますが、総合的に見れば決して危険な治療方法ではありません。初めに、なぜ危険ではないと言えるのか、さらに安全性以外のメリットやそもそもインプラントとはどのような治療法なのかを解説・確認していきます。

関連記事:インプラントが絶対にダメと言われる理由は?インプラントかを判断する3つのポイント

インプラントは安全な治療法

インプラントは歴史の短い治療法などではなく、すでに一定の知見が蓄積された安全な治療法です。

世界的には1960年代から治療が始められ、日本でも1980年代から普及し現在に至るまで有効な治療法として活用されてきました。つまり日本国内でも約40年の歴史があることになります。

さらに日本だけでも約275万人が使用していると推定されています。厚生労働省の平成28年調査では人口の約2.7%がインプラント治療を受けているというデータもあります。

このようにインプラントはこれまでに国内外で多くの方々が利用し、そのほとんどがトラブルなく生活しています。危険性の極めて少ない治療法だと言えるでしょう。

安全性以外のインプラントのメリット

インプラントには、安全性以外にも多くのメリットがあります。

まず挙げられるのが、見た目の自然さ、審美性です。人工歯の部分は透明感や色合いを調整できるため、周りの歯になじみ天然歯のように見えます。

さらに、天然歯と変わらない噛み心地で食事ができます。人工歯根であごの骨に固定するため、しっかりとした噛む力で硬い食べ物や粘り気のある食べ物も咀嚼することが可能です。

また耐久性の高さもメリットです。一般に10~15年が寿命とされますが、しっかりケアすることでそれ以上の期間使用できている例も少なくありません。

そもそもインプラントとは

インプラントとは、歯を失った部分のあごの骨に人工の歯根を埋め込み、人工歯を固定する治療法です。歯根の部分は金属製ですが、時間を置くことで骨と結合して固定され安定します。

「インプラント」は厳密には骨に埋める部分を指しますが、アバットメント(土台)、上部構造(白い被せ物)をふくめた3つのパーツで構成される全体を指すことも一般的です。

インプラントが安全と言える理由

では、より具体的にインプラントが安全と言える理由を解説します。

技術の進歩

まず、安全性を高める技術が進歩しており、さらに現在も進歩し続けている点が挙げられます。

現在では、コンピューターを使ったシミュレーション技術とサージカルガイドというマウスピースのような補助装置により、正確な埋入ができるようになっています。それにより、手術中に周囲を傷つけるリスクや噛み合わせがずれるリスクが低減可能です。手術を行う環境の衛生管理の技術も高まっており、クリーンな環境で施術することも可能になっています。

その結果インプラント手術の成功率は95%以上とされ、ほかの治療法と比べても高い水準にあります。

緻密な準備による施術

新しい技術は緻密な準備のためにも活用され、精度の高い施術につながっています。

治療計画を立てる準備段階で、歯科用CTによる詳細な検査を行います。CTで骨の厚み・密度、神経や血管の位置などを確認します。

詳細な情報が得られることで正確な診断が可能になりました。その結果、安全な施術のための緻密な計画を立てることにつながっています。さらにそれを計画で終わらせず実現できる技術が進歩しているわけで、治療の精度は非常に高くなっています。

素材に対する厳しい基準

インプラントの素材にも厳しい基準が設けられており、安全性を高める一因となっています。素材は厚生労働省の承認を受けており、安全性・耐久性が高いのが特徴です。

また主に使われるチタンは金属アレルギーを起こしにくい素材です。骨と結合する性質があり、安定性が高いという点も安全な治療につながっています。

手術中に起こりうる危険

これまでインプラントが安全と言える理由を解説してきましたが、インプラントには一定の危険があるのも事実です。ここからはインプラントの危険について確認しておきましょう。初めに、手術中に起こりうる危険についてまとめます。神経や血管を傷つける危険、院内で細菌感染する危険の2つです。

関連記事:インプラントの代表的な失敗例とその原因!失敗を防ぐポイントもご紹介

神経や血管を傷つける

まず、インプラントの手術中に神経や血管を傷つける危険があります。

下顎には神経が通っており、鼻の奥には上顎洞(じょうがくどう)という空洞が位置しています。手術中に誤ってこれらの神経や上顎洞の粘膜に触れたり傷つけたりしてしまうリスクはゼロではありません。その場合、しびれや炎症が起こる可能性もあります。

さらに可能性は低いものの、舌下動脈、下歯槽動脈、上歯槽動脈などの血管を傷つけてしまい出血させる危険もあります。

院内で細菌感染する

そのほか、手術中に院内で細菌感染する危険もあります。手術中に切開している部分に細菌が入り込むリスクです。

感染すると、腫れ・痛み、膿、発熱などの症状が起こる可能性があります。さらにひどい場合は、骨と結合する前にインプラントが脱落してしまいます。

手術時の細菌感染は、術後早期に現れる急性の症状です。インプラント周囲炎も細菌に感染して起こりますが、手術から一定期間経ってから口内環境などが原因で進行するものです。両者は共通点もありますが厳密には異なります。

手術後に起こりうる危険

次に、手術後に起こりうる危険について解説します。比較的短い期間で起こる危険と、数年以上の中長期で起こる危険とがあります。そのほか、健康を害する危険ではないものの見た目などのリスクについてもまとめて確認しておきましょう。

関連記事:インプラント治療による後遺症リスクと安心の歯科医院選びのポイントを徹底解説

骨と結合しない

まず、人工歯根のチタンが骨と結合しない危険があります。

通常は、数か月かけてチタン製のインプラント体(人工歯根)が骨と結合します。その結果インプラントがしっかりと固定され、安定します。

しかし骨と結合しないケースもあります。喫煙による血行悪化、もともとの骨の厚さ・高さ不足などが主な原因です。その場合、いったんインプラントを除去し骨の回復を待ってから再度埋入の手術を行うことになります。

金属アレルギーが起こる

チタンはアレルギーを起こしにくいため稀なことですが、金属アレルギーが起こることもあります。症状の例として挙げられるのは、慢性的な違和感のほか、口内炎や口の中の金属味などです。また周囲の歯茎だけでなく、全身の湿疹やかゆみ、倦怠感・体調不良といった形で現れることもあります。

数日から数か月の早期に発症する場合、数年以上経ってから発生する場合があります。早期に発症するケースはもともとアレルギーがある場合、遅発のケースは徐々にインプラントから金属イオンが溶け出して発症する場合に起こります。

インプラント周囲炎になる

インプラントのリスク・危険の代表がインプラント周囲炎です。インプラント周囲炎とは、インプラントの周辺にプラークが溜まり起こる細菌性の炎症です。放置しておくと骨が溶けてしまい、ひどい場合はインプラントが脱落することもあります。

ブラッシングなど日常的なケアが不十分なことが原因となり発症します。また初期は自覚しづらく天然歯の歯周炎よりも進行が速いのが特徴です。

そのほかのリスク

健康に悪影響となる「危険」ではないかもしれませんが、見た目のトラブルが発生することもあります。たとえば、人工歯が周囲の歯より長く見える、インプラント体が透けて黒ずんで見えるなどです。

そのほか機能面では、噛み合わせが悪くなることもあります。調整不足などが原因のこともありますが、喫煙や歯ぎしりなどの習慣・癖やインプラント周囲炎などにより発症するケースも珍しくありません。

手術前の危険予防策

これまで見てきたような危険を予防するための方法も存在します。ここからは危険予防策について解説していきましょう。手術前に行う予防策から見ていきます。

関連記事:インプラント治療が怖いといわれる理由は?怖さを払拭する方法もご紹介

持病や生活習慣の確認

まず持病や生活習慣の確認が挙げられます。問診などの形で事前に確認することで、リスクを避けられる選択肢を選んだり禁煙するなど事前の対処が可能になったりします。

持病の例としては、糖尿病・高血圧、心臓疾患などがあります。また服用している薬が治療に悪影響を与えることもあります。よく知られているのは、骨粗しょう症薬(ビスホスホネート系、デノスマブ)、血管新生阻害薬、一部の高血圧薬(カルシウム拮抗薬)、免疫抑制剤などです。

喫煙や飲酒などの生活習慣、歯ぎしり・食いしばりなどの癖も事前に歯科医に共有しましょう。どれもリスクを高める要因となるためです。

骨や口内などの状態の検査

口頭による確認だけでなく、骨や口内などの状態を検査して把握することも重要です。検査により、事前の対処の必要性や手術時に注意すべき点などを理解することができます。

検査で調べる点は、骨の厚みや高さ・硬さ、神経や血管の位置などです。骨の状態がわかると骨造成が必要かどうか判断できるようになり、失敗のリスクを減らすことが可能です。

そのほか歯周病の有無の検査、血液検査による感染症の確認なども役立ちます。手術前に治療しておくことで、手術前後の危険を低減することができます。

手術中の危険対策

続いて、手術中に行われる危険対策についてまとめます。神経や血管を傷つけるような事故の予防と院内感染の予防の2つに大きく分けることができます。いずれも手術を行う歯科医側が行う対策です。

事故の予防

事故の予防から見ていきましょう。具体的には、麻酔、安全管理と緊急時の対応体制が挙げられます。

麻酔方法

麻酔を利用することで、痛みを感じずに済むほかメンタル面でも安心して手術を受けられるようになります。麻酔方法に関しては、局所麻酔が一般的です。過剰投与を避けつつ、回復の速さなどとのバランスを考慮して麻酔が行われます。

手術への不安感がある患者様向けには、局所麻酔と併用して静脈内鎮静法という方法が取られることもあります。これは眠ってはいないもののうたた寝のような状態を維持する方法で、リラックスして手術が受けられる方法です。

安全管理と緊急時の対応体制

安全管理と緊急時の対応体制の整備も事故の予防につながります。

安全管理の前提として、どのようなリスクがありうるか把握することが不可欠です。そのうえで事前のリスク説明を行い、リスクを理解して納得の上で手術を受けてもらうことが歯科医側にとって必須です。

手術中の対応のためには、手術中も絶えず血圧など体の状態をモニターすることが求められます。さらに酸素吸入器など万が一の場合の安全設備も整えておき、緊急時に対応できるようにしておかなくてはなりません。

院内感染の予防

続いて院内感染の予防です。滅菌された環境の整備と、抗生物質の投与が挙げられます。いずれも歯科医側が行う予防策ですが、抗生物質に関しては手術を受ける側も指示通りに服用することが求められます。

滅菌環境

院内感染を防ぐためには滅菌された衛生的な環境づくりが不可欠です。菌がなければ感染することもありません。

具体的には、専用オペ室または清浄区域、使い捨て製品の採用、高圧蒸気滅菌器(オートクレーブ)による全器具の滅菌、術者のスクラブ(手術着)着用、構内の消毒などが挙げられます。

滅菌の方法には、洗浄・消毒、高温による滅菌などがあります。

抗生物質

抗生物質の服用も、感染症、腫れ・痛みなど合併症の予防につながります。

予防的に術前にも処方されることがあるため、その場合は指示通りに飲むようにしましょう。もちろん術後も数日から1週間程度処方されます。術後についても指示通り飲み切ることが大切です。

手術後の危険対策

危険対策の最後は、手術後に起こる危険への対策です。手術後に発生する危険には、結合の失敗、金属アレルギー、インプラント周囲炎があります。これらの危険への対策を順に解説していきます。

結合失敗の予防

初めに、骨とチタンの結合が失敗することへの予防策です。

事前の対処

手術前に行う対処を見てみましょう。

検査結果を見て、骨がやせていて安定しづらいケースは骨造成を行います。骨造成により、骨結合でしっかり固定するよう促すことが可能です。

骨粗しょう症の治療を受けている場合には、薬が骨に影響することもあります。その際は医師と連携して、方針を決定することが不可欠です。

歯ぎしり・食いしばりがある場合、マウスピース(ナイトガード)を検討し、必要に応じて準備することが求められます。

禁煙・節酒

手術前、手術後の禁煙や節酒も骨結合に失敗するリスクを低めます。

骨結合のためには、適度な血行が求められます。喫煙は血行を悪化させるため禁煙することが有効です。また過度の飲酒も免疫力低下などのリスクを引き起こすため、節酒して免疫力を保つことも有益です。

金属アレルギーの予防

続いて、金属アレルギーの予防について見ていきましょう。

事前の検査・確認

基本として、事前の検査や確認が挙げられます。

過去にアクセサリーなどで肌荒れになった経験など、現時点で金属アレルギーがないかどうか問診して確認します。

またパッチテストも金属アレルギーの確認のため行われる方法です。パッチテストとは、金属の試薬が塗られたシール状のパッチを48~72時間程度皮膚に貼っておき、どのような金属にアレルギー反応があるか確認するテストです。パッチテストは主に皮膚科で受けられます。

どちらの方法でも、確認のうえ金属アレルギーがあるとわかったなら事前の対処が可能になります。

インプラントの素材選び

また、必要な場合はインプラントの素材選びにも注意します。

インプラントでよく使われるチタンはアレルギーを起こしにくい素材です。そのため、通常でも金属アレルギーのリスクは低いと言えます。ただしごく稀に、チタンもアレルギーを引き起こすことがあります。その場合は、金属をいっさい使わないジルコニア素材の検討・選択が求められます。

インプラント周囲炎の予防

次はインプラント周囲炎の予防策です。手術が成功しても、口内を衛生的に保たなければインプラント周囲炎になってしまいます。インプラント周囲炎の予防は手術の後も継続しなくてはなりません。また歯科医側だけでなく、患者様の側も積極的に行うことが求められます。

日常的なセルフケア

インプラント周囲炎の原因となる細菌が溜まるのを防ぐためには、日常的なセルフケアが欠かせません。ブラッシング、フロスによる食べかすの除去などを確実に行いましょう。とくにインプラントと歯茎の境目は丁寧な清掃が求められます。

面倒がらずに継続することが重要です。

定期的なメンテナンス

また定期的なメンテナンスも重要です。細菌の固まりであるプラークは自分だけでは完全に取り切れないためです。

そのため定期的なメンテナンスを受けて除去してもらわなくてはなりません。メンテナンスのため通院することで、検査による状態確認もしてもらえるため一石二鳥です。

治療後にトラブルや異常を感じたときの対処法

ここまで治療前の危険予防の方法について解説してきましたが、次に治療後にトラブルや異常を感じたときの対処法についてまとめます。

早期発見のためのセルフチェック方法

異常に早く気づくためには、違和感を感じたときなどまずは以下の点をチェックしましょう。

  • 歯茎が赤く腫れたり暗い色に変化している
  • 出血する
  • 膿が出る、あるいは口臭がある
  • インプラントのぐらつきがある
  • 痛みやしびれ・麻痺がある
  • かみ合わせに違和感を感じる
    • 手術直後はもちろん、手術後も普段から上記のポイントを確認することをおすすめします。確認することで、インプラント周囲炎や上部構造のねじのゆるみなどの早期発見につながります。いずれかに当てはまる場合や上記以外にも違和感や不調を感じる場合は、手術を受けた歯科医に速やかに相談しましょう。

      なおインプラント周囲炎は、初期は自覚症状がないことが多くあります。そのためセルフチェックは、定期メンテナンスとセットで行うことが大切です。

      違和感・痛み・腫れを感じたときの相談先

      違和感や痛み・腫れを感じたときは、まずは治療を受けた歯科医に連絡して診察を受けてください。手術までの経緯や手術中の経過など、事情を最もよく把握しているためです。

      もしも診断の内容に納得がいかない場合などは、セカンドオピニオンに対応している歯科医に相談すると客観的な意見が得られます。セカンドオピニオンについては、以下でもう少しくわしく解説します。

      セカンドオピニオンの活用方法と探し方

      セカンドオピニオンとは、診断や治療方針に関する意見を主治医以外の医師に求めることです。主治医の意見を、ほかの視点から検討することができるようになります。

      客観的に見てももとの提案が最善の策であったなら、納得度が高まります。より希望に近いほかの提案が受けられたなら、主治医に相談し直したり場合によっては歯科医を変更したりすることも検討できます。

      セカンドオピニオンを求める場合は、インプラントに詳しく治療実績の多い歯科医を選ぶことが大切です。「地名 インプラント セカンドオピニオン」などで検索するほか、各インプラントの学会の専門資格を持つ「専門医」「認定医」などが近隣にいないか調べるとよいでしょう。

      保証制度、再治療時の費用負担の確認

      治療内容だけでなく、保証制度や再治療時の費用負担についても確認しておきましょう。

      保証は、メーカーの保証のほか歯科医が独自の保証制度を設けている場合もあります。また第三者機関のガイドデントを利用している場合もあります。契約内容を確認しましょう。引っ越した場合など手術を受けた歯科医に通院するのが難しくても、ガイドデントなら近くに対応している歯科医があれば利用可能です。

      ただし保証については、条件があることが一般的です。主な例としては、通常の利用の範囲である、定期メンテナンスに通っている、ほかの歯科医での治療を受けていないなどの条件が挙げられます。自分の場合はどのような条件があるか確認しましょう。

      重大なトラブル時に相談できる公的機関

      重大なトラブルが発生してしまったときは、以下の公的機関に相談することをおすすめします。

      治療の内容については、各都道府県にある医療安全支援センター、保健所に連絡してみましょう。契約や費用面でのトラブルなら、国民生活センターや消費生活センターが相談に乗ってくれます。重大な医療事故などは弁護士会の医療相談で話を聞いてみてください。

      安全な歯科医選びのポイント

      続いて、トラブルや危険のない/少ない安全な歯科医を選ぶポイントについて見ていきます。安心して治療を受けるためにも、ぜひ参考にしてください。

      関連記事:インプラント治療で後悔しないためには?注意点や口コミの真相を解説!

      実績と経験はどうか

      まずは、その歯科医の実績と経験はどうか確認しましょう。

      実績は評価の目安です。実績が多いほどそれだけ多くの人が利用していることになり、安心度が高いと言えるでしょう。さらに実績が多いと多くの事例を経験していることになります。さまざまなケースに対する対応力の高さも期待できます。

      そのほか、「認定医」「専門医」などと名乗っている場合も安心度が高いことが期待できます。学会の資格を取得している場合にそういった呼称を使うことが許されます。資格を持っていることは最新の情報を学び続けている証です。知識が豊富だと考えられます。

      設備の充実度はどうか

      設備の充実度が高いかどうかも安心できる歯科医選びのポイントです。設備が充実しているほど、精度の高い治療や手術が受けられる可能性が高まるためです。設備に投資できる余裕があることは、それだけ多くの治療を行っており実績も多いと考えられます。

      設備には、治療の品質・精度を高めるためのものだけでなく衛生状態を保つための設備もあります。そういった設備が充実していれば衛生面の安全性も期待できます。

      設備の充実度は、ホームページを見たり相談時に実際の設備を見たりして確認しましょう。

      希望を聞いてくれるか

      治療内容やスケジュールなど、希望を聞いてくれるか、可能な範囲で対応してくれるかどうかもポイントになります。治療を受ける際は納得度が大切であり、希望を聞いてくれるかどうかは納得度を高める大切な要素です。

      完全に希望通りにすることが難しい場合も、近い案を提案してくれるか、希望通りにできない理由を納得いくように説明してくれるかを見るようにしましょう。

      コミュニケーションなどの安心感はどうか

      コミュニケーションなどの安心感も重要です。コミュニケーションが取りづらいと、長い目で見たとき不満や不安などのリスクとなるためです。

      インプラントは手術して終わりではありません。手術までに通院が必要なほか、その後も定期的に検査やメンテナンスを受ける必要があります。コミュニケーションが取りやすければ、やり取りのストレスを感じずに済みます。

      さらに気兼ねなく質問したりしっかり応えてもらったりできれば、治療内容の納得度も高まり治療自体のストレスを感じることも少なくなるでしょう。聞きづらくて質問しなかったことや言いづらくて共有しなかったことが後々トラブルとなる可能性があるため、治療においてもコミュニケーションの取りやすさは大切です。

      インプラント以外の対応力はどうか

      少し意外かもしれませんが、インプラント以外の対応力がどうかも歯科医選びのポイントです。

      インプラント治療には、総合的な知識が必要です。そのため、インプラント以外の治療にも精通していれば高い対応力があると考えられます。より適した治療法がほかにある場合には、最善の案を提案・対応してくれるでしょう。

      万が一インプラントを利用できなくなってほかの方法に切り替えるときにも、安心できます。

      そのほか診療時間・立地など

      そのほか現実問題として、診療時間や立地も歯科医選びの条件になります。時間が合わなかったり場所が遠かったりして通院しづらいと、メンテナンスなど必要な通院でも行かなくなってしまう可能性があるためです。

      ただしインプラントは専門性の高い治療法のため、多少条件が合わなくてもよい歯科医に通った方が安心だとも言えます。妥協できる範囲かどうかという視点で時間や立地を見るのが現実的でしょう。

      インプラントと他の歯科治療のリスク比較

      続いて、インプラントと他の歯科治療のリスクを比較してみましょう。失った歯を補う治療法には、インプラントのほかブリッジと入れ歯があります。ここではその2つの方法と比較します。自分に適した治療法を検討してみてください。

      ブリッジ治療と比較した安全性とリスク

      ブリッジとは、失った歯の両隣の歯を削って土台にし、人工歯を橋渡しにする治療法です。

      後ほど解説しますが、ブリッジは天然歯を利用する点でも構造を見ても虫歯になりやすいという側面があります。しかしインプラントは人工歯であり、ブリッジと違って虫歯になるリスクがありません。その代わりに外科手術が必要であり、手術に伴うリスクがあるのがデメリットだと言えます。

      入れ歯(義歯)と比較した安全性とリスク

      入れ歯はよく知られている通り、取り外し可能な人工の歯です。すべての歯を補う総入れ歯と失った歯だけを補う部分入れ歯とがあります。

      入れ歯は取り外せるため誤嚥のリスクがありますが、インプラントは骨に固定されているためそのリスクはありません。しかし外科手術とそれに伴う感染などのリスクがあり、ブリッジとの比較同様その点では入れ歯よりリスクがあると言えます。

      それぞれの治療法のメリット・デメリット

      ブリッジ・入れ歯とも、外科手術が不要で手術に伴うリスクがない点がインプラントにはないメリットです。また費用面で、インプラントより低価格に抑えられる点が大きなメリットだと言えるでしょう。

      デメリットについて見ると、ブリッジは健康な歯を削る必要があるほか、ブリッジの境目が不衛生になりやすいことが挙げられます。入れ歯は誤嚥リスクがあるほか、痛みや違和感を感じる場合もある点がデメリットです。

      インプラントを受けるかの自己チェックのポイント

      治療法の中からインプラントを受けようと考えている際、受けるかどうかの自己チェックのポイントをまとめます。

      持病や服薬の状況はどうか

      まず、持病や服薬の状況を振り返りましょう。場合によっては対処が必要なほか、インプラントが不可能になるケースもあります。

      病気については、糖尿病、高血圧、心臓疾患があるとリスクが高まります。また服薬については、骨粗しょう症の薬の中には骨結合を阻害する働きをするものがあります。

      上記に該当する場合は、治るまで待つ、ほかの方法を選択するなどの判断が必要です。ただし対応が可能な場合もあるため、最終的には歯科医・医師に相談することをおすすめします。

      喫煙など生活習慣はどうか

      さらに生活習慣を確認しましょう。これまでにも解説した通り、喫煙は血行を悪くして骨結合がうまくいかなくなるリスクを高めます。さらに過度の飲酒も、免疫力を下げて感染リスクを高める習慣です。禁煙や節酒が求められます。

      歯ぎしり・食いしばりもインプラントの破損や骨結合への悪影響の原因になり得ます。歯ぎしり用のマウスピースを用意するなど、対処が必要です。

      自分の希望はどうか

      また治療を受けることでどうなりたいか、どんな希望があるかも整理しておきましょう。見た目・噛み心地など、得られるメリットとしては何を重視するか考えてみてください。費用や治療期間を抑えたいというケースもあるでしょう。耐久性や安全性が気になるかもしれません。

      ただし希望にかかわらず、口内の環境によっては選択肢が限られる場合もあります。たとえばブリッジは土台にする歯がなければ不可能です。希望を整理して、現実的に可能かどうか考えましょう。

      費用とのバランスはどうか

      希望を明確にしたら、費用とのバランスも考えましょう。希望を実現できる治療法は、費用に見合った価値を感じるかどうか改めて考えてみてください。場合によっては、追加の処置が必要で費用がかさむ場合もあります。

      ほかの治療法より費用がかかる場合は、差額を許容できるかどうか、余計に払ってでもメリットがあると感じられるかどうか、逆にほかの方法を選んでその額を節約した場合にのちのち後悔しないかを冷静に考えてみましょう。

      インプラントは高すぎると感じるなら、やめた方がよいかもしれません。しかし今の自分には気づいていない点がある可能性もあり、歯科医に相談しながら検討するのがおすすめです。

      日常的なケアができるか

      インプラントを検討するなら、継続してケアができるか考えることも不可欠です。インプラントは日常的なケアが必要なためです。

      さらに定期的なメンテナンスの必要もあります。大きな金額ではありませんが、費用や時間がかかり続けるということです。それらを含めて、ケアをし続けられるかどうかを考えましょう。なおどの治療法も、適切にケアするほど長く使い続けられる可能性が高まります。その分新たに治療を受ける労力や時間・費用を減らすことができます。

      安全な治療を受けるための事前相談のポイント

      解説の最後に、安全な治療を受けるための事前相談のポイントをまとめます。

      持病・服薬、生活習慣を正確に伝える

      まず、持病・服薬、生活習慣を正確に伝えるようにしましょう。伝え漏れや隠し事があると失敗のリスクが高まるためです。

      持病や生活習慣など言いづらいことでも、隠さず話すことで対処する方法を検討できます。すべて正確に伝えたうえで最善の方法を探るのが基本です。

      歯科医の経験・実績を確認する

      歯科医選びのポイントで解説したように、歯科医の経験や実績を確認しましょう。経験や実績を確認することで安心感のある治療が受けられるか目安になるためです。

      実績は評価、経験は対応力と深く関係しています。判断材料の1つとして確認しましょう。

      使用するインプラントについて説明してもらう

      使用するインプラントについて説明してもらうことも、安全な治療を受けることにつながります。納得度が高まるだけでなく、注意すべき点を理解できるようになるためです。

      素材や構造、耐久性や強度、費用などいろいろな面について説明を聞きましょう。埋入後のケアの方法、避けるべきことなど注意点も確認することでより具体的にイメージできるようになります。

      起こりうるリスクと緊急時・失敗時の対応を確認する

      起こりうるリスクと緊急時・失敗時の対応を確認することも、納得度を高めるだけでなくいざという時に役立ちます。

      自分の場合どのようなリスクがありうるかについて、手術直後など短期的なリスク、使用を始めてからの中長期のリスクに分けて確認しましょう。予防しようという心構えにもつながります。

      また手術や使用中のトラブル発生時に、治療内容・費用負担などどのように対応してもらえるかの確認も必須です。話が違うといったトラブルを避けることができます。

      治療後のメンテナンス計画を確認する

      また治療後のメンテナンス計画を確認しましょう。手術後のイメージを持つことができます。具体的には、通院の頻度、メンテナンスの内容、毎回の費用や時間などです。そのほか予約方法やお知らせの有無なども確認しておくと安心です。

      メンテナンスを受けることは、保証を受ける場合の条件になっていることが普通です。必ず確認しておきましょう。

      インプラントの危険性についてよくある質問

      インプラントの危険性について、よくある質問と回答をまとめました。

      インプラント治療は本当に安全ですか?

      インプラントは1960年代から世界で行われ、日本でも約40年の歴史を持つ治療法です。国内でも約275万人が利用しており、現在は手術成功率95%以上とされています。歯科用CTによる事前検査、シミュレーション技術、サージカルガイドの活用などにより精度が高まっており、素材や衛生管理にも厳しい基準が設けられているため、適切な歯科医院で治療を受ければ安全性の高い治療法だと言えます。

      インプラント手術中にはどのような危険がありますか?

      手術中の主な危険は、神経や血管を傷つけてしまうリスクと院内感染のリスクの2つです。下顎の神経や上顎洞、周辺の血管を傷つけるとしびれや炎症、出血の原因となります。また、切開部から細菌が侵入すると腫れ・痛み・膿・発熱などが起こり、ひどい場合はインプラントが脱落することもあります。歯科用CTでの事前検査や滅菌環境の整備により、これらのリスクは大きく低減できます。

      インプラント周囲炎はなぜ起こるのですか?どう予防できますか?

      インプラント周囲炎は、インプラント周辺に細菌が溜まることで発生する炎症で、放置すると骨が溶けインプラントが脱落することもあります。原因はブラッシングなど日常ケアの不足です。予防には、ブラッシングやフロスによるていねいなセルフケアと、歯科医院での定期メンテナンスを継続することが欠かせません。初期は自覚症状が少ないため、定期的な検査が早期発見の鍵となります。

      治療後に違和感や腫れを感じたら、まずどこに相談すべきですか?

      まずは治療を受けた歯科医に連絡し、診察を受けてください。手術の経緯や経過を最も把握しているためです。診断内容に納得できない場合は、セカンドオピニオンに対応している歯科医に相談すると客観的な意見を得られます。重大なトラブルの場合は、医療安全支援センターや保健所、契約・費用面なら国民生活センター、医療事故なら弁護士会の医療相談などの公的機関の活用も検討しましょう。

      インプラントは誰でも受けられる治療ですか?

      すべての方が受けられるわけではありません。糖尿病、高血圧、心臓疾患などの持病がある場合や、骨粗しょう症の薬・血液をサラサラにする薬などを服用している場合はリスクが高まります。また、喫煙や歯ぎしりなどの生活習慣・癖もリスク要因です。ただし対応可能なケースも多いため、最終的には歯科医や医師に相談して判断することが大切です。事前に持病や服薬を正確に伝えましょう。

      インプラントの危険性に対策して安心して治療を受けよう

      インプラントは、決して危険な治療法ではなく高い水準の安全性を誇る治療法です。リスクはゼロではありませんが、対策していくことで問題なく天然歯に近い噛み心地の歯が得られます。

      もしも、それでも不安を感じるということであれば私ども高田歯科クリニック(東京都杉並区)にご相談ください。当院の治療についてご説明するほか、ほかの治療法との比較検討もいたします。まずはお気軽にご連絡ください。

      カテゴリー:インプラント&歯科ブログ   投稿日:2026年5月19日